生き延びた猫ちゃんに涙……! 絶望的な場所に落ちた子猫を9日間かけて助け出した両親の諦めない心に感動の声集まる

排水溝に落ちた1匹の子猫を救出するまでの試行錯誤。

» 2017年09月23日 15時00分 公開
[宮原れいねとらぼ]

 今から4年前の2013年9月、1匹の子猫が道路脇の雨水溝からさらに奥の排水溝にまで落ちてしまう事故が発生しました。そのことに鳴き声で気付いた近くの一家が試行錯誤の末、9日間かけて無事に子猫を助け出した救出の記録がTwitterをきっかけに話題になっています


排水溝 子猫 救出 ペットボトル 無事救出された時の子猫ちゃん

 子猫を救出したのは、ツイートしたりょう吉(@ryokichi77)さんの実家に住むご両親。最初に鳴き声に気付いたのは実家の息子さんで、その翌朝に消防署に助けを求めるも「道路を掘り返す事は出来ません」「猫は地下で住んでるんとちがいますか?」と言われ、撤退されてしまいます。そしてここから自力で助けるための日々が始まるのでした。


排水溝 子猫 救出 ペットボトル すごいところまで落ちてしまった子猫をどうにか救出するまで

絶望しそうになる落ちた子猫の居場所

 まず、インターネットで同じような事例を探して、その中からロープに重しを付けて子猫のいる底まで垂らす方法を試してみることに。箱形の雨水溝の側面にある丸い穴から入れ、固めのホースで水平に押していくと2メートルほどで下に落ちたことから、底に着くまでは1メートル30センチあることが分かりました。

advertisement

 そのことから、道路脇にある雨水溝から向かいの雨水溝まで管が伸びていて、その真ん中辺りで下に落ちて排水溝に続く「T字」型のその一番下に子猫が落ちてしまっていると推測。合計で約3メートル30センチという距離と構造に、そのときは「絶望的」になったといいます。


排水溝 子猫 救出 ペットボトル排水溝 子猫 救出 ペットボトル 雨水溝の穴から進んで下に落ちてしまったようです

排水溝 子猫 救出 ペットボトル お母さんによる図説。オレンジの線が子猫の移動予想

排水溝 子猫 救出 ペットボトル 地下の排水溝まで、なかなかの距離と厳しい構造

 早速、シーツを半分の幅に切って一定間隔で結び目を作り、子猫がそれを頼りに登ってくるのを待つという方法を試すことに。しかし、1日たっても上がってこず、その先端に付けてたソーセージだけが食べられていたそうです。これを目にしたりょう吉さんのお母さんは「少しは生きながらえるかも」といくらかこころもち安心したそうですが、「真っ暗な管の中で流れる雨水にぬれながら生き延びても……」と、子猫の身を案じる思いは膨らんだといいます。

advertisement

 それでもそうしてエサを与えていた2~3日後、疲れて眠っているとき以外は「ニャオニャオー」と鳴き続けていた地下の子猫の声が、ついに聞こえなくなります。


排水溝 子猫 救出 ペットボトル なんとかロープを作ってエサを与えていた

「助けられるかも?」と思い付いた案

 試行錯誤する間に雨も降り、「流れ込んだ水によって弱ってしまったのかも、もしくは死んでしまったのかも……」とりょう吉さんのお母さんは心の中で謝りつつ、天国行きを祈ったといいます。しかし、事故発生から6日目の15時、自転車で出かけようとしていたりょう吉さんのお父さんが、例の子猫の鳴き声を耳にします。

 家の中に飛び込んできたお父さんの「エサをやれ!」の一言で猫缶とソーセージを買いに走り、ロープで固定した2つを排水溝へ。上げたときにはきれいに食べられていたのを見て、お母さんは「生きようとしているんだと胸が熱くなりました」といいます。そして、お腹が空いていれば“何が何でも食べようとする”と知ったお父さんは、ひょっとしたら助けられるかもしれないと思ったそうです。


