東京医科大、女子受験者を一律減点か 「女性差別」「男性にも失礼」の声 広報「報道についてはコメントできない」

東京医科大の広報担当者に事実を確認しました。

» 2018年08月02日 12時56分 公開
[ねとらぼ]

 読売新聞社は8月2日、東京医科大学が女子受験者の得点を一律減点し、合格者数を抑えていたと報じました。異例の操作に、Twitterトレンドの上位が「東京医大」「一律減点」「女子受験者」といった関連ワードが占めるなど、ネット上では大きな話題となっています。

東京医科大が「女子受験者を一律減点した」と報じられました(=同大Webサイトより)
2018年の入試結果。合格率は男子7.7%、女子2.9%

 読売新聞によると、女子受験者に対して不利になるこの措置は受験者側には説明されずに、2011年ごろから行われていたとのこと。東京医科大を巡っては、私大支援事業の対象校になることの謝礼として文部科学省の家族を“裏口入学”させた疑いがかけられており、東京地検特捜部による捜査が進められています。今回の点数操作は、その捜査の過程で発覚したものといいます。

 日本の女性医師の割合は19.7%(2012年時点、厚生労働省調査)。若年層における女性医師数や、医学部入学者に占める女性の割合は増加傾向にあるものの、OECD加盟国の平均である41.5%(2011年時点)を大きく下回っています。

日本の女性医師の割合は世界各国と比べても非常に低い

 ネット上では、「女性差別である」「教育機関の平等性への信頼が揺らいだ」「点数を操作されて落ちた女子受験生に受験料を返還してほしい」「東京医科大の男性受験者に対しても失礼な話」などの声が。また医療関係者や医大受験経験者からは「東京医科大に限ったことではなく、医大全体でみられること」「受験時に『女子は不利』と指導された」との指摘もありました。

 同大の広報担当者はねとらぼの取材に対し、「7月から内部調査を進めていて、8月上旬に調査報告書の提出を受ける予定。そのため、報道に関してはコメントできません」と回答。調査報告書の結果に関する公表や会見予定は、「提出を受けてからの検討になります」といいます。また、今回の報道についてプレスリリースなどを出すかどうかは未定と答えました。

背景に「女性医師の離職」

 なぜこのような操作が行われたのでしょうか。同紙によれば、同大出身の女性医師が結婚や出産で離職すれば、系列病院の医師が不足する恐れがあったからだといいます。

 厚生労働省の調査では、女性医師の就業率は医学部卒業後年が経つにつれて減少する傾向があり、卒業後11年(およそ36歳)で76.0%の最低となったあと、再び就業率が回復しています。一方で男性医師は55歳ころまで約9割を推移し、女性のようなM字カーブが見られません。女性医師の休職・離職理由のトップは「出産」(70.0%)。「子育て」(38.3%)、「自分の病気療養」(14.5%)、「夫の転勤に伴う」(10.8%)と続いています。

女性医師の就業率はM字カーブを描く

 また、従事する診療科にも偏りがあり、皮膚科、小児科、眼科、産婦人科では女性医師の割合は高くなるものの、外科や脳神経外科などでは非常に低くなるのが現状です。このことから、「女性医師が現場に増えると現場が回らなくなる」という危惧もされていますが、「だからといって合格者を減らすのは本末転倒」「出産・育児を経ても働きやすい環境づくりが必要とされている」といった反対意見が交わされています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  2. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/25/news043.jpg 娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
  5. /nl/articles/2404/25/news129.jpg プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
  6. /nl/articles/2404/24/news018.jpg 1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
  7. /nl/articles/2404/24/news017.jpg メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
  8. /nl/articles/2404/23/news185.jpg 子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
  9. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  10. /nl/articles/2404/22/news124.jpg ダイソー「マルチ万能ほうき」が家事ラクの救世主 名前負け知らずの便利さに「これやばっ!!」「220円に驚き」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」