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CEDEC開幕! ナムコ岩谷氏の講義など大人気
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2003年9月4日 |
本日(9月4日),ゲーム開発者向け技術総合カンファレンス「CESAデベロッパーズカンファレンス 2003」(CEDEC 2003)が開幕した。5日まで。
第5回目となる今年の「CEDEC」は、過去最大数の40セッションを実施。プログラミング、ゲームデザイン、ビジュアルアーツ、サウンド、ネットワーク、モバイル、プロデュースの7つのジャンルで行われており,それぞれ多数の受講者を集めている。
会場となった明治大学リバティタワーのエントランスホールでは,CRIミドルウェア,クライテリオン・ソフトウェア,エフワン,Metrowerks Corporationの各社が,最新の開発ツール群を実際にデモ。受講者たちは,講義の間にこれらのツールを操作しながら,担当者に話を聴いており,ロビーも盛況だった。
初日の本日(4日)は,MSの「次世代DirectX」をはじめ,「ゲームアプリケーションの高速化手法」「ゲーム音声のためのサラウンドミックステクニック」など注目の講義が多数。
その中で「パックマン」などで知られるナムコ・岩谷徹氏の講義「面白いゲームと、売れるゲームの開発手法」は,特に大盛況! 20代〜30代を中心に40代以上のゲーム開発者たちも来場,岩谷氏の話に耳を傾けていた。
まず岩谷氏は,ビデオゲームの歴史を紹介しながら「僕はピンボールを創りたくてナムコに入社したのに,歓迎会で“ウチは(ピンボールを)やってない”と上司に言われて,入社1日目にして夢が敗れた」と教室を埋めた受講者を笑わせる。
次いで「パックマン」の開発コンセプトにも触れ,“女性がターゲット”“女性が好きな「食べる」という行為を盛り込む”などを企画に組み込んでいたという。企画書にない機能なども,作業を進めていくうちに増えていく。上司やクライアントから「直せ」という指示があっても,コンセプトが間違っていないなら曲げないことも重要だ」とした。もちろん,上からの意見はきちんと対応すべきとの注釈もバッチリ(社会人だしね・笑)。
ゲーム開発については,ナムコは「ギャラクシアン」「ラリーX」「ゼビウス」と少しずつゲームに新要素を追加させ,進化させてきたと話す。「最近のゲームは新要素を一気に組み込み,プレイヤーを戸惑わせている。だれのためにゲームを創っているのかを常に意識してほしい」という岩谷氏のコメントに,うなずいている受講者も多数いたぞ。
その後,社会学者のロジエ・カイヨウ氏が提唱している競争・偶然「遊びの4つの分類」に加え,自ら律動(リズム)という要素も重要だと付け加えた。また,「ゲームが面白いと感じる要素」なども紹介。
面白かったのは,「すべては観察から生まれる」とした解説で,どこかのビルの単なるエスカレーターを乗り降りする人を映したVTRを流し,会場の受講者に「これを見て何か気が付いたことは?」と問う。色んな意見が出たが(もちろんすべて正解ではあるが),岩谷氏が特にポイントとしたのは「エレベーターなどと違い,エスカレーターは電気が止まっても階段として機能する」ということ。こうしたあるものを活用するという企画が,いいゲームを生み出すことに繋がるというのだ。
その後,企画を進めるコツなどを紹介し,最後に岩谷氏が受講者に語ったのは「勇気・使命感・エネルギー,この3つがあれば必ず成功する」との言葉。
「パックマン」を生み出したヒットメーカーの,ゲーム開発のヒントにみな満足して講義は終了したのだった。
なお「CEDEC 2003」は明日も別のセッションが用意されて開催される。一部の講義以外は当日受付もあるらしいので(有料),開発者は貴重な話を聴いてみては? 詳細はCEDEC 2003 公式サイトを参照のこと。
[SOFTBANK GAMES]
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