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東京国際CG映像祭で「ケイナ」初お披露目
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2003年11月5日 |
最新CG映像に関する映像祭「第2回 東京国際CG映像祭」が,本日(11月5日),六本木アカデミーヒルズにて開催された。
「東京国際CG映像祭」は,東京国際映画祭の一企画として昨年から新設された映像祭。世界中のCG業界で活躍中の人物を招き,最新CG映像についてのパネルディスカッションなどが実施される。
本日,パネルディスカッションが行われたフルCG映画「ケイナ」は,仏企業のジラム・アニメーションが手がけるファンタジー作品。2004年3月6日に日本公開予定で,同映画を題材にしたPS2ゲームもナムコから発売されることが決まっている。
物語の舞台となるのは,植物の星“アストリア”を埋め尽くす謎の樹木群“アクシス”。その“アクシス”で暮らす少女・ケイナは,ある時不思議な「青い太陽」の夢に導かれるようにしてアクシスの根元へと旅立つことに。しかし彼女は,そこで賢者「オパッツ」と出会い,衝撃の事実を知ることになる……という物語が展開する。
会場では,映画のプロデューサー,マーク・デュ・ポンタヴィス氏,監督のクリス・デラポート氏,ゲームプロデューサーの野口伸二氏らが出席し,独特の世界観を放つ同作品の制作裏話などが紹介された。
まず仏のアニメーション業界について「仏では,アニメは長い間アートでしかなかった。ビジネスとして展開されはじめたのは15〜20年前からぐらいで,いまだに『アニメは子ども向け』のものだという認識が強い」とマーク氏は語る。
そんな状況の中,フルCGの長編アニメーションを作るきっかけを同氏に与えたのは,日本を代表するアニメ「AKIRA」などの作品。「日本のアニメを見て,『子ども以上の年齢の人にアニメを見せられる』ということを知った。ほかにもL.A.でゲームの映像が拍手で迎えられるのを見て,同じ技術を持っている我々ならできる,と思いました」(マーク氏)という。
世界観のイメージはあくまで“セミリアル”。「現実をそのままCGに持ってくると,どうしても『現実とCGとの違い』に観客の気が取られてしまうし,それでは意味がない。あくまで物語を語り,世界観を伝える方法として,フルCGという方法を選んだ」(マーク氏)。
なおゲームとのコラボレーションは,プロジェクトのスタートから構想に入っており,「3年前ぐらいに熱心なプレゼンテーションを受け,紆余曲折の上こちらで引き受けることが決まった」(ナムコ・野口氏)という。ゲーム開発には監督のクリス氏も積極的に関わり,脚本・内容に関してナムコスタッフと頻繁にやり取りをしたとのことだ。
そのデキについては,「世界観の共有のためにやり取りをさせてもらったが,ゲームについてはナムコの開発スタッフを全面的に信用した。おかげで素晴らしいものになった」とクリス氏も満足げ。ナムコからも「映画の素材を惜しみなく提供してもらい,世界観はもちろん技術・コストの面でも大変いい勉強になった」(野口氏)という声が挙がっていたぞ。
なお,気になる映画「FINAL FANTASY」との違いについてマーク氏は,「『FF』は,もともと世界観がバッチリとあったコンテンツで,『ケイナ』とはビジネスモデルが違うと思っている。コストも全然違いますよ」と話していたのだ。
映画の制作元とゲームの開発がガッチリとタッグを組んだ世界初のプロジェクト「ケイナ」。プロジェクト開始から5年,来年3月にようやく実を結ぶだけに,その行方には期待をしたいところだ。
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