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ASIMOも開発OK? NECがロボット開発ソフト提供
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2003年5月19日 |
NECおよびNECシステムテクノロジーは本日(5月19日),ロボットのソフトウェア開発用のアプリケーション「RoboStudio」の販売を7月から開始することを明らかにした。最小構成価格は1,000万円で,対応OSはWindows2000,Redhat Linux(11月販売開始)の2種類。
この「RoboStudio」は,2001年に同社が発表,これまで2年間,95の家庭で実証実験を行ってきたパーソナルロボット「PaPeRo」(右写真)の研究結果に基づき,開発された汎用のパートナーロボット用のソフトウェアプラットフォーム。
「RoboStudio」の特徴は,従来までの開発で一緒にコーディングされていたロボットの立ち振る舞い,会話を司るシナリオ(ソフト)とワーカ部分(ハードウェア制御)が分離・統合して提供されていること。ロボットの動作・知識を統合制御する知識データベースも搭載されており,知的な受け答えや振る舞いも実現できるのもウリだ。
ロボットの行動を司るシナリオ部分のアーキテクチャにはグラフィカルなインタフェースが採用されており,ロボットの形状に合わせたプラグインを40〜50まで増やすことができる。すべての動作を感覚的に作成・エディタなどで直接編集することも可能だ。
このほかにもインターネットから情報を直接取り込む機能の収録,映像・音声の認識エンジンの向上,トラブル発生時の状況検知フィードバック技術など,2年間におよぶ「PaPeRo」技術開発の結果を惜しみなく使用。これにより,開発ベンダーは専用の開発キットを0から開発する必要がなくなり,「どのようなロボットを開発したいか?というアプリケーションに専念できる」(NECシステムテクノロジー執行役員常務・西龍己氏)という。
価格はシナリオエディタ,リファレンスシナリオ,モーションエディタ,標準ワーカ(音声認識,画像認識,メール,ブラウザなど)が入った最小構成価格で1,000万円。NECマルチメディア研究部長・藤田善弘氏によれば「今までの数十分の1の価格でロボット開発に参入が可能になる」とのことだ。現在,1社に販売されることが決定している。
なおNECでは「PaPeRo」単体の商品化は「考えていない」(NEC)。ただし,開発ベンダーに向けて参考のために貸与することは検討中だという。
[SOFTBANK GAMES]
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