「ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~」を観ましょう ごちうさ感想インターネットを守る翼竜

いまから楽しい楽しいコトばかり。

» 2017年11月19日 12時00分 公開
[にゃるらねとらぼ]

 11月11日より、「ご注文はうさぎですか??~Dear My Sister~」の上映がスタートしました。映画ランキングでも全国40スクリーンにもかかわらず4位と好調(※)。当然、自分も初日に観に行きました。

※11月11日~12日の国内映画ランキング。興行通信社調べ

 60分作品としてごちうさ世界のスケールを今まで以上に広げた内容は掛け値無しに100点ですが、個人的には11月11日をぴょんぴょんと呼ぶ力強さからまず評価していきたいです。

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~

 ちなみに色紙はココアさんでした。劇場で渡された瞬間、Koi先生の描き下ろしイラストがあまりに美しすぎて「なぜ国宝をタダで配っているんだ? 幽遊白書の魔界編か?」と動揺しましたが来場特典です。なお、2週目からはチマメ隊+お姉ちゃん。


セカイがカフェになっちゃった!

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~ Amazonより)

 今回はスペシャルエピソードの素晴らしさと感想を語っていこうという記事なわけですが、最初に主題歌である「セカイがカフェになっちゃった!」の話から始めていきます。

 テレビアニメでは、「Daydream cafe」でラビットハウスの日常と心情を、「ノーポイッ!」で何気ない日々と友達の大切さを歌にしてきましたが、今回はタイトル時点で世界がカフェになっているというワールド規模な前提から始まります。大きくでてきましたね。

 ココアさんたちがカフェにしたわけではなく。あくまでごちうさ側に感銘を受けた世界側が勝手にカフェになったのですからね。劇場公開に加えて原作6巻とアンソロ発売で、僕もうすうすそろそろ世界はカフェになるんじゃないかな~とぼんやり考えていましたが、やはり既にカフェになっていたようです。

 「セカイがカフェになっちゃった!」の歌詞は出だしのインパクトがすごく「いまから楽しい楽しいコトばかり」で始まるのですが、この一文が本作の本質です。

 「~Dear My Sister~」では、物語上に起伏を作るための沈みの部分はありますが、始まってから1秒足りとも不安な気持ちになりません。歌詞で語られている通り「楽しい楽しいコトばかり」の連続。

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~ (今回の記事のために2分くらいで作った図です。こんな画像必要あるか?)

 『荒木飛呂彦の漫画術』で、物語の幸福度が開始時点から上昇していく構成の基本をグラフで表していましたが、それを基に本作の構成をグラフ化すると、「 ~Dear My Sister~」は常に45度の角度で直進し続けているでしょう。

 同じくきらら作品での劇場公開作品「きんいろモザイク Pretty Days」では、いつものテイストと違った登場人物たちの過去編という、本編とのギャップで魅せ多くのファンの涙を誘いましたが、本作はとにかく明るい方向で本編の雰囲気を拡大していきました。さらに畳み掛けるように流れる主題歌のおかげで、上映後の余韻がとても心地よく残ります。最高。

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~ Amazonより) ご注文はうさぎですか??~Dear My Sister~」キャラクターソング1

 主題歌だけでなくチマメ隊キャラソンジャケットの「テンション高いOBがきてノリの違いに戸惑うチノちゃん」のようなイラストも良いですね。


ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~

予告

あらすじ

 木組みの街で過ごす二度目の夏、ココアは今年もみんなとたくさん思い出を作りたいのですが、駅のホームで一人たたずんでいます。いったいどこへ……? ラビットハウスではいつもの楽しい時間が流れますが、そんな中、チノは少しだけ勇気を出して、みんなを花火大会に誘ってみることにしたのでした。

 全てをネタバレするのもあれなので、個人的に良かった点を掻いつまんで。今回の内容は、予告編でわかる通り原作5巻でのココアさん帰省回と花火大会回をミックスした構成。この2つのエピソードを違和感なく同時進行させていく時点で満点ですが、アニメスタッフは最強天才集団なのでオリジナル要素やキャラの掛け合い、予想外のサプライズなどをがんがん詰め込み、原作既読のファンも大喜びな仕上がりに。

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~ (YouTube予告編より)

 話はココアさんが帰省してしまうところから始まります。泣かないと覚悟していたはずの人間の涙が美しいのは『喧嘩商売』読者ならご存じだとは思いますが、やっぱりこのシーンは良いですね。

 帰省して久々に家族と過ごすココアさんパートと、初めてココアさん抜きの日々を体験するチノちゃんの葛藤が交差していきます。ここでのポイントは何と言っても感情のデカい千夜ちゃん。

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~ (YouTube予告編より)テレビCM版の尺ではシャロちゃんが一切顔を向けないせいで、ココアシックに陥った千夜ちゃんが作り出したイマジナリー・シャロに話しかけているように見えます

 ラビットハウス+チマメ隊がメインのため出番は控えめな2人ですが、その分一緒に映っているオリジナルシーンが度々挿入されます。個人的にはカフェイン酔いしたシャロちゃんを慣れた口調でなだめる会話が幼馴染らしくてお気に入り。酔ったシャロちゃんの行動に物語上の大きな意味を持たせたアニメスタッフはやはり天才。

