呂布、宇宙へ…… 日清の“知力1の探偵漫画”「名探偵 呂布」が壮大に第1部・完
いろいろな意味でオチがひどい。
日清食品がオリジナル漫画サイト「NISSIN MANGA」で展開している、「名探偵 呂布」が第1部の完結を迎えました。探偵の呂布が知力1の発想と武力100の腕力で、宝石強盗事件に挑むこの漫画。第2回(関連記事)で容疑者の董卓を討ち取り、事件は解決に向かったところにまたもや波乱が。
倒れた董卓からこぼれた宝石を証拠に、呂布は董卓を犯人と断定。すると彼のコンサルタント、李儒(「三国志」で董卓を補佐していた謀臣。知力91)が異を唱えます。彼が証拠品の宝石を押しつぶすよう指示すると、呂布はあっさりと粉砕。探偵自身に宝石がイミテーションであると証明させ、推理を破綻させたわけです。どうやら宝石は本物らしいのですが、それでも粉砕できる呂布の怪力を逆手に取った妙策。でも呂布が宝石をパリパリ割ってるはいいのか?
呂布はあきらめずに李儒を問い詰め、彼が大事そうに抱えるアタッシュケースをあらためますが、中身は日清のカップヌードルのみと不発に終わってしまいます。これは、いかにも怪しいケースにはオトリの品を入れておき、本命の宝石はポケットに入れるという李儒のたくらみ。大きなだましを成功させるために、小さなだましをしかけわざと見破らせる、兵法三十六計の1つ「無中生有」に則った計略なのでした。まずい、このままでは事件が迷宮入りしてしまう。
それでも呂布は食い下がり、李儒に「ジャンプしてみろ」と命令。昔の漫画で不良がカツアゲする際、「お金持ってません」と言われたときにやるアレです。しかしそんなこともあろうかと、李儒はスマホに「音をかき消す周波数」を発生する消音スピーカーを仕込んでおり、跳んだときの宝石の音を消してしまいます。そんな事態まで想定できる李儒は賢いというより、若いころにつらい経験をしていそうで悲しい。
ところが「そんなもんは“小銭ジャンプ”じゃねえ!!」と納得しない呂布。本当の小銭ジャンプを見せてやろうとばかりに、李儒を抱えて大空へ飛び跳ねます。そして成層圏を飛び越えて宇宙まで。むちゃくちゃな展開ながら、李儒のポケットから宝石がこぼれ落ち、事件は董卓一派のしわざということで一応落着するのでした。呂布はそのまま天高く飛んでいき、帰ってこられなくなりましたが。
最後まで「小細工を比類なきパワーで打ち破る」呂布の魅力を生き生きと描いた「名探偵 呂布」。漫画はさらに突拍子もないオチで終わるので、ぜひ自分の目で味わってください。
(沓澤真二)
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