「イスをくるくる」「ひざ上に白いハンカチ」はもう不要? 街角の「証明写真機」が知らない間に進化していた
あとは素材次第。
履歴書や運転免許証、パスポートの更新など、さまざまな場面で必要になる「証明写真」。でも、街角の証明写真機を使うとどうしても写りが悪くなってしまうイメージはありませんか?
自分でできる工夫として「白いハンカチをひざのうえに置く」などのテクニックを聞いたことがある人も多いはず。しかし、最近ではそうしたテクニックなしでも美しい写真が撮れる機種が増えているそうです。最新の証明写真機はどこまで進化しているのか、メーカーに話を聞きました。
「美肌モード」の効果とは
近年、デジカメやスマホのカメラアプリで見かけることが多くなった「美肌モード」。証明写真機にも、やはりこの機能が取り入れられています。
富士フイルムイメージングシステムズによれば、同社の「美肌モード」は、肌のシワや荒れ、シミなどを検出して自動補正。さらに、人間の脳が美しいと感じるように「肌色」を画像処理してくれます。このモードを使うと「5歳は若返る」とのことで、「10代の被写体ではさほどの変化はないものの、20代後半をすぎると効いてくる」そうです。
画像処理といってもプリクラのような過度な加工はしないため、パスポートやマイナンバーカードの申請にも問題なく使用できます。
さらに、ライトの数にも違いがあるそうです。安価な証明写真機は正面の1灯だけで撮影しますが、オプション機能「プレミアム美肌仕上げ」を利用した場合は、スタジオ撮影と同じ3灯を使用。正面、天井、下から光を浴びせます。壁は白く光が全体に回り込み、従来の証明写真機に比べ光量が十分なため、「白いハンカチは不要です」とのことでした。
証明写真機の利用者は男性と女性がほぼ同数。これが「プレミアム美肌仕上げ」(通常料金の200円増し)利用者になると、女性の利用者の割合が倍に増えるそうです。
「イスくるくる」が不要な機種も
証明写真機と言えば、背景と背の高さを調整するために「イスをくるくる回す動作」がおなじみですが、最近はその必要がない機種も登場してきています。
コンピュータが頭の頂上とアゴの位置を自動判別して、ちょうどよい大きさになるよう撮影してくれます。撮影時のコツとして、姿勢よく、正面のモニターを見るようにさえすればきれいに撮れるとの話でした。
同社が証明写真機に参入したのは2001年と、業界では後発。美肌モードを搭載したのは2006年頃で、その後2015年頃には背景合成を、2016年には画像データをスマホでダウンロードできる機能を追加しました。今後もさらに美しい写真を手軽に撮れるよう、証明写真機の進化は続いていくのでしょう。
(高橋ホイコ)
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