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» 2018年08月10日 16時15分 公開

雨にも負けず、ビッグサイトの熱気にも負けず――宮沢賢治調コミケ漫画のように、私はなりたい

原文の魅力もあって、詩がとても心にしみる。

[沓澤真二,ねとらぼ]

 オタクの気質や思いを民話などの翻案で表現する漫画、「#コミケ童話」シリーズ(関連記事)の最新作がTwitterで公開されました。今回は宮沢賢治「雨ニモマケズ」のパロディで、コミケへの参加における理想をつづっています。

  • 参考:宮沢賢治「雨ニモマケズ」(青空文庫


アイキャッチ サウイフモノニ ワタシハナリタイ

 「雨にも負けず 風にも負けず 雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫な体を持ち」……と、最初のくだりは表記法以外原文のまま。添えられた絵だけは、悪天候に耐えるコミケ参加者の様子なのがおかしい。次の一節も「欲はあり けして怒らず いつも静かに笑っている」と、原文同様……いや、もともとは「欲はなく」だったわ。


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 そして「腹にもたれぬ軽食と 夏は水分を十分とり 財布事情は勘定に入れずに」と、詩は原作のテイストを保ちつつ、いよいよコミケ参加者の事情へ寄っていきます。「りんかい線かゆりかもめで着く 大きな三角の下にいて」――原文の力もあって、東京ビッグサイトがとても詩的に聞こえる。


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 「東に推しの本あれば 行ってその新刊を買い 西に企業のグッズがあれば 行ってその列に並び」と、描写は会場内へ。原文にあった方位で、そのままビッグサイトの東ホール・西ホールを表現しているのがうまい。


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 最後の一節では「みんなに『お盆は実家』と認識され 察されず有給も取れる」と、コミケのために有給を申請する紳士の様子を表現。しかし彼は結局「コミケですよね?」と、後輩に指摘されてしまうのでした。「そういうものに 私はなりたい」……理想はなかなか遠い。


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 「ちゃんと原文をなぞっているのにストーリーも面白い」「『欲はあり』で吹いた」「オチがまさかのホラー」など、漫画は好評。なお、作者のおのでらさん(@onoderasan001)は、C94(コミックマーケット94)でも3日目(8月10日)にサークル参加するそうです。みんな「そういうもの」になれるといいですね。


作品提供:おのでらさん(@onoderasan001


(沓澤真二)


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