【完全版】納豆の値段差はどこから来るのか? 「輸入モノ」と「国産」の違いを調べたら、意外な事実が判明した(2/2 ページ)

» 2018年03月24日 11時30分 公開
[高橋ホイコねとらぼ]
前のページへ 1|2       

輸入、国産という情報からは味は分からない

 メーカーに聞いてみて分かったのは「輸入だからこう、国産だからこう」という、分かりやすい傾向はないことだ。

 まず、納豆の値段は、大豆の原材料費、容器、配送料、ロット数などいろいろなことで決まる。1社は値段の違いを原材料費による違いが大きいとは教えてくれた。しかし、輸入大豆を使った高級な商品があるなど例外もあるらしい。

どうして値段が違うの?

メーカー 回答
A社 輸入大豆の商品はリーズナブルなものが多いです。有機栽培の輸入大豆を使った高級な商品もあります。
B社 原材料費の違いによるところが大きいです。
C社 値段は、大豆の原材料費だけでなく、容器、配送料、ロット数などさまざまな要因で決まります。

 次に味の傾向を聞いてみた。産地で味が分かると筆者は信じていた。ところが、この国ならこの品種とは決まっていないらしく、輸入だからこの味、国産だからこの味とはいえないそうだ。

 例えば、あるメーカーは商品開発の際に、まずコンセプトを決めて、それに合う豆はどれかという手順で選ぶと話していた。輸入大豆だからこういう商品という順序では発想していない。どのメーカーも「それぞれの豆に合わせて納豆を製造している」と話していた。

輸入大豆と国産大豆でどう味が違うの?

メーカー 回答
A社 輸入だから、国産だからということはなく品種によります。国産(特に北海道)の大豆で作った納豆は甘みがあるとはいわれています。
B社 輸入大豆も契約栽培をしているので、国産大豆と遜色がない品質になっています。国産大豆が好きというお客さまもいるので両方の商品を出しています。
C社 そういったデータは取っていません。

 食品表示をみて、最初に目につくのが大豆の産地だったため、てっきりそれで味が分かるものかと思っていたが、違っていたらしい。


値段は小売店が決めている

 今回の調査でダントツに購入価格が安かったのは、タカノフーズの「おかめ納豆 極小粒」の65円。どうしてこんなに安いのか率直に聞いたところ、予想外の回答を得た。筆者は企業努力のたまものだと思っていた。

おかめ納豆 本調査で最安値だった「おかめ納豆 極小粒」

 「当社の極小粒は販売から35年の定番商品のためなのか、なぜか安く売っていることがある」(タカノフーズ)

 納豆はメーカーが小売店に卸し、小売店が消費者に販売している。小売店での販売価格は小売店が決める。なぜその値段なのかは小売店に聞かないと分からないのだが、メーカーの立場からすると3パック65円は安すぎるそうだ。

 希望小売価格よりも実売価格が安いことは普通だそうだが、「おかめ納豆 極小粒」が158円(購入価格65円)、「おかめ納豆 国産丸大豆納豆」が201円(購入価格129円)であり、もともとは倍も差があるものではないらしい。

 ほかのメーカーも「当社は国産大豆の商品が安くなっていることがありますね」と言っていた。筆者が最初に思っていた「なんでこの納豆安いんだ?」という疑問の答えは、「スーパーが安売りしていたから」という理由である可能性が出てきた。そうなると、値段と味も期待していたほどには相関がないのかもしれない。ああ、どうやって納豆を選んだらいいのか、ますます分からなくなってしまった。


で、どうやって選んだらいいの?

 小粒、大粒の好みがある人はパッケージから簡単に判断ができる。大粒のほうが豆感があるとはいわれているが、ここは好みだろう。筆者は小粒のほうが納豆感があると感じたが、ただ食べ慣れているだけかもしれない。

 それ以外の豆の香りだったり、タレの風味だったりという違いは、食べてみないことには分からないだろう。産地表示もあまり参考にならないようだ。

納豆ごはんのイメージ 食べてみるしかないのかなー

 あるメーカーは、納豆の選び方について、合わせるおかず、食べるシーン(朝昼晩など)によって選んでくださいと話していた。おかずに合わせて選ぶなんて、ワインみたいだなと思う。ここで妙な納得をした。1000円のワインと10万円のワインの違いが分からないんだから、80円と120円の納豆の違いなど分かるはずない、と。今後は、安すぎない納豆をいろいろ食べてみようかなと思える、今回の調査だった。

高橋ホイコ

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」