第17回「ドラクエコンサート」のテーマは「家族愛」

2003年8月29日

「ドラゴンクエスト」の世界がフルオーケストラで楽しめる夏の恒例イベント，“ファミリークラシックコンサート〜ドラゴンクエストの世界〜”が，8月28日，東京芸術劇場で開催された！

　今年で第17回目を迎えるファミリークラシックコンサートは年を重ねるごとに来場者が増え，今年のチケットは100％完売という大盛況に。今年も家族連れを中心として，多くのドラクエファンで賑わっていたぞ。

　気になる今回のプログラムは，“交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁”から全曲と，「ドラゴンクエストモンスターズ」から「天空の世界」「テリーの世界」「追憶の旅路」の3曲を演奏。演奏は神奈川フィルハーモニー管弦楽団で，指揮，MCはもちろん作曲者のすぎやまこういち氏。

　なぜ今回は「ドラクエV？」という問いにすぎやま氏は，「ここ最近起こる少年犯罪が原因は家族，そして親子愛が不足しているからではないのか？と思ってるんです。そして「だからこそ，親子愛，そして家族愛が詰まった「親子三代」のテーマを描いたドラクエVを再度プレイするきっかけとなって欲しいと思い，Vにしました」とその想いを語る。

　ちなみにすぎやま氏は，「『V』ではヒロインのフローラ，ビアンカ，両方とも結婚しましたよ（笑）」だとか。一方，続報が待たれる「ドラゴンクエストVIII」の曲作りに関しては，「現在頭の中のイメージが浮かんできている状態。具体的な曲作りに関して打ち合わせをするために来週，九州は博多に居を構える『ドラゴンクエストVIII』の開発元，レベルファイブ足を運び，堀井雄二さんも含めて決起集会を行う予定（笑）。」とのことだ。

　そして待ちに待ったコンサート開始！　ドラクエの代表曲である「序曲のマーチ」で幕をあげた交響組曲は，透き通るような木管楽器の透明感ある音色が美しい「天空の世界」，「テリーの世界」「追憶の旅路」といった静かな曲が続く。

　そして街の雰囲気を，あのはずむような，弦楽器のピチカートストリングス（弦を指で弾いて音を出すこと）で「街角のメロディ」で再現したあと……血湧き肉躍る「戦火を交えて」へ！　息もつかせぬ展開に少々冷房が効いた広い会場内が，一気に熱気を帯びたステージへと変貌を遂げたのだった。

　満場の観客は次々に演奏される曲目に聞き入っては，それぞれの『ドラクエ』を思い描き，それぞれの冒険を楽しんでいたよう。あっという間にすべての演目が終わったあとは，アンコールを求めるカーテンコールにすぎやま氏が再びステージに参上！

「やりますか……」とつぶやいた後に演奏された楽曲は，「ドラゴンクエストII」のイメージソングで名曲中の名曲「LoveSong探して」，「ドラゴンクエストIII」のバトルパート，「戦いのとき」だった！

　この展開にはおもわず会場から「おぉー!!」という声があがり，会場の熱気はさらにヒートアップ！　帰り際のCD販売コーナーには，普段クラシックを聴く機会のない若者も詰めかける盛況となっていたぞ。やっぱりドラクエの文化ってスゴイ！

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文・取材協力：ザ・プレ2，ドリマガ編集部