うっかり飛ばしちゃった風船、宇宙まで行けるのか?
ちょっとしたロマン。
子どものころ、街角で配っているのを喜んで受け取った風船。ひとりでに宙に浮き、手を放すとどんどん飛んでいってしまう。
せっかくもらった風船が木に引っかかって泣く子ども、それを見かけた優しい人が頑張って取ろうとする……ドラマなどでよく見る定番のシーンだ。さて、ここで湧く1つの疑問。
手放した風船が木に引っかからなかったとしたら風船はどこまで行くのか?
ひとりでに飛んでいく風船のことだから、空高く、果ては宇宙にまで行ってしまうのかもしれない。何でもない風船が未知の宇宙まで旅立っているのだとしたら、それは夢のある話だ。
果たして、子どもの手を離れた風船の末路はいかに?
風船が浮く理由
まず、風船がなぜ浮き上がるのか考えてみる。
風船には空気よりも軽い気体(普通はヘリウム)が入っており、上向きに浮力がはたらく。
浮力は風船が大きく膨らめば膨らむほど大きくなる(押しのける周りの流体の質量だけ浮力がはたらくため)。ではまず、“風船が膨らむ”とはどういうことなのかを考えてみよう。
風船の膨らみには、(1)風船内の気体による圧力、(2)風船のゴムの反発力、(3)外の大気からの圧力、という3つの力が作用している。最初の「気体の圧力」は風船を膨らませる力であり、後の2つは反対に風船をしぼませる力だ。
これを表したのが下図。図では矢印が1カ所のみに書かれているが、気体による圧力は面全体にはたらく(風船の至るところに図のような力がかかっている)。
ゴムは伸びれば伸びるほど反発力が大きくなる。つまり、風船に多くの空気を入れると内側からの圧力が大きくなるから、風船はより膨らんで空気を押さえ込もうとする。空気を入れれば入れるほど風船が膨らむのはこのため。
また、外側の大気圧が低いと相対的に内圧が強まり、同様に風船が膨らむ。
上空で起こること
これを踏まえて、風船が高く飛んだときに何が起きるのか考える。
高度が上がると大気圧が下がり、その分風船が膨らむ。仮に風船が割れないとすれば、風船が上昇するに従い風船は膨らむが、大気が薄くなって押しのける空気の比重も小さくなるから、全体として浮力は小さくなるはず。最終的に浮力と風船の重さが釣り合って上昇が止まると考えられる。
しかし、膨らみすぎた風船はもちろん割れるので、実際はもっと手前で旅は終わる。
厄介なのは気温で、上空にいけばいくほど低温になり、ゴムが劣化してしまうのだ。ゴム風船によく使われる天然ゴムは-30℃〜-50℃で弾性を失うそうだから、ふつうの風船は対流圏(地表から0〜11km)を脱出する前に割れてしまう(上空8kmの気温が約-30℃、11kmの気温が約-50℃)。
宇宙と大気圏の境界であるカーマン・ラインは高度100km。宇宙は遠い……。
宇宙の手前までは行ける?
子どもに配られるような普通の風船では宇宙まで飛べないが、いろいろな工夫によってより高く飛ばせる風船が、気象観測や映像撮影に用いられている。
調べると、灯油に浸すなどして強度を増した専用の風船を用いると高度20〜30kmまで飛ばせるようだ。完全な宇宙までとはいかないが、ロケットなどを用いなくてもこのくらいまでは行けるのである。
このような取り組みは「スペースバルーン」などと呼ばれ、中には個人で挑戦する人もいる。
航空法を順守し、安全を確保して取り組む必要があるが、自らの手で宇宙を感じられるというのはすごいロマンだ。
ちなみに、高度30kmというのは材質的な限界らしい。もし割れなければさらに高みを目指せるということ。
低温に耐え、より大きく膨らむ新素材が見つかれば、あるいは本当に地球から抜け出す風船が作れるかもしれない。抜け出したらもう回収できないけど……。
関連記事
- 「16×4は?」「68−4だから64」 小学1年生の掛け算の計算方法が斬新だと話題に
発想が見事。 - 「カニミソ」はカニの何なのか?
カニミソって何だ? 脳ミソか? 僕は何を食べようとしているのだ? - 漢字の「一」「二」「三」の次がいきなり「四」になるのはなぜなのか?
なんで横棒4本じゃないの? - 【マンガ】リュックについている「ブタの鼻」の正体は?
「ブタ鼻」でいいよ、もう。 - 1ヶ月の「ヶ」は小さな「ケ」ではなかった?
まぎらわしい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
-
「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
-
もう別人じゃん! miwa、大胆イメチェンで面影ゼロに「まさかのこんな色になってるとは」「だれー!?」
-
「ぶち抜きたいです」 辻希美、懇願拒否された13歳長男が“荒くれ反抗”……息子の室内破壊に嫌悪あらわ「言葉が出ない」
-
異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
-
「キュウリが冷凍できるとは76年も生きて来て知らんかったなあ」 野菜ソムリエプロが教える冷凍&活用アイデアが328万再生
-
「虎に翼」、壮絶過去演じた16歳俳優に注目の声「違国日記の子か!」 「ブラッシュアップライフ」にも出演
-
築36年物件の暗くてボロいトイレをリメイク→ぐーんと垢抜け! 驚きのビフォアフに「すごいですね!」「天才」の声
-
【今日の計算】「13+8×2−11」を計算せよ
-
辻希美&杉浦太陽、15歳迎えた長女のレアな“顔出しショット”でお祝い 最近は「恋バナ」で盛り上がることも
- 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
- 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
- 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
- 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
- “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
- 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
- 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
- お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
- 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
- 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」