「『いいね』が他人のTLに流れるのはいや」「謎の凍結を食らった!」←把握してる? 米Twitterのスタッフが答えてくれた(2/2 ページ)
ウマング:何百人もフォローしている場合、「いいね」がTLに出てこない限り気が付かない面白いツイートがたくさんありますよね。この機能を「良い」と言ってくださるユーザーはかなりいます。この点はさらに改善を進めていて、読む人が本当に自分に一番面白いと思えるように工夫を重ねています。しかし日本のユーザーから苦情が来ていることも把握しています。いろいろなご意見はしっかり届いていますので、今後どうするか検討していきます。
―― 最近日本ではアカウントの“凍結”基準に対する不満をよく見かけます。
ウマング:アカウント凍結にかかわるチームは私の部署とは別になりますので、そこに関しては同席している広報さんにお願いします。
Twitter Japan広報担当:スパムアカウントに対しては、シグナルが分かりやすいのでオートマティックに凍結する場合が結構あります。ただ、いわゆる「Abuse」と呼ばれるような誹謗中傷ツイートについては人間が見ています。
―― 開発部門と凍結対応をする部門が分かれているということ自体、外部の人間からすると「そうなんだ」という驚きがあります。
Twitter Japan広報担当:役割としてはプロダクトを作る側と、ユーザーサポート側という違いがあります。ただ当然会話はいっぱいしますし、「@TwitterJP」に毎週山のように届くユーザーの声は全て翻訳して向こうの(サンフランシスコの)チームに渡しています。
―― 何気ない会話で凍結されてしまったという声が昨年から多く見られました。
Twitter Japan広報担当:昨夏ごろからそうした問題が増えているのは認識しております。同じ文面であっても、お友達とコミュニケーションしているだけなのか、全く知らない人への誹謗中傷なのか。そういうところを読み取れるようなシステム作りを、ツール側の面と、サポート担当者への教育の面、両方の側面から見直しを進めています。
―― 凍結する場合は、原則として前後の文脈も見ているんですね。
Twitter Japan広報担当:もちろんです。また、基本的に古いツイートを引っ張り出してきて凍結するということはしません。ツイート時のルールが違ったりすることもありますし、以前の条件を今に当てはめるのはおかしいよねという意識がありますので。
―― 「日本のユーザーの声が向こうに届いているのかはなかなか分からない。本社に凸るのが一番なのではないか?」という意見もあります。
Twitter Japan広報担当:それは全くのデマです……! 来ていただいたとしても、結局オンラインで手続きをしていただきますし。それに来ていただいた方を優遇していたのでは不公平になってしまいます。
――「認証アカウント」だと凍結されづらいということはあるのでしょうか? 極端な例だと、トランプ大統領とかは過激な発言が問題になってもなかなか凍結されませんよね。
Twitter Japan広報担当:トランプさんの件は社内でもものすごい議論があります(笑)。ただ、公益性の高い情報に関しては残すという方針があります。この件については2017年に特に一度社としてもアナウンスを出しています(関連記事)。
―― 「フェイクニュース」への対応が世界的に求められています。特にFacebookへの風当たりが強くなっていますが、Twitterでも何か対応の予定はあるのでしょうか。
Twitter Japan広報担当:今TwitterではHealth(健全性)を測る指標を公募中なので、そこでの意見がまとまった段階であらためてお話できればと思います(編注:インタビュー時点では公募期間中だったが、4月13日に締め切られた - 関連記事)。
―― 現時点でのTwitterの“健全性”についてどう考えていますか?
ウマング:どう思いますか?
Twitter Japan広報担当:こっちに来た……! 昨年は凍結の問題も含め、色んなことがあった年なので、なんとかしなきゃいけないとは思っております。
ウマング:現在、日本のチームと一緒に日本独自のツイートの傾向が何かを研究している真っ最中です。開発中の部分についてはコメントができないのですが、より日本の方々に適したサービスを出していくことができると考えていますので、今後ともTwitterをよろしくお願いします。
―― ちなみに、仕事中にTwitterはやりますか?
ウマング:仕事中は……ときどき(笑)。それも仕事の内ですからね。日本だとどうですか?
Twitter Japan広報担当:人にもよると思いますが、私は結構ツイートしています(小声)。
今後実装予定の具体的な新機能については「残念ながら明かせない」とのことでしたが、話せる範囲で担当している仕事や日本のユーザーについて考えていることを語ってくれたウマングさん。また、国内ユーザーの同行についてTwitter Japan側からも「声は届いている」と言質が取れたのは収穫でした。身近なツールゆえにユーザーとしてはつい口を出してしまいがちですが、ひとまずは改良のため最善を尽くしているという言葉を信じてみたいと思いました。
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