漢字「とめ・はね・はらい」で減点はおかしい? 文化庁「骨組みが同じなら誤っているとはみなされない」(1/2 ページ)
もしも「とめ・はね・はらい」で減点されたらどうすれば良いのかも聞いてみました。
あなたは漢字の「とめ・はね・はらい」が不十分だと減点された経験がありますか? 実はこうした漢字の字体・字形について近年、文化庁が「字の細部に違いがあっても、その漢字の骨組みが同じであれば、誤っているとはみなされない」との指針を発表し、話題になっています。文化庁と長野県教育委員会に詳しく聞きました。
学校のテストなどでありがちな漢字に関する減点。例えば「木」という漢字の真ん中の縦画の最後ははねるべきか、はねないべきか――。「くにがまえ」はきちんと全ての角が閉じていないといけないのか――など身に覚えがある人も多いのではないでしょうか。
こうした漢字に関する問題については文化庁も把握しており、「手書き文字と印刷文字との違いが理解されにくくなっている」「文字の細部に必要以上の注意が向けられ、本来であれば問題にならない違いによって、漢字の正誤が決められる傾向が生じている」との理由から、2016年2月に「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」を発表しています。
文化庁はこの指針の中で「手書き文字と印刷文字の表し方には、習慣の違いがあり、一方だけが正しいのではない」「字の細部に違いがあっても、その漢字の骨組みが同じであれば、誤っているとはみなされない」との見解(文化審議会国語分科会によるもの)を示しています。
しかしそもそも、漢字の字体・字形については、1949年の「当用漢字字体表」からずっと「その文字特有の骨組みが読み取れるのであれば、誤りとはしない」との考えを持っているとしており、2010年に改定された「常用漢字表」でも「その考え方を継承している」とのこと。つまり今回の指針によって考えが改められたというよりは、この方針を周知するために指針を発表したということのようです。
これにより前述した「木」という漢字については、真ん中の縦画の最後がはねても、はねなくても誤りではないということに。また世間でよく言われる「はねてはいけない」説が広まった経緯について文化庁は「漢字の習得の段階で“はねのない字形”が規範として示されることが多い」ことを挙げつつ、「手書きの楷書では“はねる形”で書く方が自然であるという考え方もある」としています。
ここで気になるのが、こうした指針はきちんと周知されているのか。またもし今後「とめ・はね・はらい」を理由に減点されてしまった場合はどうすれば良いのか。文化庁文化部国語課の国語調査官にお話を伺いました。
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