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» 2018年08月04日 11時00分 公開

「任天堂から内定もらってた」「小学校で洋ゲーにハマった」 eスポーツ実況へ転身した元テレビ局アナウンサーに話を聞いた (1/3)

決断の背景。

[イッコウ,ねとらぼ]

 「本日をもって朝日放送を退社し、eスポーツ実況に専念することに致しました」――元朝日放送のアナウンサー・平岩康佑さんが、新会社「ODYSSEY」を設立し通常のスポーツ実況からeスポーツ実況に専念することを発表したのは6月16日のこと。平岩さんは今年で31歳。アナウンサーとして既存のスポーツ実況を担当し、実績を重ねてきた中での決断でした。

 ネット上ではもちろん、地上波でもeスポーツの番組が誕生し、発展を続けるeスポーツ界ですが、国内では人材不足が続いている現状もあります。平岩さんがチャレンジする「実況」の分野も、人材不足を課題としている分野の一つ。ゲームコミュニティーの中でプレイヤーとして活躍していた人が一線を退き、キャスターとして実況に専念する例もありますが、まだまだその数は多いとはいえません。


eスポーツ実況 めっちゃ好青年

 「eスポーツ」という言葉が浸透していく中、同時に指導者やキャスターなど周辺領域の重要性も高まりつつあります。「eスポーツ実況」の需要は十分ですが、平岩さんはなぜ「テレビ局のアナウンサー」という肩書、そして高待遇と安定を捨ててまでeスポーツ専門キャスターという分野に足を踏み入れたのでしょうか。平岩さんに、eスポーツ実況に専念することを決めた理由、ゲーマーとしての過去などについて話を聞いてみました。


任天堂からも内定をもらっていた

―― まずは、どこ行っても聞かれてると思うのですが、なぜeスポーツの実況を始めることになったんですか?

平岩康佑(以下「平岩」): 一番の理由は“テレビゲームが好きだから”です。日本でもeスポーツが盛り上がってきて、もう3年ぐらい「eスポーツ元年」だなんて言われ続けていて……第三者の目線で見てこれからも盛り上がりそうだという肌感覚がある中で、自分抜きでeスポーツが盛り上がるのが嫌だなと。これからテレビ局からeスポーツのアナウンサーが出てくることがあると思うんですけど、そこの第一人者が自分じゃないのが嫌だったんです。

 朝日放送は待遇も良かったですし、仕事も充実感があったんですけど、eスポーツの盛り上がりを横目で見ながら仕事するよりは自分で飛び込んでやってみようと。他のeスポーツ実況の方でも、プロのしゃべり手として放送局でアナウンサーをやってた方はいなかったので、第一人者になれるタイミングでしたし、先行者優位もあるので。

 僕、実はもともと任天堂からも内定もらってて。ゲームが好きだったので最後の最後まで悩んでたんですが、任天堂の内定者懇談会やったときに朝日放送への入社を決めたんです。周りは東大とか京大ばっかりで学歴コンプレックスもあったんですが、初対面なのに話を振ったり、ちょっといじって笑いをとったりして話の主導権を自分が握っていたんです。そこで「やっぱり人前でしゃべるのが好きなんだな」と思って。

―― もともとゲームかアナウンサーかで悩んでいたんですね。でもeスポーツ実況として独立するとき、周囲の仕事仲間は止めませんでした?

平岩: もう全員から反対されました(笑)。「絶対残ったほうがいい」とか「一過性のブームだったらどうするんだ」とか。ただ、反対する人はゲームの可能性を理解している人では無かったんですよね。

―― じゃあ、ゲーム友達に相談したときはどうでした?

平岩: それは止められなかったですよ。「需要あると思うよ」みたいなことは言ってもらえました。だから逆に「ゲーム業界以外の人は理解してもらえてないんだな」と思いましたね。

―― 朝日放送時代はeスポーツ関係の仕事はしていなかったんですか?

平岩: 朝日放送の仕事としてはなかったんですが、CyberZに私の知り合いがいて、たまたまSNSで「eスポーツの仕事してます」と投稿してたんです。それを見て6年ぶりくらいに連絡して、話を聞かせてもらって「実況させてください」とお願いしたのがきっかけで、今の仕事への転身を決めました。去年の10月ぐらいでしたね。


eスポーツ実況

―― すごいスピード感ですね。客観的に見て、放送局のアナウンサーって安定するし待遇もいいはずですが。

平岩: 手応え的にも「自分にならできる」というのがあったんです。実際お仕事していてもユーザーさんからのコメントは暖かい意見が多いですし。

 もちろん既存のeスポーツ実況もコミュニティーに受け入れられていると思うんですよ。でも放送局出身の自分からすると、見ていて「もっとできることがあるのにな」と感じたりします。

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