排水溝 子猫 救出 ペットボトル排水溝 子猫 救出 ペットボトル ロープを通して食べ物を送ると、ちゃんと食べてくれる子猫

 晴れた天気で飲み水がなくなっていることも考えてロープで水を少し入れたりしつつ、考え出したのは「ペットボトルに入ってくれたら、引き上げられるのではないか?」という案でした。

advertisement

 しかし子猫へと続く穴の直径は15.6センチ。進んでいった途中で下に曲がって通過できるか、子猫が入るための穴の位置・どれくらいの大きさがいいのか。そんな分からないことだらけの中、試作しては実際に何回も試してを繰り返していきます。

 それでもペットボトルを改造した2作目の時点で、中のエサを食べるも毎回逃げられてしまい、また改造によってペットボトルが引き上げにくくなってしまうといった問題が発生します。試行錯誤の繰り返しに何度も諦めそうになりながらも、お父さんの「わしが 絶対たすけたる!」の思いは変わらず、ついに子猫が落ちてから9日目を迎えました。


排水溝 子猫 救出 ペットボトル排水溝 子猫 救出 ペットボトル どちらも失敗に終わったペットボトル試作機

試行錯誤の結果は万歳三唱

 前日に何回も試すも最後は警戒してペットボトルの中に入らなくなってしまったため、日を移してから3作目となる試作機で再び挑戦。

 ペットボトルの上部に穴を開け、底には最深部到着後にペットボトルが横になるように重しをセットし、エサは入口・真ん中・奥と3つ付けて、奥には鳴ったら引き上げるようにと鈴も一緒に付けることにしました。また引き上げ時の直角カーブをスムーズにしようと、上部のなだらかな部分を残しています。


排水溝 子猫 救出 ペットボトル いろいろ試した結果生まれた3号機

 雨水溝の穴に投入したら、子猫が中に入る音を確認。二呼吸置いてから引き上げると、「入ってる!!」とお父さん。見事にスッポリと入ったまま地上まで到着した子猫の姿に、うれしくて涙をぐっとこらえたお母さんも「バンザーイ!」と思わず万歳三唱したそうです。本当に良かった……!

 助け出された子猫は「下半身はずぶぬれ」で「長いしっぽもべちゃべちゃ」だったそうですが、「今の季節だから助かったのかも」とお母さん。鳴き声だけで見たこともなかった子猫はまだ元気があり、その後お風呂できれいになって猫缶をあげるとそのままぐっすりと眠ったそうです。暗い中で必死に生き延びた猫ちゃん、諦めずに助け出したご両親にありがとう!


排水溝 子猫 救出 ペットボトル排水溝 子猫 救出 ペットボトル 助け出された瞬間の子猫ちゃん

排水溝 子猫 救出 ペットボトル ホントによくがんばったね……!

 その後は動物病院で検査なども受けた子猫ちゃん。実家ではこれまで猫を飼っていなく、ご両親も飼うつもりはなかったそうで里親募集する予定だったとのことですが、そのまま実家で「ココ」という名前をもらって飼われることになりました。

 ちなみに助けた翌日には、連絡を受けた猫好きのりょう吉さんが実家に行き、いろいろと猫についての知識を教えたとのことです。

 またりょう吉さんのツイートによると、ココちゃんは救出直後から人に慣れていたといいいます。野良猫だったココちゃんは落ちてからその現場に人が近づくと警戒して鳴くのを止めていたそうですが、毎日お父さんの声とともにフードが降ってくることに気付いてからは助けを求めて鳴くようになったそうで、その経験が関係しているのかもとのことでした。


排水溝 子猫 救出 ペットボトル 助け出されてからまだ数日の子猫のココちゃん

排水溝 子猫 救出 ペットボトル お父さんに抱っこされてなでなで

排水溝 子猫 救出 ペットボトル お母さんと一緒に

 この救出までの記録は、お母さんがブログで報告しており、りょう吉さんがそれらをまとめたページを公開しました。そこではその翌年に再びご両親が助けることになった別の子猫「ナナ」の救出も記録されています。




 今回、りょう吉さんがまとめたページをツイートすることで拡散され、「感動しました」「素晴らしい」「ありがとう!」と称賛の声が多く寄せられ、糸井重里さん羽海野チカさんからも「なんだかお礼を言いたくなりました」とコメントが寄せられる反響となっています。

 またこの内容を以前に読んだ人が同じような救出の「お手本にしていた」といった声もあり、実際に記録が役立っていたと伝える声も上がっています。




 なお、大きくなって現在ものんびりと実家で暮らしているココちゃんの姿などは、同じくお母さんのブログや、りょう吉さんのツイートで見ることができます。他にも救出までの細かい状況や、その後行った対策なども書かれているので、気になる方は読んでみるといいでしょう。


