「もうやめにしよう」 過熱する恵方巻き廃棄問題に兵庫のスーパーが一石投じるチラシ 「かっこいい」と大反響呼ぶ
きれいごとだけでは語れない食品廃棄のお話。
大量廃棄が問題視される恵方巻き問題に、兵庫県内のスーパーが「もうやめにしよう」と一石を投じ、反響を呼んでいます。前年の売上個数よりも多くの数を用意するのが当たり前のスーパー業界で、あえて余剰分を作らない施策を取った「ヤマダストアー」にお話を聞きました。
兵庫県内で8店舗を運営するヤマダストアーが掲示したのは、「もうやめよう」と大きく書かれたチラシ。「昨年あちこちで大量に廃棄された恵方巻きがSNSで話題になりましたが、そりゃそうです。のばせのばせ、ふやせふやせの店舗数と恵方巻きの大量生産で数は膨れ上がり続けています」と恵方巻きに関する状況が切々とつづられています。
こうした状況についてヤマダストアーは「食材の原価だけで考えてるからそんなことになるんやと思う」「ヤマダの鮮魚従業員も『海産資源は絶対減ってる』って言ってます。だから大事にしたいんです」と自社の見解を明かした上で、「今年は全店、昨年実績で作ります」と宣言。売れ行きに応じて数を増やすことはしない、という異例の方針を打ち立てました。
この広告にSNSでは「こんな取り組みをするスーパーマーケットもあるんだなと感心した」「こういうスーパーかっこいい」「すばらしい!」など称賛の声があがっている他、「こういう店が当たり前になって欲しいですな」といった声もあがっています。
売上よりも資源の確保? きれいごとだけではない食品廃棄問題
ねとらぼ編集部ではヤマダストアーの店舗運営部を取材。なぜ異例ともいえる広告や方針を打ち出したのかについてお話を聞きました。
――「もうやめにしよう」の広告がSNSでかなり話題になっています。
担当者:ありがとうございます。こんなにたくさんの反響をいただけるとはと驚いている部分もあるのですが、プラスに取ってくださっているお声が多く、各店の店長も大変喜んでいます。潜在的にそういう声があったのだなと痛感しています。
――そもそもなぜあのような広告が生まれたのでしょうか。
担当者:一番の理由は昨年SNSを中心に恵方巻きの廃棄が問題視されたことです。恵方巻きの文化はもともと関西圏で根付いたものですが、ここ10年ほどでかなり市場規模が大きくなり、売上自体も年々増加していっています。しかし、天候や曜日などの兼ね合いに左右されやすい商品ということもあり、今年は売上を大きく伸ばすというよりも、食品ロスを少しでも減らすことができればと考えました。
――どうして市場規模が拡大しているのに、廃棄商品が出てしまうのでしょうか。
担当者:スーパー業界では前年の売上個数よりも少し多めに商品を作るというのが常識なんです。うちではやっていませんが、クリスマスのケーキなんかも同じです。ただ人口は年々減少していますし、必ずどこかで無理が生じるだろうと感じていました。
――売上よりも資源確保を優先するという方針にはかなり勇気が必要だったのではないでしょうか。
担当者:売上を後回しにすると言うと、きれいごとの様に聞こえてしまうと思うのですが、実は資源を確保することが巡り巡って売上につながるという考えを持っているんです。例えば兵庫県でよく食べられる「いかなごのくぎ煮」についても、鮮魚の担当から「いかなごの入荷の量が減っていて相場が上がっている」という話が出たため、あえて2017年は販売を取りやめました。いかなごは売上としては大きな商品ですが、弊社の「環境に良くないことはやめよう」という方針もあり、決断しました。
――2018年の節分を終えた今、今回の施策についてどう感じられましたか。
担当者:おかげさまで、8店舗中5店舗で全恵方巻きを完売したほか、割引を実施して完売となった店舗もあります。ただ、網干店と北野店では若干数とはいえ廃棄が出てしまったので、これは来年の課題として参考にしていきたいと思います。
