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好きな文具を手描きで100ページ紹介 小6が自由研究で作った「文房具図鑑」、内容すごすぎて書籍化される

イラストと文章で文房具を1点1点紹介……商品として成立するのも納得の図鑑!

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 ネットやテレビで「クオリティが高い」と話題になった、小学6年生が夏休みの宿題で作った文房具図鑑。3月25日に京都府の出版社・いろは出版から書籍として出版されることになりました。全国の大型書店やヴィレッジヴァンガードなどの雑貨店で販売されます。小6にして書籍デビュー、すごすぎる。


文房具図鑑 夏休みの宿題「文房具図鑑」の表紙。「その文具のいい所から悪い所まで最強解説」、うむ、いい姿勢だ

文房具図鑑 イラストも丁寧だし、解説も自分の感想まじえながらも分かりやすい内容に

 文房具図鑑は、小学6年生の山本健太郎くんが夏休みの自由研究として、自身のお気に入りの文房具を手描きの文とイラストで100ページにまとめた図鑑。ボールペンやシャープペンシル、消しゴム、メモ帳、ノートなど、あらゆる文房具を130点以上、1点1点丁寧なイラストともに特徴を紹介しています。


文房具図鑑 紹介文が小学生離れしたうまさで、個人的にライターとして嫉妬覚えました。「ペンの先が使いすぎてクニャッ! となってしまうが、逆にそれが紙にフィットして使いやすいなんてことはないであろうか。私はよくある。そのフィット感を見事に作ったのがこのジャストフィットだ」とか、将来有望すぎる……!

 単に小学生ならでの手作り感にほっこりするだけでなく、「インクがこくていい」「書き味がおもい」など、どの解説も実際に使った上でのレビューや引用データがあって参考になります。図解の隣にそのペンを使った試し書きがあったり、消しゴムの消しカスをテープで貼り付けたりと、文房具の性能がめちゃくちゃわかりやすい!

 漢字の書き間違い、唐突に始まるクイズコーナーと、小学生らしいミスや発想も満載。大人が作ろうとしても出せないユーモアに富んでおり、文房具というアナログのぬくもりを倍増させています。


文房具図鑑 唐突にクイズコーナー始まる、「好きで書いてんだから何しても良い」感も最高

 出版までの経緯は次の通り。山本くんが近所の文房具店(「たんたん」というお店)に図鑑を見せに行ったところ、お店の人が「これはすごい」と知り合いの文房具ライター・きだてたくさんに連絡。きだてさんが「本当に読み応えたっぷりで素晴らしい」と、10月20日にネットメディア「デイリーポータルZ」で取材記事を書きました。これをきっかけにネットで話題になり、11月3日にはTBSの朝の情報番組にまで取り上げられることに。

 「記事が上がった当日に『すごいなこれ』と思って、きだてさんに連絡しました」と、書籍化が決まったいろは出版の担当者。文房具図鑑へ抱いた感想は「もはや悔しい。小学生に負けてるなと思いました。周りでも同じような感想を持った人が多く、現在やりとりしてるイラストレーターやデザイナーも『これは魂が込められてる、すばらしい』と絶賛。プロ顔負けです」と、内容を賞賛しています。

 書籍は、山本くんが手作りしたものと基本的に変わらない内容。商品名の間違えを正すなど一部修正があるほか、メーカーからのコメントも入ったりするそうです。価格については、宿題では「定価 本体3兆円 +税」ととんでもない値段が書かれていましたが、ただいま検討中とのこと。山本くんの文房具愛は価格が付けられないほど価値がありますが、みんなで読めるお手頃な値段でお願いします……!


黒木貴啓


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