排水溝 子猫 救出 ペットボトル 仲良く暮らすかわいいココちゃん


画像提供:@ryokichi77さん

(宮原れい)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/31/news073.jpg 100万円の“錦鯉”を自宅の池に入れたら…… 「おかしいでしょ」3日後、まさかの事態に「鯉は難しい…」「信用が大切ですね」
  2. /nl/articles/2504/02/news088.jpg 「驚異的な価格に驚き」 ワークマンの2900円“雨用パンツ”に感動の声 「恐れ入ります」「買って大正解」
  3. /nl/articles/2503/31/news050.jpg 自宅の犬小屋に住み着いた野良猫、1年後の姿に「泣いた」と大反響 それからどうなった?現在の様子を聞いた
  4. /nl/articles/2504/02/news019.jpg 洗濯機掃除のプロ「まさか洗剤をこうやって入れてませんよね?」 解体してみると……衝撃の比較結果に「目からウロコ」
  5. /nl/articles/2504/02/news026.jpg ずっと母が髪を切っていた青年→入学式前に人生初の美容室 「えええーーー!!」一気の“垢抜け”が130万再生「これは惚れてしまうよ」
  6. /nl/articles/2504/02/news082.jpg 無地Tシャツに透かし模様の生地を縫い付けると…… 春夏にぴったりな“まさかの完成品”が300万再生 「うわあ、素晴らしい」【海外】
  7. /nl/articles/2504/01/news012.jpg 薪ストーブから出た“不要な灰”→隣の夫婦にあげたら…… “まさかの結果”に「こういうのが日本」「まさにわらしべ長者」
  8. /nl/articles/2504/01/news124.jpg 松屋が、松屋を……! エイプリルフールに企業公式の投稿が続々→“楽しいウソ”に「コレは笑える」「素敵なコラボ」【エイプリルフールまとめ】
  9. /nl/articles/2504/02/news179.jpg 「閉園後のディズニーで迷惑行為」 小中学生から人気のYouTuberに批判の声殺到→謝罪「おもしろい動画を撮ろうとしたあまり……」
  10. /nl/articles/2504/01/news070.jpg 生まれたばかりの息子を見つめるパパとママ→15年後…… “まさかの現在”に3200万再生の反響「え!」「二度見した」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 福袋に入ってた“定価3万円”の高級魚を大事に育てたら…… 「やりやがったな」涙する結果に「すごい」「ほんと感動」
  2. 「日本人だけが感じる絶望」 職場に置かれたドーナツ → “抹茶味”かと思いきや…… “まさかの事実”に反響「怖くて泣いちゃった」「笑いました」
  3. 自宅の犬小屋に住み着いた野良猫、1年後の姿に「泣いた」と大反響 それからどうなった?現在の様子を聞いた
  4. 「全てが完璧」 無印良品の“1990円バッグ”に称賛続出 「やっぱりこれ」「文句なし」「使い勝手抜群」
  5. ペットショップで売れ残っていた5万5000円の柴犬→お迎えして半年後…… “一目瞭然の姿”が240万表示「うるってなった」
  6. “有吉弘行も大ファン”の「伝説の女装愛好家」が死去 亡くなる2日前に「志半ばにして逝きますが燃え尽きる思い」とメッセージ
  7. 普通のクリップを2つつなげるだけで…… あると助かる“便利グッズ”に大変身 「マジで!」「素晴らしいアイデア」【海外】
  8. 皇后さま、服から靴まで「ロイヤルブルー」 天皇陛下のネクタイとの“おそろいコーデ”
  9. 「大当たりでした」 ユニクロ新作“9990円アウター”が売り切れラッシュの大反響 「今までと全く違う」「大切に着たい」
  10. 「これはうれしい」 引っ越しのあいさつでもらった手土産、開封したら…… “センス抜群の中身”に「参考にしたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  2. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  3. 「本当に迷惑」 宅急便の「不在連絡票」と酷似のチラシが物議…… ヤマト運輸「配布中止申し入れ」
  4. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  5. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  6. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  7. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  8. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  9. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  10. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】