シェーダ3.0に対応した「GeForce 6800」正式発表

2004年4月16日

　NVIDIAは本日，高性能デスクトップ・コンピュータ向けの最新GPU「NVIDIA GeForce 6800」を日本でも正式に発表した。

「GeForce 6800」は，これまでの“パソコンのGPU”という考え方から一歩踏みだし，デジタルテレビなどの“デジタルメディア・ネットワーク”時代を視野に入れたGPU。

　機能面に言及すると，コンシューマ向けGPUとしては初めて，3Dグラフィックスプロセッサとプログラム可能なビデオプロセッサを融合し，一つのチップとして内蔵した。これにより，1チップでも3D処理とMPEG-1からMPEG-4，WMVなどのエンコーディングまで対応する。

　また2個のシェーダユニットを備えることにより1処理あたりの演算量を倍増。シリーズ待望のDirectX9，ShaderModel3.0をサポートも実現した。

　重要なのはこの点で，DirectX9，ShaderModel3.0をサポートすることにより，ゲームなどでのグラフィック表現が格段に飛躍する。30万ものポリゴンで描かれた人魚Naluのデモでは，水に揺らめく髪の毛（15万ポリゴン）の様子，単一のシェーダながらも条件分岐を駆使して描ききった鱗と皮膚の表現などを見ることができた。

　下の写真はFPS「FarCry」(Ubi)の一画面だが，GeForce6800を通すと煉瓦や岩一つひとつの凹凸，光の反射までまではっきり見分けられるほどの表現が可能になる。

　オンライン＆FPSというジャンルからも，非常に高いレンダリング機能を要求される「バトルフィールド ベトナム」でデモを行ったエレクトロニック・アーツの柳下雄一氏は，「兵士の持っている武器の金属感や兵士の肌のつやなどを表現できる。特に，ほふく前進をしたときの草木の描き込みはさすがだと思う。非常にアップグレードされているという印象を受けた」とGeForce 6800の性能を評価した。

　一方，現在βテストを実施中の「リネージュII」でデモを行ったNCジャパンの越知雄一氏は，正式サービス後に実装を予定しているドラゴンとの戦いや，攻城戦のもようをGeForce6800を使って公開した。「魔法の表現もさすがだが，一番の違いは水面の表現。人数が多くても，このGPUなら表現しきることができる」とコメントした。

　またUnrealエンジン3で注目されるEpicGamesのCEO兼CTOティム・スィーニー氏，も壇上にあがり，開発中のデモンストレーションを使ってプレゼン。総数2億ポリゴンで作られた美しい映像を公開した。残念ながら映像の掲載は不許可となったが，ピクセル単位で表現したライティング，64ビットの表現，息を呑むほどの映像を見ることができた。

　ここまで見せられると，このShaderModel3.0対応タイトルがどのくらいあるのかが気になるところ。現在発売されているなかでは「FarCry」が有名だが，今後も「マデン2005」「タイガー・ウッズ2005」など多数のゲームが対応する予定だという。

　NVIDIAデスクトップGPUシニア・プロダクト・マネージャーのSteven Sims氏によると，「GeForce 6800」の気になる価格帯は「市場導入時はGeForce5900並の価格で提供したい」とのこと。6万〜7万円前後の価格になる見込みだ。なお「GeForce 6800」は既に量産体制に入っており，は今後45日以内に出荷が開始されるということも明らかにされた。

　GeForce 6800のPC OEMメーカー，アドインカードメーカーは下記を参照のこと。

[SOFTBANK GAMES]

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