次世代機見据えてSNシステムが日本事務所設立

2003年4月22日

　ゲーム開発ツールメーカーの英・SNシステムズは4月22日，都内のホテルにおいて日本事務所の開設（5月）と国内市場における展開を明らかにした。

　日本事務所代表となる大野智弘氏らの説明によれば，同社はコンシューマーゲーム機向け開発ツール専業の企業で，欧州で75％・米国で65％のシェアを持つという（ワールドワイドで4000人以上のユーザー）。

　日本でのシェアはまだ20％しかないものの，昨年度1年間で日本市場における販売ライセンス数は前年比463％にもなり，その急成長を受けての日本事務所設立となった。2005年には70％のシェア獲得を目標としている。

　しかし，大野氏は日本事務所設立の理由として，日本市場の縮小など“ゲーム市場の国際化”，また海外企業の日本進出といった“コスト競争の激化”といった業界・市場推移への対応がポイントだと説明。

　さらに「次世代ゲーム機に焦点を当てた（日本のメーカーなどとの）関係作り，顧客基盤作り必要性があるため」（大野氏）とも話す。こうした理由から日本事務所は独立した部門とはせずに，英国本社の各部門（技術・営業など）に直接組み込まれた形での活動を行うとする。

　同社ツールの1つ「Tuner」のデモも行われたが，実際にプログラムビヘイビアをキャプチャ・ビジュアル化してボトルネックなどを除去しやすいという使いやすいもの。日本国内ではNGC，丸紅ソリューション（GC用のみ），Qualiceから購入できる。また，日本事務所の設立に伴い，ほかの代理店との契約も勧めていくという。

　今回，メガドライブ時代からの関係があるセガとも技術提携し，次世代ゲーム機の開発環境を視野に入れた協力関係を構築することも発表された。

　壇上に立ったセガの開発本部執行役員・森下英昭氏は，ユーザーとしては日本国内でもサポートしてくれるということは安心だと話す。技術提携に関しては，「プログラマーのこだわりは，ゲームの質に関与する。同時にビジネスを考えると効率的な開発も必要。これらを考慮すると開発ツールの重要性は非常に高い」とし，「DCを撤退したとはいえ，ハードウェアをやっていたノウハウを提供できると思う」とコメントした。

[SOFTBANK GAMES]