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» 2018年09月27日 10時30分 公開

月刊乗り鉄話題(2018年9月版):東京発・浜松工場直行 超レアな東海道新幹線「浜工新幹線」に乗ってきた 次期新幹線「N700S」も目の前に! (1/3)

あの「浜工新幹線」に乗って、東海道新幹線で1つだけのアレとかワクワクなコレを見物してきました。【写真31枚】

[杉山淳一,ねとらぼ]

 東海旅客鉄道(JR東海)が9月16日に「新幹線なるほど発見デー」を開催しました。静岡県にあるJR東海浜松工場を一般公開する人気の年次広報イベントです。

photo 2018年9月16日にJR東海浜松工場で行われた「新幹線なるほど発見デー」 ドクターイエローを真正面から見る機会も貴重

 浜松工場は東海道新幹線の車両の検査や修理を行う拠点です。検査の周期によって、車体をある程度分解し、徹底的に整備し、また組み立てるという作業もあります。だから整備場ではなく工場。東海道新幹線の開業(1964年)よりもずっと古く、1912年に官営鉄道の浜松工場として開設されました。東海道本線の蒸気機関車の修繕をするほかに、大型機関車D51形「デゴイチ」を製造した経験もあります。まさしく工場というわけですね。

 浜松工場の一般公開イベントは、1994年に「東海道新幹線開業30周年記念工場公開」として行われたことに始まります。1995年には「新幹線なるほど体験デー」となり、1996年から「新幹線なるほど発見デー」として毎年1回開催されています。

 今回の目的は浜松工場の見学のほかにもう1つ、私にとってビッグイベントがありました。それは「浜工新幹線」に乗ることです。政界の「ハマコーさん」ではありませんよ。東京発で、浜松工場へ直通運転する新幹線です。本線(営業する線路)から分岐して、工場に至る引き込み線を通ります。ふだん乗車できない線路に乗れるのです。あれ、なんだか前回と似た内容だな……。めったに乗れない線路に乗るシリーズにしちゃおうかな。

photo 東京駅発浜松工場直通の特別新幹線「通称:浜工新幹線」。車両は「N700A(ラージA)」でした
photo 駅の発車案内は「団体497」

 浜工新幹線は旅行会社のツアーパッケージとして販売されます。みどりの窓口では買えません。乗車券ではなく乗車票とお弁当の引換券が付いてきます。

 乗車票には「ひかり497号」と書かれていました。東京駅の発車案内は「団体」、車体の側面の表示器も「団体」でした。ひかり497号は修学旅行などで使われる臨時列車ですね。今回はこのダイヤを流用した列車のようです。東京・品川・新横浜でツアーに参加するお客さんを乗せた後、浜松工場に直行します。

photo ツアー参加のため、乗車券ではなく「乗車票」

楽しいな「浜工新幹線」 東海道新幹線唯一の踏切を「乗って」通過する体験も

 東京駅では乗車記念の「顔出し看板」が用意されており、新幹線車両の扉付近で記念写真を撮る親子の姿がたくさん見られました。

 このほかの乗車駅である品川駅と新横浜駅は停車時間が短いため、記念写真を撮るならば東京駅から乗りましょう。ただ、走行中の車内でも添乗スタッフが顔出し看板を持って巡回してくれます。一人旅だった私も何度か記念撮影を勧められましたが、照れくさいので駅弁の朝ごはんに集中します。

 列車は静岡・掛川・浜松駅に停車します。しかしドアは開かず、乗降はできません。掛川ではのぞみに追い越されました。

 さて、走行中の様子はふだんの東海道新幹線と同じですが、車内は違います。現役車掌さんによるお子様限定のクイズ大会が催されます。各車両のクイズチャンピオンの特典は、なんと車内放送体験。営業列車の車内で車内放送体験ができるなんて……あぁぁうらやましい!!!

 浜松駅で浜工新幹線はゆっくりとポイントを渡って進行方向右の線路に入り、上り本線を横切って停車しました。ここが「浜松駅上り2番線」と呼ばれている線路です。そう。回送列車専用の、ふだんは乗れない線路です。

photo 「浜松駅上り2番線」に到着。ここから逆向きに走る

 「進行方向が変わります。座席の向きを変えましょう」

 このアナウンスとともに乗客全員が立ち上がり、交互に椅子の向きを変えます。これも普段はない体験ですね。いよいよ工場行きの線路を走ります。スピード重視の新幹線ではあり得ない急カーブをゆっくりと走り、工場へ向かいます。

photo 窓から先頭車両が見えるほどの急カーブ

 そして、あの踏切を通過します。この踏切は東海道新幹線が自走して通過する唯一の踏切という珍しい施設。車窓からはこの列車の通過を見物する人もたくさん見えました。新幹線なるほど発見デーに来た皆さんですね。

photo 東海道新幹線で唯一という踏切を「車窓」から

 この踏切から先が工場内です。たくさんのスタッフが手を振って迎えてくれます。鉄道の制服、作業着の方々に加えて、そろいの赤いシャツ姿は来場者を案内する係の皆さんです。

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