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【動画】1500円でバク転できるようになる? 1日でどこまでできるか、編集部の記者が「バク転教室」を体験

補助付きなら数回に1回は成功できるように。

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 経験や年齢を問わず、“バク転”ができるようになる教室が東京にあります。身体がかなり硬い女性記者と、運動神経があんまりよろしくない男性記者が1日でどこまでできるようになるのか体験してきました。


バク転教室 バク転を体験する編集部の黒木記者

教室があるのは倉庫の一室

 東武東上線・ときわ台駅からバスで7分。そこから徒歩5分ほどの倉庫街に、「バク転教室」はひっそりとあります。教室には事前予約が必要なので、連絡してみたところ平日20時からのクラスで予約が完了。当日は倉庫前にチラホラと体験者が集まっていました。


バク転教室 教室のある倉庫。ぱっと見通り過ぎてしまいそう

 無機質な外観とは裏腹に中に入ってみると倉庫の中には大きなトランポリンやロンダート(床技)用の踏切板などが置かれており、まさに本格体操教室といった感じです。


バク転教室 準備運動に余念のない黒木記者

バク転教室 黒木記者「ケガだめ、絶対」

 まずは同行してくれた黒木貴啓記者とともに、注意事項を読みました。その後必要書類にサインして受付完了、準備運動をして待ちます。当日は20代の私たちを含めて15人程度の新規体験希望者がおり、未就学児から40代以上と思われるおじさんもいました。

いざ、バク転体験へ

 体験に先駆け、バク転教室の大関真悟先生から注意事項の確認と、人体模型を使っての「バク転の原理」の説明を受けます。


バク転教室 バク転の流れを説明する大関先生

バク転教室 この人形を使って体の動かし方を学ぶ

 バク転の正式名称は、後方倒立回転飛び。直立姿勢から床と平行に腕をあげてそこから腰を落とし、両腕を身体の後方まで振ります。両足で地面を後方に向けて強く蹴り、同時に両腕を一気に耳の後ろまで振り上げ、その反動で飛び上がります。回転状態から両手で地面を支えつつ、両足で着地すればバク転成功。とりあえず原理は分かった気がします。。


バク転教室バク転教室 まずはロンダート用の板でジャンプ練習

 一連の流れについて、まずは大きくジャンプする感覚を身につけるため、ロンダート用の弾力のある床で練習をしていきます。お腹とお尻に力をギュッと入れ、全身を使って大きく飛ぶことがポイントなのですが、ロンダート用の板は軽いトランポリンのようなものなので、初体験の私たちにはバランスをとることすら難しかったです。


バク転教室 真ん中を続けて飛ぶのは難しい

 続いて腕の振りからジャンプまでの通し練習をしてから、専用クッションを使って後方にジャンプする練習をしていきます。高さ100センチ程度の四角いクッションに全力でジャンプするのですが、見えない後方に思い切りジャンプするのは想像以上の恐怖です。


バク転教室 このクッションを使ってのジャンプ練習に移る

 後方にジャンプしなくてはならないのに、垂直飛びになってしまったり、脚がきれいに上がらなかったりと悪戦苦闘。「頭では分かっていても、体がうまく動かない」と、筋がいい方でも4〜5回はトライしていました。


バク転教室バク転教室 黒木記者が挑戦。真上に飛んでしまって失敗

バク転教室 後ろに大きく飛べれば

バク転教室 成功!

 クッションでのジャンプ練習が終わったらいよいよトランポリンでの本格練習です。この練習では天井からつり下げられたロープ状の補助器具を腰に取り付けて、バク転に挑戦します。


バク転教室バク転教室 腰に補助器具を装着

バク転教室バク転教室 はじめは先生が回してくれる。同時に目も回る

 最初はジャンプの瞬間に大関先生が体を回してくれるのですが、トランポリンの弾力にビビッてしまうので、全力ジャンプがなかなかできません。また体が回転すること自体にも慣れていないので、目が回ります。これ、本当にできるようになるのかしら……。


バク転教室 腕が曲がってしまったり

バク転教室 体の重心が傾いたり

バク転教室 補助なしで回るのは難しい

 その後はほとんど自力でのジャンプにトライしていきます。とはいえ、ジャンプの瞬間に補助器具を強く引いてもらうことによって、何とか飛べているという感じです。ここからはひたすら数をこなして精度を高めていく練習を続けます。


バク転教室 筆者も挑戦

バク転教室 ジャンプ力が足りないけれども

バク転教室 補助器があるのでなんとか

バク転教室 地面を見る余裕も出てきて、コツをつかんできた

 順番待ちの間、同じグループだったイケメンの中谷さんと美人な浅倉さんにお話をうかがいました。「テレビで見て来てみたけど、やってみると難しい」と話す浅倉さんは23歳。

 浅倉さんの友人で一緒に来ていた24歳の中谷さんは「どんな感じかなと思って来てみましたが、普段運動しないので難しいですね」と話しつつ、「バク転ができるようになったら、忘年会などで披露してみたいです」と笑顔を見せてくれました。


バク転教室 基本理念はこの3つ

 このあと練習すること3時間。大関先生によるアドバイス「心構え、素直になる、思いっきり」を守りつつ、何度もトライしていると、補助器具つきなら数回に1回は成功するようになってきました。

 ジャンプの思い切りと、腕の勢いがポイント。これがうまくいくと上手に回転できました。


バク転教室 基本姿勢から

バク転教室 一気にジャンプして

バク転教室 地面を手で支える

バク転教室 そこから体を反らせて

バク転教室 着地!

