プリキュア恒例の入れ替わり回は「自分らしく生きる」ことの意味を問う:サラリーマン、プリキュアを語る(1/3 ページ)
猫になっても全く動じないゆかりさん、さすがです。
2017年10月1日時点で「キラキラ☆プリキュアアラモード」は第34話。1年でみると約5分の3を終えたところです。
6人目の仲間「キュアパルフェ」も仲間になり、最終アイテム「キラキラル・クリーマー」も入手しました。今後の最終決戦に向け、6人のプリキュアの日常を描きながら、お互いの関係を深く掘り下げているところです。
途中から見はじめた人にもわかるように、1年の中でプリキュアが「今どれくらい進んでいるのか」を表にしておきます。
第34話「小さな大決闘!ねこゆかりVS妖精キラリン!」
かんたんなあらすじ
- 猫のクリスタルアニマルと頭ごっつんこで体が入れ替わり、猫になってしまった琴爪ゆかりが猫界のボスになる
- 妖精と猫がケンカしていることを知り、猫側のボスとして妖精に戦いを挑む
- キラリンとの決闘に勝利した猫ゆかり、自ら悪役となり場を収めようとする
- 「後はあなたが丸く収めるだけ」とキラリンに耳打ちし、猫ゆかりは崖にダイブするもキラリンも一緒に落ちる
- 猫と妖精が力を合わせて2人を助け「姿が違っても命はみんな1つ」と争いを反省する
- キュアパルフェ(キラリン)ようやく、猫ゆかりがゆかりであることに気付く
- もとに戻ったキュアマカロン。プリキュア6人でディアブルの影を撃破
- 妖精も猫も仲直りして、みんなでスイーツをたべました
プリキュアというアニメーションの歴史において、「シリアスな回」の後に「ちょっと面白い回」が来ることがあります。
「スマイルプリキュア!」(2012年)では、中盤第23話で「なぜ私たちは戦うのか」「プリキュアの意味とは?」を突き付けるシリアスな回の翌週第24話で「プリキュア5人が妖精になって大暴れする」という、プリキュア史に残るであろうシュールな回が放送されました。
「ハピネスチャージプリキュア!」(2014年)でも、第13話でプリキュアハンターという強大な敵が出てきたシリアスな回の後、翌週は「強い敵が出てきたので、気分転換のため潮干狩りに行く回」だったりしました。
今作「キラキラ☆プリキュアアラモード」でも、前回第33話が「スイーツを作る意味とは?」「何のために戦うのか?」をプリキュアに突き付けるシリアスなお話でした。
今回はそのバランスを取るため、見た目にも面白い、シュールなお話が展開されました。
「琴爪ゆかり」と「猫のクリスタルアニマル」が入れ替わるというストーリーで、各所に面白い表現がちりばめられ、絵的にも楽しく、小さな子どもたちはきっとテレビの前で大喜びだったと思います。
「わたしは、わたし」という生き方
第34話で琴爪ゆかりは「わたしは、わたし」という言葉を2回使います。
1回目は猫になって、町の猫に「お前は誰ニャ?」と問われたとき。
2回目は猫の姿からキュアマカロンに戻ったとき。
2回とも「わたしは、わたし」という言い方をしています。
姿が猫だろうと、人間だろうと、プリキュアだろうと、どんな姿であれ「自分は自分である」というスタンスを貫くのが「琴爪ゆかり」というキャラクターなのです。
そして、それと対比させたのが今回のもう一人の主役「妖精キラリン」です。
妖精キラリンと琴爪ゆかりとの関係性
今回のお話は、琴爪ゆかり(キュアマカロン)とキラリン(キュアパルフェ)との関係性を描くことにあったと思います。
猫であろうが、人間であろうが、プリキュアであろうが「わたしはわたし」であろうとする琴爪ゆかり。
それに対し、キラリンという妖精は、妖精体(キラリン)と、人間体(キラ星シエル)と、プリキュア(キュアパルフェ)と3つの役割を持つキャラクターです。
「自分の考えが唯一、この場を収める方法である」と崖から飛び降りる琴爪ゆかりと、「全員で幸せになりたい」と感情に訴えるキラリンのキャラクターの対比が良くできていたと思います。
そして最終的に自己犠牲は否定され、「一人を悪者にするのでは無く、みんなで幸せになる方が良いに決まっている」というプリキュアっぽい選択が示されたのも個人的には良かったと思います。
「みんなで幸せになりたい」
「姿がちがっても、命はみんな1つ」
プリキュアらしいですよね。
僕は、プリキュアのこういう「キレイ事」が大好きなのです。
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