ガンプラ初心者が手に入れておきたいホビー工具の中でも、ゲート処理やエッジ出しに欠かせない「ヤスリ」のおすすめを紹介します。
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コロナ禍で店舗の棚からガンプラが一斉に消えた時期は過ぎ、バンダイの新工場が稼働開始するなどの増産に向けた動きもあり、近頃では再販品を中心に店頭在庫も充実、ガンプラは再び身近なものとなってきました。人気商品や限定品、レアキットはまだまだ入手困難ではありますが、今はまさにガンプラに再び手を出すチャンスではないでしょうか。
今回は、ガンプラ初心者が手に入れておきたいホビー工具の中でも、ゲート処理やエッジ出しには欠かせない「ヤスリ」のおすすめを紹介します。

「白化」対策で美しいゲート処理を
ガンプラのパーツはランナーから切り離す際、接続部分だった「ゲート跡」がパーツ表面に残ります。このゲート跡をそのままにしておくと見た目が損なわれるため、処理が必要です。
厄介なのが、ゲート跡を処理する際にパーツの切断面が白く変色してしまう「白化」という現象です。これはプラスチック樹脂に強い力(応力)が加わることで内部の分子構造が変化し、光が乱反射して白っぽく見えるために起こります。特にニッパーの刃をパーツ本体に食い込ませるように切ると応力が集中しやすく、白化の主な原因となります。
ゲート処理には主に「ニッパーの2度切り」「デザインナイフ」「ヤスリ」の3つの方法があり、それぞれの特徴を理解して組み合わせることが、白化を抑えたきれいな仕上がりへの近道です。
最も基本となるのが、ニッパーを使った「2度切り」です。まず1度目は、ランナーからパーツを切り離す際、ゲートから少し離した位置で大まかに切断します。この段階ではパーツ側にゲートの根元を多めに残しておくのがポイントです。そして2度目に、パーツギリギリの位置で残ったゲートを薄く切り落とします。この際、刃をパーツ表面に対してできるだけ平行に当て、力をパーツから逃がす方向にかけるように意識すると、応力が一点に集中しにくくなり白化を抑えられます。片刃タイプのニッパーであれば、平らな面をパーツ側に向けて使うと、よりきれいな切断面になります。ただし2度切りだけで白化を完全にゼロにするのは難しいため、目立つ部分は後述のヤスリなどで仕上げるのが基本の流れです。
ニッパーで2度切りをしたあと、さらに残ったわずかなゲート跡を整えるのに向いているのがデザインナイフです。刃を立てて削るのではなく、パーツの表面に沿うように刃を寝かせて滑らせ、薄く少しずつ削っていくのがコツです。一度に厚く削ろうとすると、逆にパーツが欠けたり新たな白化を招いたりする原因になるため注意が必要です。特に曲面のパーツや、ニッパーやヤスリが入り込みにくい細かい部分の処理に適しています。仕上がりのきれいさは刃の切れ味に大きく左右されるため、切れ味が落ちたと感じたらこまめに刃を交換することが、白化を防ぐうえでも重要です。

最後の仕上げとして活躍するのがヤスリです。ニッパーやデザインナイフで大まかにゲートを落としたあと、ヤスリで表面を整えることで、残った段差やわずかな白化を目立たなくしていきます。荒目から中目、細目へと番手を段階的に変えながら磨いていくと、傷を残さずに滑らかな仕上がりに近づけられます。力を入れすぎず、一定方向に軽くなでるように動かすのがコツで、往復させてこすると逆に細かい傷が増えてしまうので注意しましょう。パーツが曲面の場合は、棒状のヤスリよりも表面が柔軟に沿うスポンジヤスリのようなタイプが向いています。ヤスリがけのあとは削りカスを軽く拭き取ってから、次の工程に進むようにしましょう。
汎用性が高い定番のスポンジヤスリ|ゴッドハンド 神ヤス!

