横浜・八景島シーパラダイス「深海生物大量死」問題で見解発表 関連機関の告発で話題に
ノウハウの不十分さや飼育経験の不足が原因であったとも。
横浜・八景島シーパラダイスで「深海生物が大量死した」というFacebook投稿が話題になっていた件を受け、運営会社である横浜八景島は9月11日、事実関係について公式な見解と調査結果を発表しました。
問題の投稿は、今年(2017年)の8月22日、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の元職員を名乗る人物が、同機構の非公式アカウントに書き込んだもの。投稿によると、投稿者は今年3月、ヤマトコブシカジカやシンカイハクトウギンチャクなど、JAMSTECの研究施設で育て続けた深海生物たちを、飼育展示のため八景島シーパラダイスへと送り出したそうです。
ところがその後、同水族館で「ちゃんと管理している機関では考えられない出来事」が発生し、50匹以上の生物が一度に死亡してしまったとのこと。投稿者が水族館側へ問い合わせを行っても「こちらからの問い合わせを何度も1週間以上無視し、返答に困るような回答を送ってくる」といった対応をされてしまい、残念に思ったとつづっています。
この記事を閲覧したネットユーザーも、心配と不安の入り混じった反応を見せていました。
編集部では8月下旬、この件についてシーパラダイスおよびJAMSTECに問い合わせていましたが、どちらも「共同で調査中」との回答。その後9月11日になって、JAMSTEC公式ホームページにて、横浜八景島名義での公式見解が発表されました。内容は以下の通りで、深海生物の死亡事故についてはおおむね事実であることを認めた形となっています。
- JAMSTECより複数の深海生物を受け入れた。
- 受け入れ後、輸送及び環境の変化により一部の個体が死亡したが、その後は比較的安定した状態で飼育することができていた。
- しかしながら、夜間に水温のコントロールを担う冷却設備が故障したことで水温上昇が発生。それが原因で状態が著しく悪化し、残りの個体についてもその後 3カ月の間に死亡した。
- JAMSTEC と共同で調査を行った結果、運搬時及び環境変化によるストレス、期間中の設備の不具合、ならびに当該深海生物に対する飼育経験の不足や、飼育設備や技術に関するノウハウの引継ぎが不十分であったことなどによる複合的な要因で発生した。
最後に横浜八景島は今回の事故について、「当館はこれからも、常に生きものと真摯に向き合い飼育を行ってまいります。また、JAMSTEC様とは、今後もより一層の協力関係を継続し、深海生物につきましてもご指導いただきながら、飼育技術の向上に努めてまいります」とコメントしました。
(エンジン)
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