ほのぼの京王電鉄のツバメのフン受け板 なぜツバメは駅に巣を作るのか、「フン受け板」推進団体に聞く(1/2 ページ)

自作できる「フン受け型紙」も配布。

» 2018年04月16日 20時27分 公開
[高橋ホイコねとらぼ]

 京王電鉄がツバメが巣作りする春から初夏にかけて、駅に作られた巣の下にフン受け板を設置すると発表しました(関連記事)

京王めじろ台駅 京王めじろ台駅に設置した例(2017年)

 ほんわかと和む、身近な鉄道と人の生活に関連したいい話です。京王電鉄によるこの施策は、NPO(認定特定非営利活動)法人であるバードリサーチの協力で行われています。きっかけは「利用客からの苦情で、巣が撤去されてしまうケースがかなりある」ため。「フン受け板」はどんな経緯でできたのか。ツバメはなぜ駅に巣を作るのか。バードリサーチに話を聞きました。


フン受け板 フン受け板に描かれた、京王電鉄キャラクターのけい太くんと京王線5000系キャラクターのしんごくん
photo 2017年にはJR鎌倉駅でこんな対応も(画像提供:コペハ鳥さん(@Cphg_mb))

ツバメが歓迎されないこともある

 バードリサーチは2013年からフン受け板を配布する活動を行っています。2018年現在、毎年1000枚〜1500枚ほどを配布しているそうです。

 2010年から2011年に掛けて同団体が道の駅とサービスエリアで営巣とその対応状況を調べたところ、巣から落ちるフンが利用者の迷惑になるとして、巣を撤去したことのある施設が相応にありました。また、ツバメを大切にしている施設が多かった一方で、ツバメが繁殖することを迷惑と考えているとの回答も7%ありました。

7%が大切にされていない ツバメが歓迎されないこともある(バードリサーチより)

 続いて2013年には、関東の全駅1758駅での調査も実施します。その結果、283駅でツバメの営巣が確認され、乗降客が極端に多い都心の駅を除いた「乗降客数が多い駅」で営巣率が上がる傾向が見られました。ツバメは、天敵が近づきにくい、ある程度人通りが多い場所に巣を作ります。意識はしていないと思いますが人間が守っている一面もあるのですね。また近年は巣作りに適した軒下のある日本家屋が減少したことから、駅や道の駅、サービスエリアに巣を作ることが増えているのだそうです。

photo 2013年の関東1758駅調査では、秩父鉄道が営巣率トップだった

京王線での調査結果 赤い星印が京王線でツバメがいる駅(バードリサーチ2017年調査

 だからといって、フンが頭にポトリはちょっと……という話でもあります。なんとかできないか。ツバメは春から初夏にかけて産卵します。産卵後2週間で孵化(ふか)し、3週間で巣立つそうです。例えば、「ま、フンが直接掛からなければ、少しの間ならば仕方ないよ」と思ってもらうにはどうすればいいでしょう。

ツバメの巣の様子 ヒナは3週間で巣立つそうです(画像提供:バードリサーチ)

 人が嫌だと感じるツバメの被害は、そのほとんどが掛かる、たまって汚れる、踏んでしまうといった「フン害」。フン害を防げて、かわいいイラスト入りならば受け入れてもらいやすいのではないか──。そうして「フン受け板」が誕生しました。

 2018年現在、京王電鉄の駅に加えて、JRや西武鉄道の一部の駅でも、さらには高速道路のサービスエリアでもこのフン受け板が利用されているそうです。

ツバメの様子 洗面台にいたツバメ。かわいい(画像提供:バードリサーチ)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」