統治の孵化
何世紀もの間,ほとんどの人々は大蛇が単なる「蛇に手足のついたもの」だと考えていた。何の感情もなく,人々を殺す者たちだと。
しかし実際は,大蛇は単なる狩人にすぎず,外界の者たちを踏み込ませないよう守っているだけなのだ。
神河に生きるものすべての中でも,大蛇はおそらくもっとも神と調和していた者たちだろう。
神の乱が始まったとき,大蛇は落胆していた。最初は自分たちが崇拝していた自然の精に対し武器をとって戦うことを拒み,一方的な殺戮に身をまかせていただけだった。
彼らは何が起こったのか,なぜそんなことになったのかを理解できなかったが,その原因が自分たちの森の外にあることには気付いていた
そして,"すず恵"という名の誇り高い頑固者がすべてを変えた。
すず恵は身ごもったまま樹海を離れ,神の怒りの理由を求めて旅立った。彼女は翁神社を訪ね,そこで知恵ある"道三"という老僧と出会い,ゆっくりと人類と会話するすべを学んでいった。
その後数ヶ月にわたり,すず恵は翁神社と大蛇の住処を行き来する生活を送った。彼女の子が孵ったとき,その中に"せし郎"という男の子がいた。
時を経て,すず恵はこの若者を翁神社へ連れて行き,彼女が道三と神の怒りについて論じている間,彼は他の僧と格闘技を学んでいった。
それから一年後,すず恵とせし郎,そして年老いた僧は森の中で"腐敗の神"の襲撃を受けた。
せし郎は道三の命を救うことができたが,すず恵は致命的な怪我を負ってしまう。若き戦士は住処に帰り,仲間と行動をともにすることを誓った。
せし郎は戦いの儀式を経てあっという間に大蛇の階級をのぼり詰め,巫に予言された通りの「育み主」になった。
一族はせし郎の指揮のもとで繁栄を続け,森の人々とも交流を始めた。
せし郎の子の中で最も強かった"そう介"は樫族の長になり,最も賢かった"さ千"は桜族を率いることとなった。
すず恵の勇気は大蛇の一族の運命を大きく変え,繁栄を築いたのである。
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