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東大,プロデューサーを育成する教育プログラム設立
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2004年3月9日 |
東京大学は,今秋から産学連携の教育プログラム「コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム」を立ち上げることを発表した。アニメやゲームを創造し,世界で勝負できるプロデューサーの育成を目指す。
同プログラムの対象となるのは,東京大学の学部学生,大学院生,社会人。コンテンツ制作からデジタル映像処理,流通技術など,プロデューサーに必要な幅広い技術を2年間にわたって修得する。
プログラムには,大学での講義のほか,映画やゲームなどの制作現場で就業体験ができるインターンシップも導入されており,「片手間ではなく覚悟を持って受講する学生を募集する」(東京大学 大学院 原島博学長)計画。入試などは今夏の実施を予定している。
講師は現在,産業界と大学合わせて20名程度が予定されており,角川ホールディングス代表取締役社長の角川歴彦氏,スタジオジブリの鈴木敏夫氏,プロダクションI.Gの石川光久氏,映画監督の押井守氏など第1線で活躍するプロデューサー,ディレクターの名前も並ぶ。ゲーム業界からは,今のところ鈴木裕氏が講師を務めることになっている。
同プログラムのベースとなったのは,昨年に同大学で開講した「ゲームデザイン&エンジニアリング論」。講座を担当した馬場章助教授は,同講座について「教室に入れない人が出るほどの学生が集まり,学生の評判も総じて良かった。また受講生の200人のうち3分の1がコンテンツ業界を目指していることもわかり,大変な収穫となった」と話す。
プログラムの目的は,「大学が持っている科学技術や総合的な知識を映像・コンテンツ業界に生かすことによって,日本でしか制作できない映像を制作できるプロデューサーの育成」(東京大学 河口洋一郎教授)。今まで不透明だった人材育成に関しても,産学連携という形で新しいモデルの創造を目指していきたい考えだ。
原島博学長は,同プログラムの今後について「ゆくゆくは恒久的な学科にしていきたいと考えているが,まずはできるところから,ということでこのプログラムを立ち上げた。韓国や中国など,海外からの追い上げを突き放すためにも,同プログラムを通じてコンテンツ産業の優秀な人材育成を行っていきたい。また今後は技術分野だけでなく,著作権やマーケティング面に強い人材も育成したい」と話した。
また角川ホールディングス代表取締役社長の角川歴彦氏は,プログラムの設立に際し「コンテンツ業界にやっと光が当てられたのはとても嬉しいこと。大学に入るぐらいの能力を持つ人に,きちんと映画やコンテンツを作る能力を付ける機会をこれからも作っていきたい」とコメントを寄せている。
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