 もちろん、ココアさんの実家パートも原作4コマ形式での間を補完しつつ美麗な背景カットをふんだんに使った楽しい作りに。普段の木組みの家と石畳の街とは違う世界観が映されスペシャル感も満載。

 何と言ってもココアさんのお母さんに皆口裕子さんを使ったキャスティングが素晴らしく、モカさんと合わせ保登家3人のやりとりは眺めているだけで幸せに。

ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~ (YouTube予告編より)

 そしてテーマの1つである、ココアさん不在の中、率先してみんなを花火大会へ誘うというチノちゃんの成長。本作ではまだ喫茶店の空気に慣れない頃の過去編も挿入されるため、多くの人と出会って変わっていくチノちゃんの過程が丁寧に描かれます。

 ……と、本作の好きな点を抜き出すとキリがないのですが、簡潔に言うと主題歌通り楽しい楽しいコトばかりが詰まった最高の一作。元気と幸せがもらえる日常系作品の劇場化として輝かしい出来に。

 チノちゃんたちの普段と違った特別な夏の数日間を、是非その目でご覧に入れてください。観終わった後には、上映前と打って変わった幸福な景色が待っているはずです。なぜならセカイはもうカフェになっちゃったのですから。




にゃるら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2502/17/news061.jpg ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  2. /nl/articles/2502/18/news140.jpg 職場で21歳上の女性上司に“一目ぼれ”→猛アタックして交際&年齢差を乗り越え結婚 夫妻が波乱語る
  3. /nl/articles/2502/18/news090.jpg 伊勢丹で販売の高級バレンタインチョコに「カビによる汚染」発覚…… 回収・返金へ
  4. /nl/articles/2502/18/news092.jpg 「悲しみに暮れてる」 サイゼリヤがメニュー改定→“定番商品”消滅にショック広がる 「大好きだったのに」
  5. /nl/articles/2502/18/news011.jpg そうはならんやろ! あどけない女の子が約45年後には…… “とんでもないギャップ”に爆笑 「立派に育ってw」
  6. /nl/articles/2502/11/news012.jpg 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  7. /nl/articles/2502/18/news005.jpg 咳き込んでいたら、愛犬が寄ってきて…… ぽとりと置いたぬいぐるみに「なんて優しい子」と大反響 1年後の現在、飼い主に話を聞いた
  8. /nl/articles/2502/18/news151.jpg 父は時任三郎、母は元モデルの“33歳俳優”が「ダンディー」と話題 海外生まれで大卒後に俳優として活躍中
  9. /nl/articles/2502/18/news014.jpg 不要になったペットボトルに種をまき、3カ月育てたら…… 驚きの成果に「すごっ!」「素晴らしいアイディア」
  10. /nl/articles/2502/18/news047.jpg 母が7歳娘のために“ほぼ100均コーデ”を手作りしたら…… 信じられないクオリティーに驚き「マジすごい」「おしゃれすぎ」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  4. 雑草ボーボーの荒れ地に“牛3頭”を放牧→2週間後…… まさかの光景に「感動しました」「いい仕事してますねぇ~!!」
  5. “この子はきっと中型犬サイズ”と思っていたら……たった半年後とんでもない姿に 「笑わせてもらいました」
  6. 年の差21歳で「夫は娘の同級生」 “両親大激怒”で結婚は猛反発されるも……“まさかの行動”で説得
  7. 163センチ、63キロの女性が「武器はメイクしかない」と本気でメイクしたら…… 驚きの仕上がりに「やっば、、」「綺麗って声でた」
  8. サイゼリヤ、メニュー改定で“大人気商品”消える 「ショック」悲しみの声……“代わりの商品”は評価割れる
  9. ママが反抗期の娘に作った“おふざけ弁当”がギミックてんこ盛りの怪作で爆笑 娘「教室全員が見に来た」
  10. 「さすがに無神経な内容」 “暴言受けた”伊藤友里が降板発表→岡田紗佳の直後の投稿に批判の声 Mリーガーも反応
先月の総合アクセスTOP10
  1. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  2. 「配慮が足りない」 映画の入場特典で「おみくじ」配布→“大凶”も…… 指摘受け配給元謝罪「深くお詫び」
  3. 母「昔は何十人もの男性の誘いを断った」→娘は疑っていたが…… 当時の“モテ必至の姿”が1170万再生「なんてこった!」【海外】
  4. 風呂に入ろうとしたら…… 子どもから“超高難易度ミッション”が課されていた父に笑いと同情 「父さんはどのようにしてこのお風呂に入るのか」
  5. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  6. 市役所で手続き中、急に笑い出した職員→何かと思って横を見たら…… 衝撃の光景が340万表示 飼い主にその後を聞いた
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. DIYで室温が約10℃変わった「トイレの寒さ対策」が310万再生 コスパ最強のアイデアへ「天才!」「これすごくいい」
  9. 「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
  10. 岡田紗佳、生配信での発言を謝罪 「とても不快」「暴言だと思う」「残念すぎ」と物議