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DEA入学式で日野氏&堀井雄二氏がエール
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2004年4月8日 |
本日(4月8日),都内で行われたゲーム専門学校「デジタルエンタテインメントアカデミー(DEA)」の入学式にて,「ドラゴンクエスト8」「トゥルーライブファンタジーオンライン」の開発で知られるレベルファイブの日野晃博氏の講演が行われた。
DEAは,スクウェア・エニックス,アトラス,カプコン,コーエー,サミー,SCEJなど,ゲーム・アニメ業界・IT業界の大手22社が資本参加をする専門学校。ゲーム開発やモバイルコンテンツの制作,ネットワーク技術など,ITに関するさまざまな技術を学ぶことができる。
本日行われた入学式では,ACCS専務理事の久保田氏,カプコン常務執行役員の山下佳文氏,ニフティ取締役の本名信雄氏らが登壇し,株主を代表して挨拶。学生に向け「技術は学校で学べるが,感性はあくまで自分が育てるもの。テクニックにおぼれることなく,自分の感性を伸ばすことをいつも念頭に置いて欲しい」(本名氏)とメッセージを贈った。
また,同日行われた日野晃博氏の講演では,途中から「DQ」シリーズで有名な堀井雄二氏も交え,「ドラゴンクエスト8」の開発途中秘話などが語られた。
まず講演は,日野氏ゲーム業界に入った切っ掛けからスタート。「ドラゴンクエスト3のエンディングを見てジーンと来た時に,『ゲームでこんな気持ちになれるのか』と感動したのが最初で,それで自分でもできないかな,と思ってこの世界を目指しました。あの時はスクールとかもなかったから,言語も自分で独学で勉強しました」という。「今,堀井さんと一緒に仕事していることはスゴイことだと感じている」と感慨深げだ。
その日野氏が,「DQ8」で堀井氏と仕事をする中で驚いたことは,「苦労して作ったものが,バッサリと没になるところ(笑)」だそう。
堀井氏はその理由について,「(ある要素を)できるようにするのはいいけど,そのシステムができることでユーザーは『やらなきゃいけない』状態になっちゃうでしょ。僕は開発者だけど“ユーザー”でもあるから,『作業になる』だけならいらない,というのが基本的な考え方なんだよね」と語る。日野氏はその言葉を受け,「贅肉のないシンプルなゲーム,という『DQ』のスタンスを守って開発を進めていきたい」と気を引き締めていたよう。
なお,学生に対しては「自分で何をすべきか考え,人に聴いて,自分の作品を切り開く“野性のクリエイター”になって欲しい」(日野氏),「ゲーム制作で『プレイするのは人間』だということを常に忘れないでください」(堀井氏)とメッセージを贈ってくれていた両氏。特に堀井氏は最後に,「作っているうちに必ず“限界”がある。そこで大事なのは,“できない”ことを“どうやって解決するか”ということ。『こうしたらできるんじゃないか?』ということを常に考えて,あきらめないで」(堀井氏)と学生にエールを贈り,入学式を締めていた。
[SOFTBANK GAMES]
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