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JDCら3社,個人投資家向け「アニメファンド」発表
2004年7月27日
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 ジャパン・デジタル・コンテンツ(JDC),楽天証券,ジェット証券の3社は本日(7月27日),個人投資家向けの「アニメファンド!」を発表した。

「アニメファンド!」は,アニメの制作上で生じる費用を小口証券化し,一般投資家に購入してもらうことで制作資金の調達を図る金融システム。

 第1弾の対象となる作品は,講談社「ヤングマガジン UPPERS」で連載中の漫画「バジリスク 甲賀忍法帖」(原作:山田風太郎,漫画:せがわまさき)のアニメーション作品。制作はゴンゾで,2005年に完成,4月から全24話の放映を予定している。放映局は,現在CS/BSを検討中。

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 このファンド最大の特徴となるのは,公募型エンターテイメント・ファンドで初の優先/劣後構造を導入,優先出資部分を個人投資家に割り当てたこと。運用において発生した収益は個人投資家に優先的に配分され,逆に損失が発生した場合は劣後出資となる機関投資家が先に負担する仕組みだ。

 ただし,「アニメファンド!」で個人投資家の配当資源となるのはアニメの国内DVD販売収益からのみ。DVD以外の版権収入は機関投資家への配当に当てられる。また出資額から110%の上限が定められており,それ以上の売り上げとなった場合の配当増額はない。

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 DVD販売は,2005年7月からを予定しており,12巻構成を計画中。2006年8月までに売り上げた本数が売り上げの締めとなる。「上代7,800円で,1巻1万枚売り上げれば元本と同じ計算になる。このハードルはゴンゾの作品ならば高くないものだと考えている」(JDC代表取締役 土井宏文氏)。

 収益率が最大で110%という上限,回収先がDVD収益のみになることについては,「年利に計算すれば5%となるので,そんなに低い額だとは考えていない。また通常のアニメ事業における利益は8〜9割がDVDの収益によるもの ということから考えても,(個人投資家の)リスクはかなり軽減されていると考えている」(JDC 岩崎氏)という。

「アニメファンド!」の募集は楽天証券およびジェット証券で行われ,1口5万円(4000口)。募集開始は9月から約2カ月間の予定だ。また数口応募するとスタッフロールに名前が記載されるなどの特典も用意される。

 巻を追うごとに売り上げが下がると言われるDVD収入が今回のファンドの成否の鍵を握るだけに,今後の推移を注目して見守りたいところ。 ただし,制作費の資金調達が困難,と言われるアニメ業界において,今回のようなファンドが組成されたことは朗報と言えるだろう。


[金子幸恵, SOFTBANK GAMES]

(C) 山田風太郎/せがわまさき
(C) 講談社

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