恵方巻き市場が拡大する中、食べられるはずのものが次々と廃棄されるのはやはり心が痛むもの。一方小売店にとっては節分が大きなビジネスチャンスのひとつであることも事実です。食品ロスを減らすためには何ができるのか、販売者だけではなく、消費者の私たちもいま一度考えてみることが大切なのかもしれません。
画像提供:ヤマダストアー
(Kikka)
関連記事
- 「義理チョコをやめよう」バレンタインに向けたゴディバの広告が話題 ゴディバジャパン社長が広告に込めた思いは
社長「私も全然もらえません(笑)!」 - 「彼女の生理で困った」動画広告が炎上→削除 「タンポンは彼氏を困らせないためにあるの?」と批判次々
「やたらとトイレに行くから待ってる間が寂しい!(Tさん・24歳)」などのアンケート結果を紹介していました。 - 「高く買わないでください」 人気酒「獺祭」の広告に驚きと称賛の声 社長「本当は広告出したくない」
読売新聞に掲載された、「獺祭」の高額購入に注意を呼び掛ける広告が話題に。旭酒造の桜井一宏社長に経緯を取材した。 - 「お酒飲みながらしゃぶるのがうみゃあで」 サントリー「コックゥ〜ん!」CMに「下品」「下ネタ」と批判相次ぎ公開中止へ
「女性をバカにしすぎ」という意見も。 - 広島県が「がん検診啓発キャンペーン」にデーモン閣下を起用しているのはなぜ? 悪魔が健康を気遣う奇策の理由を聞いてみた
悪魔が健康に気をつかう時代。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
-
「ほ、本人……?」 日本に“寒い国”から飛行機到着→降りてきた“超人気者”に「そんなことあるw?」「衝撃の移動手段」の声
-
「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
-
才賀紀左衛門、娘とのディズニーシー訪問に“見知らぬ女性の影” 同伴シーンに「家族を大切にしてくれない人とは仲良くできない」
-
【今日の難読漢字】「誰何」←何と読む?
-
「今やらないと春に大後悔します」 凶悪な雑草“チガヤ”の大繁殖を阻止する、知らないと困る対策法に注目が集まる
-
武豊騎手が2024年に「武豊駅に来た」→実は35年前「歴史に残る」“意外な繋がり”が…… 街を訪問し懐古
-
大谷翔平、“有名日本人シェフ”とのショット 上目遣いの愛犬デコピンも…… 「びっくりした!!」「嬉しすぎる」
-
ハローマックのガチャに挑戦! →“とんでもない偏り”に同情の声 「かわいそう」「人の心とかないんか」
-
古着屋で“インパクト大”なブランケットをリメイクすると…… 劇的な仕上がりに386万再生「これはいいね、欲しい!」【海外】
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
- 「中学生で妊娠」した“14歳の母”、「相手は逃げ腰」妊娠発覚からの経緯を赤裸々告白 母親の“意外な反応”も明かす
- 勇者一行が壊滅、1人残った僧侶の選択は……? 「ドラクエでのピンチ」描くイラストに共感「生還できると脳汁」
- 「笑い止まらん」 海外産アプリで表示された“まさかの日本語”に不意打ち受ける人続出 「何があったんだw」
- パパが好きすぎる元保護子猫、畑仕事中もくっついて離れない姿が「可愛すぎる」と反響 2年以上がたった現在は……飼い主に話を聞いた
- アグネス・チャン、米国の自宅が“度を超えた面積”すぎた……ゴルフ場内に立地&門から徒歩5分の豪邸にスタッフ困惑「入っていいのかな」
- 「理解できない」 大谷翔平と真美子さんの“スキンシップ”に海外驚き 「文化は100%違う」「伝説だわ」
- 「車が憎い」 “科捜研”出演俳優、交通事故で死去 兄が悲痛のコメント「忘れないでください」
- PCで「Windowsキー+左右矢印キー」を押すと? アッと驚く隠れた便利機能に「スゲー便利」「知らなかった」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」