バーチャル売り子「新刊300円です」 コミケの売り子をバーチャルにしてしまう天才が登場

天才の所業。

» 2018年08月09日 16時40分 公開
[福田瑠千代ねとらぼ]

 「バーチャル売り子システム」なる新技術を発明してしまった人が登場しました。バーチャルYouTuberの躍進が目覚ましい今日このごろですが、なんとバーチャルキャラの活躍の場がコミケ会場にまで広がってしまったようです。

バーチャル売り子「新刊300円です」 コミケの売り子をバーチャルにしてしまう天才が登場 新刊ください!

 バーチャル売り子システムを制作したのは、Twitterユーザーの京介さん。机に設置したPCモニタにはバーチャルなキャラ(『ひだまりスケッチ』のゆの)が佇んでおり、手には新刊本が。

 キャラの動作はNintendo Switch用コントローラーの「Joy-Con」と連動しており、Joy-Conを上下に動かすことでバーチャル売り子も両腕を上下に動かし、新刊本をアピールしくれます。その上、Joy-Conのスティック操作に合わせてニコッと笑う機能や、マイクに向かって喋るとキャラの口も動くリップシンク機能も搭載。これは思わず新刊を買ってしまう……!

バーチャル売り子「新刊300円です」 コミケの売り子をバーチャルにしてしまう天才が登場 Joy-Conの動きに連動

 京介さんによると、制作期間はなんとたったの2日間。4月ごろから別名義でバーチャルYouTuberとしても活動をしているそうで、その際のノウハウが役立っているのだとか。入力デバイスにJoy-Conを選んだ理由は省スペースでの手軽さを優先したためで、Joy-Conを2個ではなく1個による操作にしたのも、サークルで普通に頒布作業をしているだけでバーチャル売り子がわちゃわちゃ動いてくれるようにするためだったとのこと。

 実は京介さんがサークルに展示物を設置するのは今回が初めてではなく、前回は『ひだまりスケッチ』の2次創作Androidアプリ「ひだまり荘VR」を制作。作中のアパートを3Dで再現し、VRで体験できる展示を行いました。今回バーチャル売り子には、前回制作した3Dモデルを流用したそうです。

バーチャル売り子「新刊300円です」 コミケの売り子をバーチャルにしてしまう天才が登場 去年制作した「ひだまり荘VR」。これが
バーチャル売り子「新刊300円です」 コミケの売り子をバーチャルにしてしまう天才が登場 こうなった
バーチャル売り子「新刊300円です」 コミケの売り子をバーチャルにしてしまう天才が登場 かわいい

 制作にあたって苦労した点を訪ねたところ、まずジャイロセンサーに施した工夫について教えてくれました。「Joy-Conは優秀なデバイスですが、小型なぶん精度もやや低く、ジャイロセンサーによくドリフト(静止させておいても少しずつ回転してしまう現象)が起こります」と、京介さん。そこで、回転軸のX軸、Y軸、Z軸のどの軸が一番ドリフトしにくいかを調べ、その1軸に絞って回転値を検出するようにしたのだとか。

 キャラの動きがJoy-Conときれいに連動して見えるのでなかなか気付きませんが、ジャイロセンサーからは実は上下に回転する軸からしか動きを読み取っていないのだそうです。「左右の動きはジャイロではなく、別の加速度などの値からそれっぽく動かしています」とのこと。

 もう1つこだわった点として上げられたのが、「実在感(プレゼンス)」。キャラが単に腕だけを動かしたのでは不自然になるため、体全体の動きにもこだわりがありました。あくまでも「売り子」のため、頭の向きが変わっても目だけは一般参加者のほうを向くよう設定されており、胴体や頭は同人誌の方向を少しずつ向くようにスクリプトが入れられているそうです。そんなところまで工夫されていたとは。

バーチャル売り子「新刊300円です」 コミケの売り子をバーチャルにしてしまう天才が登場 表情豊か

 今回は新刊本のページ数が予定よりも減ってしまったそうで、京介さんは「本は薄いけど、展示物で楽しんでいってもらえたら」と夏コミへの意気込みを語っていました。バーチャル売り子には、夏コミ2日目の「西る-25a」で会えます。

取材協力:京介(@KY_kyousuke)さん



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」