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これからのゲームと著作権―ACCS久保田氏講演
2004年1月27日

 

 中古問題,海賊版販売など,さまざまな著作権問題を抱えるゲーム業界。本日,テレビゲームの展覧会「レベルX」のセミナーにて,著作権とゲーム業界との関わりについて講演が行われた。

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 講演を行ったのはコンピュータソフトウェア著作権協会の専務理事・事務局長の久保田氏。

 ファミコン誕生から20年,家庭用ゲーム機誕生から見ても30数年と,まだまだ歴史が浅いゲーム業界では,これまでにも著作権を巡ってさまざまな裁判が行われてきた。その中でも大きいのは「スペース・インベーダー・パートII事件」('82年),「パックマン事件」('83年),「ときめきメモリアル事件」(2001年)の3件だ。

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 そもそもゲームのプログラムに著作権が認められたのは,'82年の「スペース・インベーダー・パートII事件」から。この事件はある企業が「スペースインベーダー」のプログラムを複製,別の基板に収録して販売したものだ。

 この裁判で東京地裁は「本件プログラムは〜著作権法上保護される著作物に当たると認められる」と判断し,コンピュータプログラムを著作物として認めた。さらに喫茶店チェーンがナムコの「パックマン」を無断上映していた「パックマン事件」では,ゲームが「映画の著作物」として認められ,上映権の主張が可能になった。

 最後の「ときめきメモリアル事件」は,業者が「ときめきメモリアル」のパラメータを改変するメモリーカードを販売した事件で,最高裁はこの裁判で法人に著作者人格権(プログラムを勝手に改変されない権利)を認め,さらに制作者だけでなく輸入・販売をしていた業者にも損害賠償責任を認めている。このほかにも「三国志III事件」などさまざまな裁判が行われているが,久保田氏が例示した裁判はそこまで。

 これらの裁判の流れを踏まえた上で久保田氏は,現在の中古ソフト販売に関して「利便性だけ言えば今の状況はユーザーフレンドリーなのかもしれない。ただし業界全体を考えたときに,中古で儲けた利益の一部がクリエイターに支払われないのは正しくないと思う。しかも中古販売が合法だという考えが広まり,大手が始めることによってARTS自身が首を絞める結果になっている」と指摘する。

 またこれからの著作権の対価の支払いについて「いままではメディアを所有することに対して支払っていたが,これからは“使ったら対価を支払う”形式に変わっていくのではないか」と展望する。また「JASRACのように頒布権を集中管理をして,ある一定の範囲で権利を許諾・ソフトメーカーに分配する,ということも考えていきたい」とも意気込んでいた。


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