卒業制作のテーマは“BL×顔出しパネル”! 好きなものを堂々と発表したい――に挑んだ武蔵野美大生を取材(1/2 ページ)

きっかけは教授からの「評価とか気にしないであなたの好きなことやらなきゃ!」という一言。

» 2018年02月17日 19時00分 公開
[戌田港ねとらぼ]

 さまざまなボーイズラブ(通称:BL)のシチュエーションに遭遇した女子になりきれる、「BL顏出しパネル」が武蔵野美術大学の卒業制作展で展示され話題になっています。独特の世界観で「異空間て感じでめっちゃ楽しかった」「ロックな方面でインスタ映えできる」などの意見を集めた制作者を取材しました。


BL顔出しパネル 武蔵野美術大学の卒業制作展で展示され話題になった“BL顔出しパネル”

 「1/18-1/21武蔵野美大卒制展でボーイズラブの顏出しパネル展示してます」「これで卒業できるのか激しく不安ですが、作るの楽しかったので写真とか撮りに来てください 」とTwitterに投稿したのは、作者のバウハウジャーブルー(@snow_w_m)さん。

 教室でキスをする制服カップル、ベットでイチャコラするカップル、結婚式の主役カップル、卒業証書を片手に木の下で小指を結ぶカップルなどさまざまなシチュエーションのBL展開を大きなパネルで表現しました。ポイントはそんなカップルを見守っていたり、片方の男子に思いを伝えようとしてラブレターを持っていたりする女子の存在。顔の部分がくり抜かれているので、来場者自身が女子の気持ちになって“顔出し”することができます。これがモブ女というやつか……。


BL顔出しパネル パネルから顔を出せばモブ女子体験が可能

BL顔出しパネルはなぜ生まれた? 作者に聞いた制作秘話

 普段からBLものの二次創作をしているというバウハウジャーブルーさん。しかし、趣味でBL方面の活動をすることと、卒業制作という学生の集大成の作品でBLを扱うことではハードルが全く違ったはずです。ではこの顔出しパネルはどういういきさつで制作されたのでしょうか。ねとらぼ編集部はバウハウジャーブルーさんにお話を伺いました。

――卒業制作のテーマがBLで、しかも“顔出しパネル”というのはかなりユニークな発想だと感じました。普段からBL関係の作品を課題提出していたのでしょうか。

バウハウジャーブルー普段は趣味として二次創作のBLの漫画を描いていますが、課題として作ったのは初めてです。

――なぜ卒業制作にBL顔出しパネルを作ろうと考えたのでしょうか。

バウハウジャーブルー最初は、「顔出しパネルを自作したら楽しそうだな」くらいの感覚で中間講評(卒業論文の中間発表のようなもの)に臨んだのですが、講評で“顔出しパネルを作る”というプランが妙にウケてしまいました。それがプレッシャーで11月半ばまで何のパネルを作るかは決られませんでしたが、ゼミの担当教授から「あなたの好きなことなに!? 卒制でしょ? 教授の評価とか気にしないであなたの好きなことやらなきゃ!」と詰められ、私も正気ではなかったので、趣味で描いていたBLのイラストを教授に見せました。

――そのときの教授の反応は。

バウハウジャーブルー教授はそういう文化に造詣が深い訳ではないので、引かれるかと思ったのですが「いいじゃないですか、それでやったら?」と。そこで何かつき物が落ちたような感覚になり、そこから「それもそうだな! BL最高だし」と大急ぎでパネルを作り始めました。また制作理由の一つに、隠しがちなBLという趣味について、顔出しパネルから顔を出すように堂々と正面を向いて伝えたいという思いもありました。

――思い切りましたね。パネルの評価はどうでしたか?

バウハウジャーブルー講評のとき、教授陣に実際にパネルから顔を出していただいたのですが、「楽しかった」という言葉を頂きました。評価というよりその感想だったのが印象に残っています。来場者からは「ヤバい」「好き」という感想をよく聞きました。また「勇気がすごい」と絶賛してくださる方、「私メガネは受け派だから無理」という腐女子目線な感想をくださった方もいました。ちなみに自分の耳に入った中で一番人気のカップリングは机の上に座ってキスをしている二人です。


BL顔出しパネル 一番人気のシチュエーション「机でキス」

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」