ヤスリがけの定番として真っ先に名前が挙がるのが、ゴッドハンドの「神ヤス!」です。布ヤスリをスポンジに貼り付けた構造で、紙ヤスリと違い曲面にもしなやかに追従しつつ、平面出しにも使えるという汎用性の高さが特長です。厚み1mm・2mm・3mm・5mm・10mmの5展開、番手も120番から10000番まで幅広くラインナップされており、用途に応じて選べます。
初心者がまずそろえるなら、「5mm厚 3種類セットA」(120番・240番・400番)と「5mm厚 3種類セットB」(600番・800番・1000番)の2セットがおすすめです。セットAの粗い番手でゲート跡の段差や大きめの白化を削り落とし、セットBの細かい番手で表面を整えていくことで、荒削りから仕上げまでを一通りカバーできます。5mm厚はしなりにくく、平面的にヤスる作業に向いています。
どちらも切削力が長持ちする布ヤスリを採用しているためコスパに優れ、番手ごとにスポンジの色とプリントで見分けがつくのも扱いやすいポイントです。プリントにはにじみにくいインクが使われており、水研ぎでも番手表示が消えにくいよう配慮されています。
力を入れすぎず一定方向に軽くなでるように動かすのが基本の使い方で、120番→240番→400番→600番→800番→1000番と段階的に目を細かくしていくことで、ニッパーやデザインナイフでは残りやすいゲート跡の白化も目立たなくできます。105×20mmとコンパクトなサイズなので、細かいパーツの作業にも取り回しやすい点も、初心者に向いている理由の一つです。
筆者はヤスリ本体の持ちやすさから、厚めの10mm厚の「3種セットB」(600番・800番・1000番の各4枚入)を2度切りできれいにならなかった際などに使用していますが、こちらのゴッドハンド直販サイトでの価格は660円(税込)となっています。
削りながら断面の状態を目視で確認|Sachiプラモ VERTヤスリ Type-S

仕上げ用としてもう一つ紹介したいのが、Sachiプラモの「VERTヤスリ Type-S」です。神ヤスのような布・スポンジ系のヤスリとは異なり、強化ガラス製の「ガラスヤスリ」で、極細の目立てにより非常に滑らかな仕上がりが得られるのが特徴です。Type-Sはプロモデラーとの共同開発品で、本体、洗浄用ブラシ、削りカス吸着マット(粘着シート)×4、光沢調整用スポンジヤスリの5点セットとして展開されています。
最大の特徴は素材が透明なガラス製であること。削りながら断面の状態をそのまま目視で確認できるため、白化や削りすぎを防ぎながら微調整しやすいのが利点です。また紙や布のヤスリと違って目詰まりしにくく、水洗いすればそのまま繰り返し使える耐久性も備えています。さびる心配もなく、長く使えるコスパの良さもポイントです。
狭い部分にも入り込みやすい細身の形状で、5mm厚や10mm厚の神ヤスでは届きにくい入り組んだ部分や、クリアパーツの繊細な処理に向いています。粗削り~中仕上げは神ヤスで済ませ、最終的な白化の消し込みや光沢の均しにVERTヤスリを使う、という使い分けをすると、それぞれの得意分野を活かせます。
筆者も最近、こちらのガラスヤスリを入手して使用し始めました。上記したように、断面を確認しながら削ることができるので、安心して気持ちよくヤスリがけできる点が気に入っています。SACHIプラモ公式サイトでの販売価格は2320円となっています。
なお、ガラスヤスリは、爪磨き用のものが100均などでも入手できるので、そちらで使用感を試したのちに、細かい部分まで快適にヤスリがけできる、こちらの製品を購入するのもいでしょう。
「紙ヤスリ」の定番ロングセラー|タミヤ フィニッシングペーパー(仕上げセット)

紙ヤスリでの仕上げにこだわりたいモデラーに使ってみてほしいのが、タミヤの「フィニッシングペーパー(仕上げセット)」です。シリコンカーバイト(炭化ケイ素)を使用した高品質なサンドペーパーで、特殊加工により目詰まりしにくく、空研ぎ・水研ぎのどちらにも対応します。柔らかい紙質で手やあて板になじみやすいのも扱いやすいポイントです。
セット内容はP1200番×1枚、P1500番×2枚、P2000番×2枚の計5枚で、いずれも非常に細かい番手で構成されています。神ヤスの5mm厚セットBが600~1000番程度でカバーするので、こちらを一段細かい仕上げ専用として持つのも良いでしょう。ゲート跡の白化そのものを削り落とす工程よりも、神ヤスやVERTヤスリでひと通り整えたあとの最終仕上げ、あるいは塗装面の下地磨きに向いています。
紙製ならではの薄さとしなやかさで、平面・曲面問わず密着させやすく、細かい番手を段階的に使い分けることで、表面のツヤや滑らかさを追い込んでいけます。水研ぎで使えば削りカスも流しやすく、仕上がりの均一性も高めやすい点が魅力です。
タミヤの耐水ペーパーは、筆者の少年時代から「水ペーパー」の愛称で親しまれてきた紙ヤスリです。当時はガラスヤスリやスポンジヤスリなどは一般的ではなく、大まかに削るには鉄製のヤスリ、あとはもうこちらの水ペーパーを使用するしかありませんでした。「フィニッシングペーパー(仕上げセット)」のタミヤ公式サイト価格は330円と安価ですので、是非持っておきたいところです。
