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自閉症の人たちは普段どんな世界を見ている? イギリス自閉症協会が動画を公開

まずは知ることから。

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 イギリスの自閉症協会(The National Autistic Society)が3月31日に、自閉症の子どもが見ている世界を再現した動画を公開しました。

 自閉症は約500人に1人、症状が軽い人も含めると約100人に1人いるといわれています。

 一般社団法人日本自閉症協会によると「自閉症」の特徴としては、代表的なものとして、対人関係の困難さ、言語やコミュニケーションの困難さ、反復的で常同的な行動や活動、こだわりや限定的な興味を持つ、想像力を働かせることの困難さ、感覚が過敏または鈍感であるなどの偏りがある――などがあげられます。

※1人1人その特性や現れ方の強さが異なります。

 そのような自閉症の人は、例えば、困っていたり助けてほしいということがうまく伝えられなかったり、嫌なことをさせられているとき、いつもと違う状況が起きたとき、強い刺激を感じたときなどに、自分をコントロールすることができない「メルトダウン(パニック)」という状態に陥ることがあります。

 今回の動画は、メルトダウンしてしまうまでの状況がよくわかる動画となっています。


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※映像内にはフラッシュが点滅するような場面などがありますのでご注意ください。


画像 お気に入りの人形を持った男の子が、ショッピングセンターにお母さんと訪れます

画像 カラフルな乗り物おもちゃが目に入ります

画像 誰かの靴ひもがほどけていることが気になる

画像 人の服の柄にも注目

画像 ビニールバッグの色、こすれる音

画像 ジュースをすする音がクローズアップされる

 私たちの目に入っても、何気なくやり過ごしてしまうこと、音や色、何かの動きなどが、フラッシュのように次々と不快な波としてどっと押し寄せてしまうことでメルトダウンしてしまいます。

 この動画を公開したThe National Autistic Societyは、メルトダウンをした場合、落ち着くまでに時間がかかること、その人にとって静かで明るい光がない安全な場所を作るのが必要なこと(大音量の音楽や明るい光から遠ざける)、自分自身が大量の情報が与えられてパニックになってしまった状態がメルトダウンと似ていることを想像するなど、周囲の理解も大切だと伝えています。

 ショッピングモールなどで、もしパニックになっている子どもがいたら、それはもしかしたら、メルトダウンの状態かもしれません。決してしつけができていないわけではないのです。「自閉症」について、1人でも多くの人に理解が広がることを願ってやみません。


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