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架電方式で1番ゲージが走る――原鉄道模型博物館に行ってきました(1/3 ページ)

横浜にある横浜三井ビルディングに、原信太郎氏が収集した鉄道模型を展示する「原鉄道模型博物館」が7月10日に開館する。そ、そんなに興味ないんだからね!

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原信太郎氏

 原信太郎氏。“その筋”の人にはかなり有名な方である。1919年に東京・芝に生まれた原氏は、小学生の時から鉄道模型を作り始め、93歳になる現在も作り続けているという。作るだけでなく、海外の鉄道模型を収集しており、その数は約6000両。それだけではなく、世界380カ国を訪れて、残した写真は約10万枚。そしてムービーフィルムでは16ミリ、8ミリ、VTR合わせて約440時間分。鉄道関連の蔵書数もかなりの数にのぼるのだという。そんな原氏のコレクションを集めて展示する博物館が、横浜駅近くの横浜三井ビルディングにオープンする。

 ……という堅い語り口調から始めてみたのですが、正直言ってですね、当初はあまり興味がなかったんですよ。わたしも鉄道模型は好きで集めているのですが、海外モノってあまりねー、みたいな。やっぱり身近にある日本の鉄道が一番ですわ、と。この博物館に集められているのは“1番ゲージ”という規格のもの。1番ゲージとは軌道幅45ミリで作られた大型の鉄道模型。大宮にある鉄道博物館でもこのサイズのものが展示されていたりするので、見たことがある人も多いでしょう。

 そんな“ナナメ45度”な感じで内覧会に行ったんですが、やはりその、存在感あふれるスケールの鉄道模型がずらっと並んでいるのは圧巻で、次第にテンションが上がってきました。最後の1番ゲージジオラマはすごい! さすが“世界最大級”を名乗るだけありました。

 ちなみにここでは、原氏が収蔵する模型から2500両を借り受け、そのうち1000両を常設展示しているとか。広報によると、原氏のコレクションはヨーロッパのものが多いそうですが、ここで展示している車両は半数を日本の車両にし、あとはヨーロッパの車両を30%、アメリカの車両を20%という割合にして、日本のものを多く展示するようにしたそうです。博物館のフロアは大まかに4つに区切られていますので、順を追ってご紹介しましょう。

すっきりとしたエントランス

原模型の神髄を知る――「第一展示室」

 エントランスを過ぎると、まずは第一展示室となります。そこには原氏が製作した1番ゲージがずらっと並んでいます。驚くのは、原氏が小学6年生の時に初めて作ったという「一号電気機関車」。車輪まで精巧に作られているその模型は、小学生が作ったものとはとても思えません。そのほかにも箱根登山鉄道、金剛山電気鉄道といった車両が展示されています。原氏の鉄道模型作りに対する思いに触れる気がします。

第一展示室
小学6年生の時に作った一号電気機関車。作成当初からは手が加えられているそうですが、それにしてもこの完成度はびっくりです。ボディは家の屋根を修理した余り材で作られています
金剛山電気鉄道22号。台車だけでなく、車両の窓枠、ライトに至るまで精巧に作られています

中学生、つまり第2次世界大戦中の物不足の時代に作られた「自由形貨車」。ノリの空き缶や端切れ板で作ったそうですが、リベット打ち出し機を使って、リアルな再現を試みています
「或る列車」というタイトルの車両。私鉄・九州鉄道(のちに国有化。現JR九州)が購入したものの、国有化によって一度も営業運転されないまま各地に分散した車両。原氏が少年時代に品川操車場で見た車両を再現しています

オリエント急行。外観はもちろんですが、その内部まで細かく作られています

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