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「VIII」の映像も!「ドラクエミーティング」開催
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2004年3月9日 |
スクウェア・エニックスは3月9日,「DRAGON QUEST 2004 SPRING MEETING」を開催した。PS2版「ドラクエV」の完成報告のほか,今後の「ドラゴンクエスト」の展開などが発表されている。
MEETINGは,すぎやまこういち氏が指揮する“ドラクエ”サウンドのオーケストラ演奏でスタート。東京都交響楽団による,“あの”オープニングなどの演奏に,来場者たちは聴き入っていた。やっぱり生で聴くオーケストラは迫力や透明度が違う。
素晴らしいサウンドに酔いしれたままの,来場者の前に登場したのは,同社代表取締役・和田洋一氏。「世界をリードしてきた日本のゲーム市場を作ってきたのが“ドラクエ”だった」と話し,「ゲームで初めて感動したのも“ドラクエ”で,ユーザーのゲームへの向き合い方を示した作品だった」と振り返る。
和田氏は,「そうして,われわれは“ドラクエ”で育ったが,新しい世代にも“ドラクエ”の素晴らしさを伝えなければならない」とし,先日スタートしたNTTドコモ900i用「ドラゴンクエストi」や,50万個を出荷した体感ゲーム玩具「剣神ドラゴンクエスト」,さらに文具やフィギュアといった“ドラクエ”の展開を報告。BEAMS-Tとのコラボレーションにより,ウェア類にも“ドラクエ”が進出することに!
「そうした展開のすべてが“ドラクエVIII”に流れている」とし,最終的に(ドラクエを)「日本の代表ソフトから,世界を代表するコンテンツにする」とした。なお,“ドラクエVIII”の発売日などに関しては「順調に(開発が)進んでいる」とコメントするにとどまった。
次いで,3月25日の発売が迫って来たPS2「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」のTV-CMが,壇上の巨大スクリーンに流されると,会場から拍手も。今回のイベント用に1分の特別編集版だ。実写で“ドラクエ”の世界を見事に再現していた。通常バージョンは,もうすぐキミもTVで見ることができるぞ。こうご期待。
そのままPS2版「ドラクエV」の完成報告会に。スクウェア・エニックスの第9開発事業部の三宅事業部長の司会のもと,アートディレクション担当・アルテピアッツァの眞島真太郎氏,音楽担当のすぎやまこういち氏,シナリオ&ゲームデザインのアーマープロジェクト・堀井雄二氏の3人が登壇。
眞島氏は,「12年前に発売されたSFC版“ドラクエV”の,物語の疾走感に圧倒された。それに負けない臨場感やスピード感を出そうと務めた」と話す。実際,スクリーンに流されたPS2版「ドラクエV」のグラフィックなどは,格段に美しくなっているだけでなく温かみがあり,なおかつ小気味の良い雰囲気をかもし出していたのだ。
先ほどオーケストラの指揮をしていたすぎやま氏は,「PS2版“ドラクエV”のBGMは,NHK交響楽団によるオーケストラで流れる。作家たちの共同作業により,“ドラクエV”は総合芸術に仕上がった」と自信を見せる。「今回のイベントで演奏してくれた東京都交響楽団に,“ドラクエ1”からすべて演奏してもらって撮り直したCDを,2年くらいかけて順次リリースしたい」と計画を語った。欠席だったキャラデザの鳥山明氏からも「堀井ワールドは心地よい」と期待が持てるコメントが届いていたぞ。
最後に堀井氏は,「SFC版の2Dから今回3Dと変更されたり,連れて行くモンスターの数の変わったので,戦闘バランスなどをすべてやり直した」と,開発時の苦労を語る。
同時に,「“ドラクエVIII”と同時開発だったのも大変だった」と話し,「“ドラクエV”に同梱される“ドラクエVIII”の特別映像の一部をお披露目。どんな画像だったかは,3月25日の「ドラゴンクエストV」を買ってもらうとして,鳥山氏の個性的なキャラクターたちのイメージを崩すことなく,見事に3D化に成功していた。かつてない壮大な物語を予感させるムービーに,会場は静まり返ったほど。決して技術だけに走るわけでなく“ドラクエ”の暖かさを一切失っていないものだった。
「あの映像を見たらだれでもプレイしたくなるね」というのが,会場を後にする人々の間から聴こえてきた。「世界を代表するコンテンツ」を目指し,「ドラゴンクエスト」はまだまだ進化する!
[原 毅彦, SOFTBANK GAMES]
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