 黒木記者も思い切りよくジャンプすることのコツをつかみ、腕や足を曲げずにジャンプできるようになってきました。しかし、今回はここでタイムアップ。マットや床を使っての練習は次回以降に持ち越しとなりました。

 それでも運動神経のよろしくない私たちが1日3時間の練習で補助器具付きならバク転できるようになったというのはかなりスゴイ進歩だと感じました。

黒木記者のバク転。ここまでできるようになった

「バク転教室」開講のきっかけは、結婚式での鼻骨骨折

 なぜ「バク転」に特化した体操教室を開いたのか、日本クリード体操部・監督兼選手の大関先生にお話を伺いました。


バク転教室 日本クリード体操部の大関真悟先生

――なぜバク転教室を開いたのですか

大関先生友人の結婚式でバク転を披露した際に鼻を折ったのがきっかけです。中学生の時にできていたからと、余興でバク転を披露して大失敗。その後、悔しくて悔しくて体操教室に通おうとしたりしたのですが、体操教室ってしきいが高いんですよね。それにバク転をメインにしている教室は当時ありませんでしたから、それなら自分でやってみようと始めました。

――結婚式で大ケガとのことですが、大関先生の体操経験は

大関先生全くありません。素人ですし、大人になってから体操を勉強してここまで来ました。

――それはスゴイですね! 今までに何人くらい習いに来ましたか

大関先生総会員数は1万8000人くらいです。今日も新規の方に来ていただいていますが、大体1日10人〜20人くらい来ていただいてますね。中には俳優さんや人気アイドルグループの方もいらっしゃいましたよ。

――プロも練習に来るんですね。年齢層も幅広い印象です

大関先生下は4歳から上は72歳の方まで来ていただいています。

――70代でもバク転できるんですか……!

大関先生できますよ。その方は手を痛めるのが心配とのことだったので、週1で半年通ってバク宙できるようになりました。(もともと習っていた)ヒップホップダンスに取り入れていただいているみたいです。

――それはスゴイ! 普通の体操教室だと、まずは柔軟の練習をしてからブリッジの練習をし……というようにバク転するまでにかなり時間がかかると思うのですが、こちらではどの位でできるようになりますか

大関先生やっぱり個人差がありますね。プライベートレッスンもやっているので、そっちなら30分でできる方もいますし。平均的には6、7回でできるようになる方が多いですかね。

――体験してみて感じたのは、「逆上がりをする」「自転車をこぐ」などと同じようにバク転も“コツ”なのかなと感じました

大関先生そうです。バク転に関しては柔軟力などもあまり関係ありませんし、本当にコツです。「床が見えない」というのは結構な恐怖なんですが、慣れてくれば早く床を見ることができるので、体が縮こまらずにジャンプできます。そうすれば成功率があがります。

――大人は1500円と料金もお手軽ですよね

大関先生体操教室の多くでは入会金が必要ですが、うちでは必要ありません。大人1500円、お子さま1000円で1日体験できますし、本当に気軽に体験して頂けると思います。

――お手軽とはいえ、なぜこれだかけの人がバク転を習いに来るのでしょうか

大関先生やっぱりバク転って男のロマンだと思うんですよね。男性は誰しもヒーロー願望があるっていうか、カッコいいじゃないですかバク転できたら。あと最近はSNSにバク転動画をアップしたいという理由から体験に見える方もいらっしゃいますよ。カッコをつけたいとか不純な動機でも全然良いんです。まずはバク転の感覚を体験してみてほしいと思います。


 またバク転をクリアした生徒はその後、どうするのかと聞いてみるとロンダートなど新たな技に挑む人が多いとのこと。さらに現在はバク転教室の体験者から優秀な生徒を見つけ出して育成する活動も行っており、2016年タンブリングDMT世界選手権(年齢別11歳・女子)のタンブリング種目では世界チャンピオンも誕生しました。

 またバク転の失敗から生まれた「感性を持って謝るクラス」では、バク転を絡めた土下座技の動画を公開。バク転をきっかけにさまざまな可能性が生まれているようです。

感性を持って謝るクラス

 久々に体を動かした筆者と黒木記者。体験後、「やっぱり運動っていいですね」「また来たいね」とバスで揺られつつ、心地よい筋肉痛を感じて帰路についたのでした。

(Kikka)

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