「他と同じ名前の市」があったら紛らわしいけど、作ってもいいの?

ダメだけど、ある。

» 2019年01月09日 11時30分 公開
[QuizKnockねとらぼ]

 みなさん、年末年始に年賀状は送りましたか? ハガキなどに住所を書くときには、都道府県名を省略して、市町村名から書くことも多いです。

 そんなとき、よそと「同じ名前の市」があったら、紛らわしくて仕方がありません。うっかり郵便番号を書き忘れてしまったら郵便屋さんもパニックです。

 さて、「同じ名前の市」はあるのでしょうか? そして、作っても良いのでしょうか?


作っては「ダメ」

 かつて日本には、2つの若松市がありました。福島県若松市(現:会津若松市)と、福岡県若松市(現・北九州市)です。よりにもよって県名まで似ているこの2つの市は、よくお互いに間違えられていました。

 そこで国は、「新たに市を作るときは、既存の市と同一の市にならないよう配慮すること」という慣行を作りました。同じ名前の市ばかりできると、郵便事業などに多大な影響が及びますからね。


しかし、2つある「府中市」と「伊達市」

 ところが、実はまったく同じ名前の市は既に存在しているのです。それが「2つの府中市」と「2つの伊達市」。


府中市(広島県、東京都)



 広島県府中市は1954年3月31日に、東京都府中市は1954年4月1日に誕生しました。なんとこの両市は、1日違いで生まれてしまったのです。

 2つの府中市は、あまりにも同時期に生まれてしまったために、先ほどの慣行の例外となってしまったのです。


伊達市(北海道、福島県)

 北海道伊達市は1972年に誕生しました。一方、福島県伊達市は2006年に5町が合併してできた市です。

 府中市の例と違って、こちらは福島県の方が完全な後出しですが、なぜ同じ名前の市が許されたのでしょうか?

 福島県側としては、元の地名「伊達郡」の「伊達」を残したかったようで、総務省に「同じ名前じゃダメですか?」とあらためて聞きました。すると返事は、「北海道の伊達市がOKなら良いよ」とのこと。

 そこで北海道の伊達市に訊いてみたところ、特に異議はないとのこと。これによって無事、2つ目の「伊達市」が誕生したのです。


もちろん基本はダメ

 とは言ってもやはり伊達市の例は特別で、既に同じ名前があるために別の市名にしたパターンもあります。例えば、茨城県鹿市は、本当は鹿市にしたかったものの、既に佐賀県鹿市があったために、別の漢字を使った、という経緯があります。



 したがって、合併する前の旧・茨城県鹿島町で誕生したサッカークラブ「鹿アントラーズ」は現在茨城県鹿市に本拠地を置いているというややこしいことにもなってしまっています。


同じ名前の市町村の配慮

 同じ名前の市町村があると「府中市で○○が起こった」などのニュースで混乱してしまいます。

 そこで、地震速報などでは「東京府中市」「広島府中市」などと区別して表記されるようになっています。

制作協力

QuizKnock


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/18/news202.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの行動”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」【大谷翔平激動の2024年 「家族愛」にも集まった注目】
  2. /nl/articles/2412/20/news023.jpg 60代女性「15年通った美容師に文句を言われ……」 悩める依頼者をプロが大変身させた結末に驚きと称賛「めっちゃ若返って見える!」
  3. /nl/articles/2403/21/news088.jpg 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  4. /nl/articles/2412/21/news038.jpg 皇后さま、「菊のティアラ」に注目集まる 天皇陛下のネクタイと合わせたコーデも……【宮内庁インスタ振り返り】
  5. /nl/articles/2412/21/news056.jpg 真っ黒な“極太毛糸”をダイナミックに編み続けたら…… 予想外の完成品に驚きの声【スコットランド】
  6. /nl/articles/2412/21/news088.jpg 71歳母「若いころは沢山の男性の誘いを断った」 信じられない娘だったけど…… 当時の姿に仰天「マジで美しい」【フィリピン】
  7. /nl/articles/2412/20/news096.jpg 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
  8. /nl/articles/2412/18/news015.jpg 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
  9. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  10. /nl/articles/2412/17/news195.jpg 「ほぼ全員、父親が大物芸能人」 奇跡的な“若手俳優の集合写真”が「すごいメンツ」と再び話題 「今や全員主役級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」