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読字学習によって、脳が自ら再編成を行うことが科学誌「サイエンス・アドバンシーズ」に掲載された論文で明らかにされました。
これまで読み書き学習による脳の変化は、新しい課題に適応する部分である外層部にのみ起こると仮定されてきましたが、変容する部分は大脳皮質という深層部であることも分かりました。
非識字率約39%のインドで行われた実験に参加した30代の女性たちは、貧しさから教育を受けられず母語ヒンディー語の単語が1つも読めない人が大半。しかし6カ月間の訓練で小学1年生と同等のレベルにまで書けるようになりました。
同論文の主執筆者のファルク・ヒュッティヒ氏は「この成長は著しいものです。大人の脳が驚くほど柔軟性があると明らかになりました」とコメント。
この研究は脳の仕組みを解明するばかりではなく、文字の読み書きに困難がある学習障害「ディスレクシア(失読症)」の治療に役立てられると期待されています。
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