俺たちの知ってるカチカチ山じゃない 漫画『絶殺うさぎとクソ鈍感たぬき』に「死ぬほど笑った」「結末が泣ける」の声
この物語はひと言で説明できない……。
たぬき「うさぎさん、この『ヴォヴォヴォーン』という音はなんだい?」――我々の知らない「かちかち山」の物語が展開する漫画『絶殺うさぎとクソ鈍感たぬき』がとにかくインパクト大でした。キャラも世界観もいろんな意味でヤバい。
うさぎによる火打ち石の「カチカチ」という音に対して疑問を持つも、「カチカチ鳥」が鳴いていると説明されて、すぐに「そっかぁ」と納得する鈍感なたぬき。ここまでは知られている展開ですが、背中で火がボウボウと燃えてもなぜか平気なたぬき……それを無の表情で確認したうさぎは、灯油のタンクを手に取り「どっぽどっぽ」とたぬきにかけます(!?)。このうさぎ、絶対に殺す気だ……!
うさぎは再び「どっぽどっぽ鳥」の鳴き声だとひねりの無い説明をし、もはや山火事を心配するほどの炎に成長。完全に誤魔化せないレベルで燃えるたぬきですが、その“鈍感”さを熱に対しても発揮。ひと言「そっかぁ」と笑顔で納得するのでした。クソ鈍感にもほどがある。
そんな余裕そうなたぬきに、うさぎは奥の手・チェーンソーを「ヴォヴォヴォーン山」の「ヴォヴォヴォーン鳥」と説明しながら持ち出しますが、やはり失敗してしまったようでたぬきの始末は“外部”に委託することに。やってきた見るからにあっち系の強面たちは「たぬき1匹海に沈める簡単な仕事だ」と話しながら、たぬきをセメントで固めて海へ――「おや?うさぎさん、今の『たぬき1匹海に沈める』って声はなんだい?」――その疑問にうさぎがどう答えたかは言うまでもありません。
“たぬき1匹海に沈める鳥”たちの力を借りて決着をつけたうさぎ。これで物語は終わりと思いきや、次のシーンでは首輪でつながれたうさぎが、強面のおじいさんに「チェーンソー振り下ろす度胸もねェうさぎには……責任とってもらわにゃならんなぁ……」と拳銃を向けられる姿が(!)。すぐに銃声が響いて死を覚悟するうさぎですが、「うさぎさん、今の『パンパン』って音はなんだい?」と銃弾を防いで現れたのは、あの鈍感なたぬきでした。なんだこの謎の胸アツ展開は……!
たぬきは「オレ…鈍感だけどさ…」と言いつつ、チェーンソーを振り下ろさなかったうさぎの行為に「うさぎさんが優しいってことはわかってるから!!」と伝えます。その言葉にうさぎは、ただ殺す度胸がなかった自分を振り返り、「なのに……君はそんなぼくを……」と涙。そして“鈍感”で言葉を聞き返すたぬきと「『ありがとう山』の『ありがとう鳥』が鳴いたんだよ……」「……そっかぁ」という会話を交わすのでした。
「2人が乗るのは沈みゆく泥船か……明日はどっちだ……」といううまいこといった感のあるナレーションがズルい!
作者は「笑うメディア クレイジー」で『幼女社長』を連載中の漫画家・藤井おでこ(@fuxxxxxroxxka)さんで、以前には漫画『硬すぎた桃太郎』でもTwitter民に衝撃を与えて話題に(関連記事)。これらの作品は昨年11月に発売された単行本『藤井おでこげきじょー』に収録されており、こちらは他にも『舞台裏 猿カニ合戦』や『おべんとうのうた』など、たくさんのタイトルが収録されたオムニバスギャグ漫画となっています。
Twitterでは「死ぬほど笑った」「すげえ面白い」といった声から、「衝撃のラスト」「結末が泣ける」とまさかのオチに驚きつつも気づいたら感動していたという声も寄せられ、元のお話と違うところから物語を考察・妄想する声も上がる反響を呼んでいます。
画像提供:藤井おでこ(@fuxxxxxroxxka)さん
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