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海外に注力! スクウェア・エニックスが戦略説明会
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2003年5月29日 |
スクウェア・エニックスは5月29日,都内のホテルにおいて戦略説明会を開催した。旧エニックス,旧スクウェアの平成15年3月期決算説明も行われたが,やはり報道関係者らの注目は合併後の展開に集中した。
壇上に立った同社・和田洋一氏は,「夏の社屋の移動によって合併がすべて終了する。既に同一組織として機能している部署も多い。ゲーム開発部門でも交流が進み,“半熟英雄 対3D”に“せがれいじり”キャラが登場する」と,順調に合併後の作業が進んでいることをうかがわせた。
2004年度の展開については,部門ごとに説明が行われた。パッケージ部門は,(旧)両社がオリジナルにこだわっていることから利率が40%前後と高いことを報告。「他社はロイヤリティなどを払わなければならないので15%〜25%の利率となり,当社とは比較にならない」と話す。
また,今期さらに注力するというオンラインゲームだが,北米での立ち上げなどで利益率が低いものの,それでも100億円の売上げを見込んでいる。これも「ファイナルファンタジーXI」人気による自信か。なお,和田氏によれば,同社のネットゲームでは,ソフトそのもの(CD-ROM)の収益と課金の収益比は1対2から1対3へと変化してきているとし,ネットでの収益に手応えを感じていることを明かしている。
ほかにも内部開発を進めるモバイル部門や,出版部門などにも力を入れていく。
その後,ゲーム市場についての現状にも触れ,日本市場の相対的な低下に伴う海外への注力も明らかに。「海外とテイストが違うというが,E3などでの評価を聞いているとそんなことはあまりない。それよりもきちんとしたローカライズが重要」とコメント。
「マルチプラットフォームよりマルチナショナル」とし,北米での直販体制,オンラインの体制を整えること,欧州でのローカライズの強化,さらにアジア圏の急激なユーザー増に対するスケーラビリティ対応などの課題を次々挙げていった。
スクリーン上で公開された資料によれば,日本国内は23タイトル・570万本,北米では9タイトル350万本,欧州では4タイトル・185万本,そのほかの地域でも1タイトル・5万本の販売本数をそれぞれ見込んでいる。また,エンターテイメントの新要素である,コミュニケーションなどへも引き続き注力していく。
合併直後で,クリアすべきものが多数あるスクウェア・エニックスだが,和田氏は「合併後のフレッシュスタートで,それぞれの資産を活かして無理なく延ばしていく」と説明会を締めた。
[SOFTBANK GAMES]
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