「万引き家族」是枝裕和監督の最新作、日仏合作で2019年公開へ 主演にフランスの至宝カトリーヌ・ドヌーヴ
フランスの往年の大女優が見せる家族の葛藤の物語。ねえ、ママ。教えて。人生って楽しい?
映画「万引き家族」でパルムドールを受賞した是枝裕和監督の最新作が、日仏合作で製作されることが発表されました。タイトルは、仏語で「真実」という意味の「La Verite(仮)」(邦題未定)で、公開は2019年の予定です。
5月に開催された第71回カンヌ国際映画祭では、“インビジブルピープル(社会から忘れ去れられた見えない存在)”を描いた「万引き家族」で最高賞に当たるパルムドールを受賞した是枝監督。日本映画のパルムドール受賞は、1997年公開の今村昌平監督作「うなぎ」以来21年ぶりで、公開中の同作は、興行収入37億円を突破しました。
次作に注目が集まる中発表された長編15作目は、日本を飛び出し、フランスで撮影を予定。仏語で「真実」という意味のタイトルが冠された同作は、主演がフランスの至宝カトリーヌ・ドヌーヴ。カトリーヌ演じるフランスの往年の大女優が自伝を出版したのを機に、アメリカに行っていた元女優志望の脚本家である娘が帰省し、長年に渡って隔てられてしまった二人の関係が浮き彫りになるという家族の葛藤の物語のようです。
主演のカトリーヌは、今作の出演について「まさか私たちが一緒に映画を作れる日が来るなんて想像もしていませんでした」と驚嘆。「魅力に溢れ、ユーモアと同時に残酷さを備えた素晴らしい脚本」と是枝監督の脚本を絶賛しており、「言語の壁については、恐れるよりも私はむしろ好奇心をそそられます。それがもう一つの挑戦になるだろうと知りつつも、是枝監督と一緒に仕事をするのがたいへん楽しみです」と意欲を見せています。
また是枝監督は、「役者本人の存在と感情はどこにあるのだろう。そんな素朴な疑問から書き始めた」と今作の脚本について明かしており、かつて劇場の楽屋だけを舞台にした一幕ものの芝居のために書いたものの、当時は完成しなかった脚本を縁あってフランスを舞台に書き直したものだと説明。「本物の『役者たち』に正面から向き合ってみたい」とコメントしています。
この他共演者には、「イングリッシュ・ペイシェント」でアカデミー賞助演女優賞を受賞したジュリエット・ビノシュの他、イーサン・ホーク、リュディヴィーヌ・サニエの名が挙がっています。
カトリーヌ・ドヌーヴコメント
ここ数年、是枝監督の映画を観て、そしてパリ、カンヌ、東京でもお会いする機会がありました。賞賛の気持ちをお伝えすることはできたのですが、まさか私たちが一緒に映画を作れる日が来るなんて想像もしていませんでした。一緒に映画を作れる……それもフランスを舞台に! 魅力に溢れ、ユーモアと同時に残酷さを備えた素晴らしい脚本です。言語の壁については、恐れるよりも私はむしろ好奇心をそそられます。それがもう一つの挑戦になるだろうと知りつつも、是枝監督と一緒に仕事をするのがたいへん楽しみです。
是枝裕和監督コメント
役者とはいったいどんな存在なのだろう。役を生きている時、演技で泣いている時、笑っている時、役者本人の存在と感情はどこにあるのだろう。そんな素朴な疑問から書き始めた脚本でした。
今から15年程前に、『クローク』というタイトルで劇場の楽屋だけを舞台にした一幕もののお芝居を書き始めたのがスタートでした。しかし、この時は残念ながら力不足で脚本は完成しませんでした。2011年に、以前から親交のあったジュリエット・ビノシュさんが来日し、対談させていただいた折に、「何か将来的に一緒に映画を」と意気投合しました。企画のキャッチボールをしていくプロセスで、引き出しの奥に眠らせておいたこの企画が再浮上し、フランスを舞台に書き直してみることにしました。その時にこの物語を、女優の母と女優にならなかった娘の話にしてみようというアイデアが生まれました。
カトリーヌ・ドヌーヴさんは、自作のフランス公開時にお会いしたことがありました。自分にとっては、フランス映画のアイコンのような存在ですが、せっかくフランスで撮影するのなら、と思い切ってオファーをさせて頂きました。映画について、演じることについて、ドヌーヴさん本人にヒアリングを重ねながら、今脚本を執筆中です。
今回は言語や文化の違いを乗り越えて監督するという、刺激的なチャレンジになりますが、本物の「役者たち」に正面から向き合ってみたいと思っています。
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