「死ぬ前にお前ともう一度『バキ』の話がしたい」 死期を悟った男が親友と語り合う漫画が深い

人生の終末に好きな漫画の話を交わせる――そんな友人がいることのすばらしさよ。

» 2018年09月23日 20時00分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 もしも己の死期を悟ったとき、残された時間で何をするべきか? なかなか想像できない難問です。そんな状況で、親友と大好きな漫画『バキ』シリーズについて語り合うことを選んだ男を描く漫画が、Twitterで「深い」と話題です。


アイキャッチ 長い人生で、親友と趣味について語り合う時間こそがかけがえないものだった――そう悟った男の、含蓄ある物語

 入院中の男性から連絡を受けて、病院へ駆けつけるその親友。それは40年ぶりの再会でしたが、男性がもう長くないと知っていて、口を重く開きます。「聞いたよ お前…もう長くないんだってな…」。そんな親友に、男性は「ああ… だからバキの話をしようと思ってな」と、意外な言葉を投げかけるのでした。


1P

 2人は中学時代、バキについてとことん語り合ってきた仲。会話がバキの話題で占められるあまり、「本来すべき話をできていないからバキの話はやめる」と決めたほどでした。それもあって「そんな場合ではないだろう」と反対する親友に対し、主人公は「“だからこそ”なんだ」と、話を続けます。


2P

 主人公は「するべきことは増え、残された時間は減った… そのなかで多くのものを捨て たどり着いた今だ」と、人生を回顧。今になってようやく、バキの話を語り合った時間のかけがえなさに気付いたといいます。そして“だからこそ”「死ぬ前にお前ともう一度バキの話がしたいと思った」と、淡々と語ります。


3P

 親友は涙をこらえながら、男性の頼みを受け入れることに。「安藤(玲一)さんってほとんど他のキャラとからまないけど、実際戦ったらけっこう勝てそうじゃない?」「……いや、あくまで山岳監視員で格闘者ではないし」、「(愚地)独歩って、ピークを維持できるのは今年が最後だろうって言ってからかなり強くなってるよね」「勇気出るよね」など、若かりしころのように真剣に語り合うのでした。


4P

 友情や童心の大切さ、最後に趣味の話を交わせるほどの親友がいることのすばらしさを考えさせられるこの漫画。「20年ぶりに再会した友人と、延々と『伊賀の影丸』の話をしたとき、むちゃくちゃ楽しかった」「学生時代の友人と大人になってから会うと、ふと若くなったような気がする」など、共感の声が寄せられています。

 作者のけん(@nomorehole2)さんは、「中憲人」および「紙切りくん」名義で活動中の漫画家。『別冊ヤングチャンピオン』で『みんなで辞めれば怖くない』を連載しているほか、Webメディアのオモコロにも多くの作品を寄稿しています。


作品提供:けん(@nomorehole2)さん

(沓澤真二)


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた