どう見てもギリギリアウトな「機動少女 -GundamGirls」にあらためて中国ゲームの深淵を見たモバクソ畑でつかまえて

そのタイトル大丈夫!? → 何一つ大丈夫じゃなかった。

» 2018年05月17日 18時00分 公開
[怪しい隣人ねとらぼ]

 ポスト「艦これ」として人気を広げるアズールレーンを筆頭に、ここ2〜3年で、中国産ゲームのクオリティーは飛躍的に上がったといわれています。グラフィック、ゲーム内容、運営姿勢などなど、中には国産ゲームといわれても分からないレベルの作品もかなり増えました。

 しかしそんな中、4月下旬ごろからTwitterをざわつかせた作品がありました。タイトルは機動少女 -GundamGirls。タイトルの時点で既に「あっ」という感じはあるものの、果たして実際はどんなゲームだったのか。モバクソゲーサークル「それいゆ」発起人であり、「あっ」という感じのゲームに詳しい「怪しい隣人」@BlackHandMaiden)さんに実際にプレイしてもらいました。



ライター:怪しい隣人

モバクソ畑でつかまえて

出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。



ゲームとしての作りそのものは悪くない、が……

 パクりパクられ、というのはいろいろなジャンルで話題になるお話です。ですが、どこまでがパクりでどこまでがそうでないのか、なかなか判断が難しいものがほとんど。そんな中で、今回は分かりやすくアウトな感じのするゲームを紹介したいと思います。

 ゲームの名前は機動少女 -GundamGirls。中国MfunGamesという会社が4月18日に配信を開始したゲームです。なぜかApp Storeでのデベロッパーは会社名義ではなくWang ZePingという名前で表示されています。こんなタイトルにもかかわらず、バンダイナムコエンターテインメントからリリースされてもいません。この時点でまず怪しいと思ってしまいましたが、勇気を出してダウンロードしてみました。起動してみると……なんかガンダムじゃないのもいます。というか、タイトル画面にはガンダム少女がいません。


機動少女 -GundamGirls 3人ほどガンダム関係ない子がいます(左から、フルメタル・パニックのARX-7アーバレスト、テッカマンブレード、Zガンダムのメタス、マクロスのVF-1S、ガンダムZZのドライセン)

 自分は戦艦の艦長となり、こんなロボ少女たちを指揮しながらやはり敵のロボ少女たちと戦うことになります。ログイン時にFacebookのアカウントかゲストで入るかを選ばされますが、ここはゲストで大丈夫。ゲストで入り続けてもデータはサーバに保持されているようです。

 ゲームの進行ですが、ロボ少女を編成してマップを進軍、自動で戦うロボ少女たちを見守りつつ、戦艦に実装されたスキルを使って彼女たちを支援しながら戦うことになります。この辺は中国語が読めなくても感覚的にプレイできるかと。


機動少女 -GundamGirls マップ画面

機動少女 -GundamGirls 編成画面

機動少女 -GundamGirls 戦闘画面。美少女じゃないロボも敵には出てきます

 ロボ少女たちの強化については戦闘での経験値確保、装備やスキル強化アイテムの獲得とアップグレードと、この辺もなじみのあるシステムかと思います。また課金については、中国ゲームらしくVIPシステムが存在しており、課金額に応じたレアなロボ少女や装備の獲得が可能になっています。

 ゲームのメインとなる戦闘ですが、レベル5になれば倍速化が解放、レベル10になれば戦艦の支援の自動化が解放されます。ロボ少女戦の前には自分が乗っている戦艦と敵戦艦の戦闘が発生し、ここで操作が要求されるため、完全放置でレベル上げやアイテム稼ぎというわけには行かないのが残念なところ。一度クリアしたマップは戦闘画面を省略してクリア結果だけを得ることが可能になっているのですが、これには専用のアイテムが必要で回数制限があります。

 定期的に登場するボスを倒すと脱衣状態が表示されたりと、サービスもバッチリ。中国本土の規制もあってか脱衣自体はささやかなものですが……。操作性や反応速度も含め、ゲームとしての作りそのものは悪くない、という印象を受けました。


機動少女 -GundamGirls ボス打倒時(機動戦士ガンダムSEEDのフォビドゥンガンダム)

機動少女 -GundamGirls 申し訳程度の脱衣です(機動戦士ガンダムSEEDのデュエルガンダムアサルトシュラウド。目を抑えているのはイザークが劇中で目を怪我したのが元ネタ?)

どこかで見たロボがワンサカと

 問題は、やはりこのどこかで見たようなロボ少女たち。「GundamGirls」という名前なのに最初に手に入るロボにフルメタル・パニックのアーバレストがいたりするのはご愛嬌として、他にもどこかで見たようなリアルロボットやスーパーロボットがワンサカと。なお、このロボ少女たちは入手しなくても図鑑で閲覧できるというところは大変親切です。


機動少女 -GundamGirls 図鑑モードは最初から解放されています

機動少女 -GundamGirls 入手済みだと能力値が閲覧できます(フルメタル・パニックのARX-7アーバレスト)

機動少女 -GundamGirls 未入手でもキャラクターは閲覧可能。代表的なスーパーロボットから1人(ゲッタードラゴン)

機動少女 -GundamGirls パイロットがコスプレをしているように見えます(ヱヴァンゲリヲン新劇場版のエヴァンゲリオン零号機)

 これらのどこかで見たようなロボだけが突っ込みどころではありません。例えばグフイグナイテッドと思しきロボ少女のポーズやら衣装なのですが、艦これの摩耶改二に大変似ているような……。というか、上半身の衣装はほぼ同じような気がします。


機動少女 -GundamGirls こちらグフイグナイテッド(通称ハイネグフ)

機動少女 -GundamGirls こちら摩耶様

 怪しいお話はこれだけではありません。この「機動少女」ですが、ロード画面に表示される「StrikeGirls」という別の名前が気になって調べてみたところ、このゲームにそっくりな「鋼鉄戦姫」というゲームが存在していることが分かりました。

 こちらは機動少女リリースのおよそ3カ月前、2018年1月18日にリリースされたゲームなのですが、「機動少女」とアイコンがほぼ同じ、中身もほぼ一緒となっています。起動時に表示されるロゴから、開発元が同じなのでは、というところは想像できるのですが、ここまでそのまま同じゲームが違うタイトル、違う会社からリリースされるというのは一体どういうことなのでしょうか。ただ、「鋼鉄戦姫」の方は去る5月3日15時でサービスを終了しています。


機動少女 -GundamGirls 機動少女ゲーム開始直後、チュートリアル第一声

機動少女 -GundamGirls 鋼鉄戦姫ゲーム開始直後、チュートリアル第一声

機動少女 -GundamGirls 鋼鉄戦姫サービス終了告知

 少しほじっただけでなんだか違和感をおぼえる出来事がモリモリと現れる中国ゲームの世界。おそらく深淵を端っこからのぞいただけなのかなと思いますが、ゲーム自体の出来は悪くないものだったので、ちゃんと許諾を取って日本語化してリリースして欲しかったなぁ、と思ってしまいます。さすがにこの状態からそれは難しいとは思いますが……。

 現在、告知の一部だけは半端に日本語化されていますが、このままローカライズが進んでいるのかは全く不明です。いつか突然サービス終了するのか、それともじわじわと生き延びるのか。しばらくは様子を見てみたいと思います。そんな「機動少女」の公式Twitterはこちら(@StrikeGirlsClub)。こんなゲームインストールしたくない、という方もムービーでその一端を見ることが可能です。


機動少女 -GundamGirls 日本語……?

以下、編集部注

 念のためサンライズに問い合わせましたが、「弊社の監修物ではありません」とのことでした。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/16/news007.jpg まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  2. /nl/articles/2411/16/news013.jpg 自宅のウッドデッキに住み着いた野良の子猫→小屋&トイレをプレゼントしたら…… ほほ笑ましい光景に「やさしい世界」「泣きそう」の声
  3. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. /nl/articles/2411/17/news066.jpg 「ヤバすぎwwww」 ハードオフに1万8700円で売っていた“衝撃の商品”が690万表示 「とんでもねぇもん見つけた」
  5. /nl/articles/2411/16/news014.jpg 330円で買ったジャンクのファミコンをよく見ると……!? まさかのレアものにゲームファン興奮「押すと戻らないやつだ」
  6. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  7. /nl/articles/2411/11/news056.jpg 大量のハギレを正方形にカット→つなげていくと…… “ちょっとした工夫”で便利アイテムに大変身! 「どんな小さな布も生き返る」
  8. /nl/articles/2411/17/news038.jpg 58歳でトレーニングを始めたおばあちゃん→10年後…… まさかまさかの現在に「オーマイガー!!!」「これはAIですか?」【海外】
  9. /nl/articles/2411/17/news039.jpg 母犬に捨てられ山から転げ落ちてきた野良子犬、驚異の成長をみせ話題に 保護から6年後の“現在”は……飼い主に話を聞いた
  10. /nl/articles/2411/17/news004.jpg 「水曜どうでしょう」“伝説のシーン”そっくりな光景にネット騒然 「ダメだ笑っちゃう」「なまら怖い」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた