ストーマ(人工の肛門・膀胱)って知ってますか? 実情と理解を広めるため使用者自ら描いた漫画が話題に

排泄にまつわる話しにくいことを、かわいらしい絵柄で分かりやすく解説。

» 2017年12月26日 08時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 病気やケガで膀胱や腸を失い、本来のように便を排出できなくなった人は、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)を身体に造設する必要があります。この処置を受けた人を「オストメイト」といい、その実情を分かりやすく描いた漫画がTwitterで注目を集めています。


 投稿主はイラストレーターのぐぅぐぅ(@ponpokonyanko)さん。自身も難病の潰瘍性大腸炎がもとで大腸を全摘出し、ストーマを造設したオストメイトです。


 ストーマは尿管や腸の一部を腹部から出して排出する人工の器官で、位置やサイズは処置を受ける人によってさまざま。便を止める力はなく、そのままでは自然ともれてしまいます。そこでオストメイトは「ストーマパウチ」と呼ばれる、便を溜めるための袋を着用します。


1P

 これはストーマと接続する穴と、便の排出口が付いた袋。尿路系・小腸系・大腸系などさまざまな種類があり、穴のまわりにある粘着部分をストーマに貼り付けて使用します。便が出たら、その都度排出口から出してトイレへ。ゆえに毎回貼り替えはしませんが、ぐぅぐぅさんの場合は3〜5日おきに交換しているそうです。


2P 着用には空気を抜くように押し当てたり、ストーマのサイズに合わせて穴を切るなどのコツが必要で、うまく貼れないと排泄に痛みが伴うといった苦労があるとのことです

 ストーマは腹部にあるので、通常のトイレでは便を処理する際に中腰になる必要があって大変なのですが、最近は公共トイレにオストメイト用の便器が増えているとのこと。立ったままの姿勢で処理できるため、楽で助かるのだそうです。


3P あのマークにはオストメイト用の意味が

 使用中ににおいはしないのか、よく聞かれるとぐぅぐぅさん。しかしパウチの破損等でもれない限りはほぼにおわないそうです。このように、オストメイトが生活するうえで大切なストーマですが、パウチは1袋300〜1000円、ほかにも剥離剤やケアパウダーなどが必要で、少なくない費用がかかります。衣服もパウチが目立たず、干渉しないものを選ぶなど、さまざまな苦労があるようです。


4P 身体障害者手帳を取得していれば自治体から補助金は出ますが、それでも金銭的負担は大きいようです

 ツイートには「初めて知った」「分かりやすい」とのリプライが多数。「身内や知人にオストメイトがいながら理解できていなかった」といった声も寄せられています。排泄にまつわるゆえ本人が説明しにくい事柄が、広く伝わる有意義な漫画といえるでしょう。


(沓澤真二)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」