ラブホの壁一面に寿司、照明にも寿司、床にも寿司 奇抜な寿司コンセプトの部屋に「逆に行きたい」の声
なぜこんな部屋が……? 経営するSARAグループ担当者に取材しました。
ラブホテルの一室にもかかわらず、壁一面に寿司盛りのサンプルが飾ってある。ベッドに寝っ転がるとペンダントライトの中にぎっしり寿司のフィギュアが……! そんな寿司をコンセプトにしたラブホ部屋があった、という写真がTwitterで人々の好奇心をくすぐっています。ムードとかいいからレジャー感覚で入ってみたくなる。
注目を集めているのは、関東圏を中心に展開しているラブホテル「SARA」グループの1つ、「SARA川越」(埼玉・川越)にある部屋「江戸前SU・SHI ラグジュアリー」。
和風モダンな一室の壁には、マグロ、エビ、サーモン、イカ、玉子、鉄火巻などさまざまな寿司のサンプルが寿司桶とともにずらり。ソファ前のガラステーブルの中にも、寿司下駄と寿司1人前のサンプルが1セット、ご丁寧にお椀とおしぼり付きで配されています。ベッドに寝転ぶと、今度は吊り照明の中に大量の寿司ネタが並んでいる……というか照明の傘も、よく見ると寿司桶。床のはめ込みガラスの中にも寿司が。和がテーマとはいえ、ラブホテルの本質まで壊しかねない、というかおそらく破壊しきっているコンセプトの振り切りっぷりが痛快です。
Twitterではあるユーザーが室内の写真を「コンセプトのラブホ意味分かんなすぎてクソ笑ったわ!」と投稿したところ、2000件近くリツイートされるなど一部で話題に。「行ってみたいですw」「お茶吹きました」「お寿司好きにはたまらないww」と、共感や興味を抱く声が寄せられています。
どうしてこんなとんでも部屋をデザインしたのか――SARAグループの広報担当者に取材しました。
ホテル「SARA川越」は2017年6月に“小江戸川越”をテーマにオープン。川越は江戸時代に栄えた城下町の1つとして知られており、同ホテルでもその歴史的背景に沿って、「茶の道」「書の道」「招き猫」「枯山水」「古伊万里」「大正パンク」など和をコンセプトにした部屋を29種類備えているのだといいます。
ガラステーブルに忍刀や手裏剣などのオブジェを配した「忍者の里」、遊郭の豪華絢爛さをイメージした「花魁」など、奇抜な部屋はいろいろありますが、中でも特に異質なのが「江戸前SU・SHI ラグジュアリー」だったと担当者。
「そもそもSARA川越は外国人客もターゲットにしているので、『江戸前SU・SHI ラグジュアリー』のように和に振り切ったお部屋も存在しているところがあります。日本人のお客様からすると驚くかもしれませんが、海外のお客様には人気ですし、帰国後に、日本でとても良い思い出と体験ができたとお礼のはがきを数多く頂戴しております。ラブホテルとして使う際、果たしていいムードになれるかはこちらとしても疑問ではありますけど……(笑)」
そもそもSARAグループでは他のホテルがやらないような飛び抜けたデザインを探求してきたとのこと。3年前に東京・錦糸町にオープンした「SARA錦糸町」は、「教室」「電車」「診察室」「セレブキッチン」など斬新なコンセプトルームを43種類そろえてオープン。講談社の英会話教材に日本のラブホテルカルチャーの一例として掲載されたり、イタリアの国営放送や、NHKをはじめとする各テレビ局から取材を受けたり、画期的なラブホテルとして取り上げられてきました。
「その攻めの姿勢から生まれた1つがお寿司のお部屋です。今回SNSを通して国内外で反響をもらえるのはうれしいですね。SARAホテルではこのように驚きや遊び心を提供していますが、一方で沖縄やバリをイメージした『バニラリゾート』など、癒やしやくつろぎ空間に特化したホテルも展開しています。それぞれ好みにあったホテルを楽しんでいただけたら幸いです」
ちなみにSARAグループで特に人気のコンセプトルームは、「教室」「診察室」「社長室」などシチュエーションがわかりやすいものだそうです。
(黒木貴啓)
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「そこのきれいなホテルと、あっちの汚いホテルならどっちがいい?」
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