君は「世界CapsLockの日」を知っているか 年に2回もあるんだぞ

地球のみんなは、キーボードのあのキーにお困りのようです。

» 2018年03月28日 12時00分 公開
[ねとらぼ]

 キーボードの「Insert」「Scroll Lock」といったキーは何の役に立つのか―― 先日、そんな記事を公開したところ、「なぜCapsLockを取り上げないのか」とのご意見をいただきました。

 CapsLockとは、近くにあるShiftキーと一緒に押すとアルファベットが大文字で入力されるようになり、うっかり触れてしまった人間の心を狂わせる魔性のキー。CapsLock。ああ、CapsLock。お前は一体、人類をどれだけ「何もしていないのに、キーボードがおかしくなった」と惑わせれば気が済むのか……。

 確かに前回の記事では扱いませんでしたが、ねとらぼ編集部は同キーのことを忘れていたわけではありません。いえ、忘れられるもんですか。だって、存在感が強烈過ぎるせいか、海外には「International Caps Lock Day(世界CapsLockの日)」なる記念日(?)が存在するくらいですから。しかも、その日は6月28日、10月22日と年に2回もやってくるのです。


2008年時点の世界CapsLockの日“自称”公式サイト(Wayback Machineより)

CapsLockを全力でネタにした「世界CapsLockの日」

 海外メディアによると、10月22日の方の世界CapsLockの日は、ソフトウェア開発者のDerek Arnold氏によって2000年に誕生。以前は“自称”公式サイトも公開されており、そこには妙にゴキゲンなGIF動画とともに、「私たちは毎年、CapsLockと愛し合っている」などの文章が並んでいました。意味はさっぱり分かりませんが、全て大文字になっており、CapsLockを使って書いていたものと思われます。

 現在の同サイトには「no」の2文字(しかも小文字!)しか記載されておらず、かつてのお祭り騒ぎはどこへやら。しかし、Twitter上には現在も「#CAPSLOCKDAY」というハッシュタグが存在し、2017年も大文字だらけの文章が投稿されています。


大文字ばっかり(Wayback Machineより)


現在の“自称”公式サイト。あの日の熱狂はどこへ……!

 なお、フォローのために言っておくと、世界CapsLockの日のWebサイト上では同キーを無効化する方法が紹介されており、CapsLockを礼賛しているわけではありません。おそらく、“うっとうしいだけの役立たずなキー”を斜め上の方向に祭り上げて、ネタにしているだけのようです。

 同キーを邪魔だと思う気持ちは海を隔てても変わりませんが、「Worldwide Weird Holidays」によると、その理由は日本とはちょっと違うもよう。そもそも海外ネットユーザーのあいだでは「大文字で書かれた文章=叫んでいることの表現」と捉える向きがあるとのことで、言ってみれば、ポチッと押すと絶叫が止まらなくなる困った魔法のスイッチのようなものとして認識されているようです。


このページにリンクを貼る形で、Caps Lockを無効化する方法を紹介


CAPS LOCK DIABLOG」に掲載されている「世界CapsLockの日」のために書かれた詩。「あなたは大声だと思われているかもしれない」という歌詞から、CapsLockに対するネガティブなイメージが伺えます

通販番組で人気を博した“CapsLockおじさん”

 英語圏には「Billy Mays Button」というCapsLockを指すネットスラングがあります。Billy Mays氏は米国などの通販番組に出演していた人物で、やたらと大きな声で商品紹介をしていたことで有名。CapsLockを使って大文字だけで書いた文章には、大声でしゃべっているかのような雰囲気があり、同氏を連想させるから「Billy Mays Button」というわけです。

Billy Mays氏による、商品紹介動画。ここまでテンション高く、靴の中敷きの魅力を伝えられる人は、そうそういないような気がします

声が大きいことから、CapsLockを指すネットスラングになったBilly Mays氏

 2009年に誕生したもう1つの世界CapsLockの日(6月28日)は、Mays氏の命日。同氏のファンだったというJohn Haller氏は「Billy Mays Caps Lock」というフリーソフトまで公開しています。

 ちなみに、機能は「CapsLockを押しても大文字入力に切り替わらなくなる代わりに、Mays氏の大声が再生される」というもの。日本語配列のキーボードには対応していないのか、筆者のPCでは利用できなかったため推測になってしまうのですが、同ソフトを導入しても「多くの人にとっては役に立たない」というCapsLockらしさは変わらないのではないでしょうか。


Billy Mays Caps Lock」紹介ページ。ちなみに、CapsLockキーを押したときに再生される音声は「ハーイ! Billy Maysです」「あなたの白い運動着がもっと白くなるよ!」「今すぐ注文すれば、価値が倍増」「注文方法はこちら」


Billy Mays Button」Google画像検索画面。CapsLockキーを「Billy Mays」に書き換えたネタ画像がわんさか出てきます

だけど、CapsLockに助けられている人もいる

 日本でも海外でも、不便でむしろ無い方がいいものとしてネタにされているCapsLock。しかし、世の中にはそれを必要としている人もいます。

 例えば、金融系のシステム開発などによく使われているプログラミング言語「COBOL」では大文字で書かれるため、同キーを多用するとか(※)。キーボードにあるキーの1つ1つは、あなたがこれまでに出会ってきた人たちと一緒。たとえ、あなたにとっては役立たずで無価値だったとしても、別の誰かにとっては大切な存在なのです、きっと。

※ COBOLは大文字でコーディングする人が多いといわれているが、現在は小文字も利用できるようになっている。



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/14/news189.jpg 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  4. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  5. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  7. /nl/articles/2411/15/news009.jpg 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  8. /nl/articles/2411/15/news058.jpg 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
  9. /nl/articles/2411/14/news023.jpg “膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声
  10. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた