「そういうのいらないんで」「ガーンッ」 塩対応された“泉の精”対帰りたい青年の最後はホロリと来る良い話(1/2 ページ)

さびしがりやの泉の精と、さびしがりやの王子様が出会った話。

» 2018年07月03日 07時30分 公開
[宮原れいねとらぼ]

 イソップ寓話「金の斧」に登場する“泉の精”。その彼女が斧を落とした人間と会って以来、誰とも会えずに何百年もずっと一人で水の底にいたら――そんなもしもを描いた漫画「泉の精シリーズ」がTwitterで「いとおしい」「尊い…」と人気を集めています。



 物語は、泉の精が帽子を落とした大学生の青年と出会うことから始まります。しかし、「ついに出番がきた!」とばかりに例の2択をキラキラの笑顔で問う彼女でしたが、あれから年月がたちすぎたのか、少し冷めたような青年は驚くこともなく「どちらでもないって言ったら全部くれるやつ」でしょと、身も蓋もない言葉でどちらも遠慮されてしまいます。


泉の精 さびしがりや 王子様 漫画 金の斧 イソップ寓話 めっちゃうれしそうな泉の精ちゃんがかわいい

 他にも「呪い」や「それ相応の報復がありそう」といった、ある意味で現実的な考えが止まらない青年。それに対し、必死になって落とすところからやり直そうとする泉の精は「やっとまた人間に会えたんですもん…」と張り切る理由を話しますが、続く「ごめんなさい…帰ってもいいですよ」という言葉の後に、本当に青年に帰られてしまう泉の精。「さみしくなんてないですよーだ…」とつぶやく後ろ姿が切ない……。


泉の精 さびしがりや 王子様 漫画 金の斧 イソップ寓話 ずっと一人で待っていたことを聞いた彼は……?

 すると翌朝、珍しくまた落とし物がきたと思ったら、現れたのは昨日の青年。今さら帽子はあげないことを腹いせに言っても「いや、いらない」と冷たい言葉を返されてしまいますが、じゃあ一体何しに来たのかと聞くと、青年は「会いに来た」とひと言。「金とか銀とか別にいらないからさ」「お話ししようよ」と腰を下ろして話す彼に、彼女は「仕方ないですね!」と強がりながら久しぶりの“お話”を人間とするのでした。分かりやすいくらい表情に出る泉の精ちゃんがかわいすぎた……!


泉の精 さびしがりや 王子様 漫画 金の斧 イソップ寓話 突っ込み有りのテンポの良い会話劇からの「会いに来た」のひと言が刺さる

泉の精 さびしがりや 王子様 漫画 金の斧 イソップ寓話 この二人、尊い……

 ここまでは第1話「さびしがりやの泉の精」で描かれた内容で、青年が「翔平」、泉の精が「いずみちゃん(※青年による呼称)」と名前が分かる第2話を経て、翔平の違った一面が見られる第3話「さびしがりやの王子様」へとつながります。3話では、口数少ないイメージの彼がお酒で酔っぱらって陽気になり、いずみちゃんを指して「かのじょ」と言って「ただいまー」と笑う姿が。こ、これは……!


泉の精 さびしがりや 王子様 漫画 金の斧 イソップ寓話 第3話では青年・翔平のかわいい一面が

 さらに彼女をぎゅっとハグして「…いっしょにかえろ」と言う翔平。続くのは家に出た“G”を倒してほしいというかわいい願いだったりするのですが、この話で描かれているのは、いずみちゃんは「この泉から出ることはできない…」ということ。そしてそんな彼女に対しても「いつか俺んち来てね」「大丈夫」「おれ王子様だから」「いずみちゃんを幸せにするよ」と伝える翔平の姿。

 存在からして独特な距離感の二人ですが、大きくそして少しずつ揺れ動くような“いずみちゃん”の心情と、徐々に積極性を見せる翔平の言動や彼女との会話劇が、心地よいのと同時にキュンとしてその先を妄想させます。二人をずっと見守っていたい……!


泉の精 さびしがりや 王子様 漫画 金の斧 イソップ寓話 酔っているからなのか、大胆にもいずみちゃんをハグする翔平

泉の精 さびしがりや 王子様 漫画 金の斧 イソップ寓話 子どものように甘える翔平がとった行動は……!?

 同シリーズの作者は、『ジャンプスクエア 7月号』で新作の読切漫画『少女は屋上にいる』が掲載中の漫画家・右腹(@sgin001)さん。今作以外にも、報われない恋する天使を描いた「押しかけキューピッド」など、さまざまな創作漫画をTwitterに投稿して人気を集めています。

 「泉の精シリーズ」には毎話「好きすぎる」「この2人尊い」と称賛の声が寄せられ、気になる背景や展開に「応援してる」「もっと見たい」と続編を望む声もたくさん寄せられています。右腹さんのツイートによると描きたいエピソード自体はまだあるとのことで、気になった方はモーメントpixivにまとめれている過去作品を読みつつ、アカウントをフォローするなどして応援するのがいいでしょう。





       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  2. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/25/news043.jpg 娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
  5. /nl/articles/2404/25/news129.jpg プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
  6. /nl/articles/2404/24/news018.jpg 1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
  7. /nl/articles/2404/24/news017.jpg メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
  8. /nl/articles/2404/23/news185.jpg 子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
  9. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  10. /nl/articles/2404/22/news124.jpg ダイソー「マルチ万能ほうき」が家事ラクの救世主 名前負け知らずの便利さに「これやばっ!!」「220円に驚き」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」