コラム
» 2017年09月23日 12時00分 UPDATE

牛乳の味はなぜ違う? 成分表示で見る、好みの牛乳を選ぶためのチェックポイント

スーパーで売っている牛乳。それぞれに味やコク、後味、匂いなどに違いがあります。この違い、果たして何が理由なのでしょうか。

[石原亜香利,ねとらぼ]

 メーカーによって異なる牛乳の味。いったい何の違いなのか疑問に思ったことはありませんか。牛の違いなのか、乳成分の違いなのか、はたまた加工の違いなのか……。

 真相を探るべく、一般社団法人Jミルクに取材しました。

牛乳の味を決める3要素

――市販の牛乳の味を決める要素にはどのようなものがあるのでしょうか?

Jミルク:牛乳の味を決めるのは、乳牛の種類、年齢、健康状態、個体差、乳牛が食べるえさの種類、季節などの乳牛によるものと、加工方法によるものとがあります。

 Jミルクによると、特に牛乳の味を決めるのは次の3つの要素だといいます。

  1. 乳脂肪分の割合
  2. 無脂乳固形分の割合
  3. 加熱殺菌したときの乳タンパク質と乳糖の反応による「加熱フレーバー」

1. 乳脂肪分の割合

Jミルク:乳牛はどのようなえさを食べるかで生乳の風味が違ってきます。また、味は乳牛の健康状態や個体差によっても変わります。乳成分のうち乳脂肪分が高くなると牛乳の味を濃く感じ、低くなるとさらっとした味になるといわれています。

<乳牛の種類と乳脂肪率>

  • ホルスタイン種:乳脂肪率 約3.8%前後
  • ジャージー種:乳脂肪率 約5%
  • ブラウンスイス種:乳脂肪率 約4%

<乳牛のえさと乳脂肪の増減>

 一般的に粗飼料を多く与えると乳脂肪分が増加し、無脂乳固形分と乳量が減る。逆に濃厚飼料が多くなると、乳脂肪分は低下し、無脂乳固形分と乳量が増える。

<気温と乳脂肪の増減>

 乳牛の快適気温は10〜15度とされ、25度を超えると体温が上昇し、それに伴い乳量や乳成分が低下する。

2. 無脂乳固形分の割合

Jミルク:牛乳のおいしさは、乳成分の乳脂肪分と無脂乳固形分が互いに影響し合って決まります。とくに乳脂肪分のコク、なめらかさ、においの影響が強く、無脂乳固形分に含まれる乳タンパク質はコク、乳糖は甘みに関連しているといわれています。

3. 加熱殺菌したときの乳タンパク質と乳糖の反応による「加熱フレーバー」

Jミルク:殺菌方法の違いだけで牛乳の風味に違いが感じられます。加熱殺菌したときに乳タンパク質と乳糖の反応による「加熱フレーバー」が生じ、生乳段階ではなかった匂いが発生し、高温の殺菌ほど加熱フレーバーは強まるといわれています。

こんな牛乳を飲みたいなら……

 以上をまとめると、好みの牛乳を買うためには以下のような基準で選ぶと良いでしょう。

  • 濃厚な牛乳が好みなら……乳脂肪分が多いものを選ぶ。
  • さらっとした牛乳が好みなら……乳脂肪分が少ないものを選ぶ。

乳脂肪分を0.5%以上、1.5%以下にした「低脂肪乳」、もしくは乳脂肪分0.5%未満の「無脂肪乳」

  • 生乳に近いもの、コクや甘みのあるものを飲みたいなら……低温殺菌牛乳もしくは独自製法のものを選ぶ。

メーカーごとの違いをみてみよう

 よくスーパーなどで見かける牛乳のうち、有名メーカーの成分をいくつか見ていきましょう。(※Jミルクが以下の商品を特に推奨しているというわけではありません)

明治乳業:「明治おいしい牛乳」(生乳100%)

  • 無脂乳固形分:8.3%以上
  • 乳脂肪分:3.5%以上
  • 殺菌:130度 2秒間
  • 「ナチュラルテイスト製法」:加熱前に酸素の一部を取り除く工程を加えることで加熱時の酸化を防ぎ、生乳本来の風味が保たれる。
  • 出典:明治おいしい牛乳

雪印メグミルク:「雪印メグミルク牛乳」(生乳100%)

  • 無脂乳固形分:8.3%以上
  • 乳脂肪分:3.5%以上
  • 「おいしさキープ製法」:牛乳自体を低温(10度以下)に保ったまま、何も加えずに、牛乳内の酸素を瞬間的に除去してから加熱殺菌することで、味の変化を抑えている。
  • 出典:雪印メグミルク牛乳

森永乳業:「森永のおいしい牛乳」(生乳100%)

  • 「FTP製法」:生乳を蒸気でやさしく包み、瞬間的に加熱殺菌・冷却。加熱による独特の臭いを抑えている。
  • 出典:森永のおいしい牛乳

 それぞれ、加工については工夫されており、いわゆる「加熱フレーバー」対策がなされています。

 乳成分については、市販の牛乳の場合「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」で乳脂肪分3.0%以上、無脂乳固形分8.0%以上を含んでいることが義務付けられています。

 よって、どのメーカーの牛乳もだいたい同じような数値になっています。また、乳牛の種類も、市販のものはほとんどがホルスタイン種です。さらに濃さやコク、おいしさを求める場合、生乳100%の牛乳だけでなく、加工乳や乳飲料も含めて、乳脂肪分や無脂乳固形分が多いものを選ぶという方法に限られます。例えば以下のような商品です。

明治乳業「明治北海道牛乳」(生乳100%)

  • 無脂乳固形分:8.4%以上
  • 乳脂肪分:3.6%以上

雪印メグミルク「特濃」(生乳50%未満)

  • 無脂乳固形分:8.5%
  • 乳脂肪分:4.3%

小岩井乳業「小岩井 農場3.7牛乳 特選」(生乳100%)

  • 乳脂肪分:3.7%以上

 コンビニやスーパーで牛乳を買う際は、成分表示の中でも特に上記のような項目をチェックすれば、自分好みの味を選ぶことができるでしょう。

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