「従来の対応が困難に」赤ブーブー、同人イベントの搬入・搬出体制を変更 8月からどう変わる?
特に搬出の変更がデカい。
女性向け同人イベントなどを主催する赤ブーブー通信社(赤ブー)は7月10日、ヤマト運輸によるイベントの搬入・搬出対応の体制を8月から変更すると発表しました。
同人誌やグッズなどを頒布する同人イベントでは、イベント前に自宅や印刷所から会場に頒布物を配送手配をする「搬入」と、イベント後に残部や戦利品などを会場から発送する「搬出」が一般的になっています。
赤ブーが主催するイベントでは、ヤマト運輸が搬入出を一手に引き受けていました。しかし近年の人手不足や労働環境の問題からヤマト運輸の事業環境が大幅に変化し、従来型の荷物搬入・搬出の対応が困難になってきたといいます。
赤ブーによると、「弊社とヤマト運輸各担当支店はこれまで通りの大規模展示場への搬入と搬出対応が存続できるように、繰り返し協議を重ねて参りました。一時は厳しい環境の中、特殊な役務の多いイベント対応は取り止めの意思表示も示されましたが、ヤマト運輸各担当支店の本イベントへの深いご理解と当社からの負担軽減につながる運用案の提案等により、新たな利用体制による宅急便搬入・搬出対応の継続にて利用方針が纏(まと)まりました」といいます。
利用方針の変更点は3点。
搬入利用
- 荷物到着期間の厳守
- 伝票・荷札の明記と貼付、厳重な梱包を
指定している荷物到着期間を守らず、一方的に早期発送される荷物が「大きな負担」「最も対応に困る」「現場に大きな混乱を来す」という状況なのだといいます。今後は指定日以外の到着荷物は「その荷の管理を含め、なんら保証できません」とのこと。今まで以上に搬入受付期間に気を付けましょう!
また、イベント会場での搬入物引き取りは、「頒布スペース表示ごとの搬入配置ではなく、館内の大まかなゾーン区切りでの配置となる可能性があります」といいます。荷物が“迷子”にならないようにしっかりと伝票や荷札に明記し、イベント日は早めに引き取りに行くようにするのが推奨されています。なお、引き取りは追加の費用負担などはありません。
搬出利用
- 会場搬出は「b2セルフ出荷サービス」のみに
従来の会場内当日出荷窓口はなくなります。代わりに「b2カード」会員専用で展開していた「セルフ出荷サービス」を一般公開して対応します。セルフ出荷とは、(1)イベント開催週の前週の土〜木曜日に販売される「利用券」を購入する、(2)イベント当日、購入枚数分の伝票を受け取る、(3)荷物に伝票を貼り、カーゴにセルフで預ける――という搬出方法。
これまでの搬出とは違い、イベント前に搬出の手続きをしておく必要があるので注意が必要です。未使用伝票は当日返却すれば請求が減額できますが、当日に追加することはできません。支払い方法はクレジットカードのみ。
ただ、搬出は「予想以上に売れ残ってしまった……」というケースもあるため、事前に搬出量を把握しきれないのが悩みどころ。その場合は、7月東京会場から始まった、荷物保管・搬出サービスを提供する「Hakobook」の利用なども考えられます。Hakobookはイベント会場ブースで受け付け、自宅や次回イベントに向けて搬出ができます。赤ブーは「どうぞこちらもご利用ください」とコメントしています。
新体制は8月19日に「インテックス大阪」で開催の「SUPER 関西 24」から全イベントで適用されます。
同人イベントと配送問題を巡っては、最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット」(コミケ)を運営するコミックマーケット準備会も2018年夏のコミケ(8月10〜12日)から搬入手数料を大幅に引き上げる」と発表しています。コミケの場合は日本郵便(ゆうパック)を搬入業者として指定していましたが、「これまでは企業努力により手数料を長らく変えずに来ていましたが、現状維持は困難」「(配送)業界全体の問題でもあるため、他の宅配便業者への代替も非常に難しい」(「C94コミケットアピール」より)といい、従来の100円から500円に値上げするとしています。
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