トレンドマイクロが「フェイクニュース」に関する調査結果を発表 「1000いいね!」は2円で買える
攻撃者は金銭的・政治的な目的のために「フェイクニュース」を使う。
トレンドマイクロは、8月29日より全3回に渡って「フェイクニュース」に関する調査結果を同社セキュリティブログ内にて公開すると発表しました。人気SNSの1000「いいね!」は約2円から購入可能であることや、攻撃者は攻撃者は金銭的・政治的な目的のために「フェイクニュース」を使うことが触れられています。
「フェイクニュース」とは、世論操作を目的に作られた真実味を帯びたウソのニュースのこと。トレンドマイクロは、サイバープロパガンダ(世論の操作を目的としてインターネット上で虚偽のニュースを拡散させる宣伝工作)に注目して、「フェイクニュースの作成・発信」「拡散」に分けて、攻撃に用いられるアンダーグラウンドサービスや悪用されうる正規サービスへの調査を行っています。
フェイクニュースは、約8200円〜2万1000円で容易に作成されており、拡散のためにプロモーションを請け負うサービスも存在しています。そういったサービス事業者に頼むと、約2円でInstagramの1000件の「いいね!」を得ることができたり、約340円でTwitterで1000人のフォロワーを得ることが可能です。中には、Facebookで1カ月間に1000件のコメントをつけるサービスやYouTubeで1000回の再生をするサービスも行っている事業者もいます。しかし本来は、いずれの主要SNSも「いいね!」やフォロワー数、視聴回数の売買は禁止しています。
今回掲載されたフェイクニュースに関する調査結果の第1回は「インターネットを利用した世論操作」。フェイクニュースに関する概要を伝えるもので、それによると、フェイクニュースの拡散プラットフォームとしてソーシャルメディアが攻撃者にとって理想的であることや、攻撃者は政治的な目的達成のための「手段」としてフェイクニュースを使うことを指摘しています。
また、世論操作よりも容易なのが金銭目的として特定のサイトやページへのアクセスを増やすこと。それによって広告収入を得やすくし、企業からの印象操作を可能にしています。フェイクニュースにより、市場や株価の操作を行い、多額の金銭を得る方法もあるそうです。
こうしたフェイクニュースによる攻撃の多くは、ソーシャルメディアでのフォロワーの売買やクリックファームと呼ばれる、複数の端末を一度に操作するシステムで行われています。フォロワー数や「いいね!」数、アクセス数だけを信じてはいけませんね。
フェイクニュースに対して、私たち一人一人が危機感をもち、しっかりとした情報の取捨選択をして、正しいニュースを受け取るようにしたいところです。トレンドマイクロによると、記事の公開日情報や著者・情報源の情報が不足している記事、複数のSNSアカウントで全く同じ文面の投稿が行われているなど不審な点がある場合はフェイクニュースの拡散の可能性が高いとのこと。怪しいと感じたら自分のSNSアカウントから容易に拡散しないように注意を呼びかけています。自分がフェイクニュースの拡散元とならないよう、気をつけたいですね。
8月30日には第2回「フェイクニュースの価格相場」、8月31日には第3回の「フェイクニュースを見破る方法」を公開するとのことです。
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