「ガイアの夜明け」砲で明らかとなった“外国人実習生のブラック労務問題”、ジャパンイマジネーションが「大いに反省すべき点であると認識」とコメント

多額の賃金未払いなど衝撃的な問題が明らかに。

» 2017年12月16日 12時15分 公開
[Kikkaねとらぼ]

 「日経スペシャル ガイアの夜明け」(テレビ東京系)で放送された外国人技能実習生のブラック労務問題について、アパレルブランド「CECIL McBEE(セシルマクビー)」「BE RADIANCE(ビーラディエンス)」などを展開するジャパンイマジネーションが「一部TV番組放送内容に関して」との声明を発表。「お客様をはじめ、各方面の皆様に大変ご心配をおかけ致しましたこと、心よりお詫び申し上げます」と謝罪しています。


ガイアの夜明け ジャパンイマジネーション 炎上 セシルマクビー CECIL McBEE BE RADIANCE ビーラディエンス ジャパンイマジネーションによる「一部TV番組放送内容に関して」の声明(ジャパンイマジネーション公式サイトより)

 きっかけとなったのは12月12日放送の「“絶望職場”を今こそ変える!」で、中国人実習生の女性たちが約2年半にわたり、岐阜県の縫製工場で1日平均15時間、土日の休みもなく働き続けてきたものの、およそ620万円にものぼる賃金が支払われていないというものでした。これについて縫製工場側は「破産に向けた手続きをしているため、未払い賃金を支払う金がない」と説明するなど衝撃的な放送内容がネット上でも話題となりました。


ガイアの夜明け ジャパンイマジネーション 炎上 セシルマクビー CECIL McBEE BE RADIANCE ビーラディエンス 日経スペシャル ガイアの夜明け「“絶望職場”を今こそ変える!」(番組公式サイトより)

 なかでも注目を集めたのが、中国人実習生の女性たちが作っていた洋服のブランド。女性たちはあるブランドの服を作るために孫請け会社に勤務しており、時給400円で1時間に1枚の洋服を作っていたと証言しますが、この服は店頭で1万3000円(税別)で販売されているとのこと。女性たちはブランドを展開するアパレル会社の本社に赴き、「どうかお願いします。私たちのような実習生をこれ以上出さないと約束してください」と書かれた要請文を手渡しますが、アパレル会社は孫請け会社と直接的な取引がないため法的な責任がなく、対応した社員らは「(要請文を受け取り)これでよろしいですか」「(ガイアの夜明けスタッフからの質問に対し)もう結構です」と機械的な対応に終始しました。

 またガイアの夜明け側が改めて取材要請をしたところ、アパレル会社は「法的義務のないことについて、取材には応じられません」と弁護士を通じて回答。さらに、「関係者が見れば回答人の商品と分かるような映像は一切使うことのないよう要求します。もし、そのような映像が放送で使われた場合は、放送倫理・番組向上機構(BPO)に苦情を申し立てをすると共に、回答人の名誉や信用を棄損(きそん)するような場合には然るべき法的措置を取りますので、ご承知おきください」「このことは、テレビ東京本社にも通知いたします」とも書き添えていました。

 これには放送を見たネットユーザーらが「脅し」だと猛反発。一部のユーザーらによって中国人実習生が縫製していたのはジャパンイマジネーションが展開する人気ブランド「BE RADIANCE」のものと特定されると、「中国人研修生を奴隷のようにこき使って作られたワンピース」「絶対買わない」「BE RADIANCE買ってたのでショックでした。これからは買わないことにします」「大手としていかがなものなのか」と大炎上となりました。


ガイアの夜明け ジャパンイマジネーション 炎上 セシルマクビー CECIL McBEE BE RADIANCE ビーラディエンス ジャパンイマジネーションが展開するブランド。「CECIL McBEE BE」などで人気(ジャパンイマジネーション公式サイトより)

 こうした問題を受け、ジャパンイマジネーションは12月15日にコメントを発表し、経緯を説明しました。

 ジャパンイマジネーションによると、2017年7月に岐阜一般労働組合とガイアの夜明けの番組制作会社から連絡を受け、外国人技能実習生の労務問題を初めて認識したとのこと。その後確認した結果、番組で放送された洋服の発注が問題の孫請け工場にされていることや労務問題が存在するという事実が判明したため、2017年9月をもって同工場での製造は終了したとしています。

 一連の騒動については「弊社の商品が取引メーカー様の先の縫製工場において、不適切な人権労働環境のもと製造されていたとすれば、誠に遺憾であると考えており、またその実情を知り得なかったことについては、大いに反省すべき点であると認識しております」としたほか、「今後は取引メーカー様と共に、製造現場について更なる関心を払い、幣社の商品がそのような環境下で製造されることがないように努力をして参る所存です」とコメントしています。

(Kikka)

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